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ノフィナの冒険  作者: 葵ウォーリア
第2章
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タリアの罠

「ノフィナ、周りが何と言おうとここはお前の家だ、辛くなったらいつでも戻って来い!」

「そうですよ、それとたまには連絡してきてね、ノフィナはいつも強がってしまう癖があるから心配なのよ」


別れ際、二人は思いっきりノフィナを心配する。


「ありがとう……絶対……ガーランドを大きくしてみんなを迎えるからね……それとそれと……」


ノフィナは泣きそうになり、ゾノミのお腹を優しく触る。


「産まれたら元気な姿をおばさんに見せてね、男の子か女の子かわからないけど、おばさんは君を思いきり可愛がってあげるからね!」

とノフィナは涙の溜まった瞳で見つめ、ゾノミの中にいる赤ん坊に向けて語った。


そしてそして、別れを惜しんで暫く話し込んで時間も忘れようとしていた時


「あっ、そろそろ時間だ!急がないと乗り遅れちゃう!ではノフィナ改め、「ラナエ・パトリシカ・ガーランド」!お国を盛り上げに言ってきます!!」


ノフィナはユグド達に向けてビシッと直立姿勢し、その細腕で力強く敬礼を交わした。


ユグド一同もビシリとノフィナに敬礼を交わす。

そして敬礼しながら暫く見つめ合った後、ノフィナは踵を返し新たな人生を歩みに歩いた。


「立派な女王になって来い!そして思いきり俺たちを平伏させろよ!!」

と潤んだ目で少女を見据え、ユグドは囁く。


しかしそれが結局叶わぬ夢になるとは今のユグド達には想像も出来なかった。


ノフィナはマップに記されている通りに進み、バスに乗る。


段々と見慣れた景色が小さくなっていく。

その度に何かに押しつぶされたような気持ちになっていく。


ギュッと服を握るノフィナ。

『緊張してるの?』

「わかっちゃった?」

ワイマが話しかけて来る。ワイマは今帽子のようにノフィナの上に乗っている。


『震えでわかるよ、おいらもさ』

ワイマはこう言った。

そしてバスに映るテレビにはまたコロナ感染の報道が目立っていた。


『とある風俗店の女性が新型コロナに感染しており……』


その話を聞いてノフィナの隣の奥様方は

「風俗店なんて汚らわしい仕事やってるからかかっちゃうのよ!」

「そこに夫が行っていないか心配だわ〜その女のかかったコロナに感染なんてしたくないもの」


コロナにかかったその風俗嬢をこき下ろすような陰口で持ち上がる。


(本当に人って怖いな…でもわからないでも無いかな…?)

ノフィナは周りの話を聞き流しながら思った。


大抵そこに勤める人は他に行く所が無いからとか聞いた事もあるからだ。


そして身銭を稼ぐ為にどうしても人と接触せざるを得ないからだ、


(とは言えそっとしておいて欲しいよね、その人もそこに務めたくて勤めてたわけじゃないと思うし…)


なんだかんだで分別のあるノフィナはそう思ったが。


『風俗店やる子もやる子だよな、行く方も行く方だし、伝染っちゃうのわかってるじゃないか!』

と思っていたらワイマはこう言ってきた。


「駄目だよそんな事言っちゃ!」

『ごめんなさいっ』


人は、動物もだけど、生き物である限り誰かが悪く言うと悪い噂を伝染させてしまうものらしい。


自分の考えを持たない。

多分、流される事は生きる為には必要な事なんだろう。


しかしノフィナはそこまでプライドの低い子では無かった。


「その人も事情があっての事だし、人を悪く言うのはおよし!」

『はい…』


とその時「あの…さっきから誰と喋ってるんですか?」と女性が聞いてきた。


「あ、いや独り言です、すみませんっ」

ワイマと喋っているのが人には独り言に映ったのだ。


ワイマは帽子犬と言う特殊な犬種で帽子のようにノフィナの頭に被さっている。

言葉を交わしていると周りからは奇異に映っても仕方が無い。


恥ずかしく首を垂れるノフィナだった。


本当になんでわざわざ誰がコロナに感染したなどの報道を流したりなんかするのか…。


そうしたら益々人は疑心暗鬼になるし報道を流された人は心に傷が残るし良い事なんて何も無いのに。


それも大魔王コロナがそうさせているからか。


許せない事だ。

もしガーランド城を大きくしたらお金を使ってでも大魔王コロナを倒す勇者ギルドを建てよう!


ノフィナは誓いを立てる。

それが叶わぬ夢となる事とも知らずに…。


そうして目的地が見えてきた。

「やっと着いた!そこにお姉様とみんなが待っているのね!」


そしてバスを降りるノフィナ。


緊張を和らげる為に大きく鼻で吸って息を吐く。

故郷とは匂いが違うように感じた。


「さて行きますか!」

ノフィナは意気込んで姉のいる所まで足を運んだ。


するとこっそりとボロい建物が建っているだけの荒野にノフィナは出てしまう。


「ここに城を建てると言うのかな?そしてお姉様とみんなはこの建物の中にいるのかな?」


ノフィナはその建物の中に入る。

するとガシャンともの凄い音がした。


なんと扉が閉められた。


そしてそして、辺りが真っ暗闇となってしまう。


「え!?何これどう言う事!??」

電気はくがそこにはガラの悪い男達がノフィナを取り囲んでいた。


「悪く思うなよ姉ちゃん、これもあの人の命令なんだ!」


「あの人って…きゃあ!!」


ノフィナは男達に身ぐるみを剥がされようとする。


「おやめなさいっ!」

ノフィナは短剣を出現させてそれを振るう。


男達は避けるが薄気味悪い笑みを崩さない。


ノフィナはぞくりとするが強気な姿勢で敢えて臨み、男達に短剣を突き立てた。


「こんな事をしてタダで済まないですよ!」

そう啖呵を切るが男達は

「へえ、どんな目に遭わせてくれるんだい?」と言って来た。


(くそう私をただの美少女だと思って…)

と歯を軋ませノフィナは詠唱する。


「ノフィナボム!!」

ノフィナは手を突きかざし、目前を爆発させる。


しかし男達にはそれが通じず、逆ギレして襲いかかって来た。

全体重をかけてノフィナはのしかかられる。


『ノフィナさんから離れろ!!』

「邪魔な犬め!!」

ワイマが果敢に男を噛みにかかるが逆に抑え込まれ縄でグルグル巻きにされた。


「てめえこそタダで済むと思うなよ!!」

「このっくっ!!」

男達には腕力で歯が立たず短剣が取り上げられてしまう。


そしてそしてその短剣で逆にノフィナは衣服を引き破られた。


「くっ!ノフィン!こいつらをやっつけて!!」

『良いのかい?騒ぎを起こしたくないと…』

「この状況なのよ!早くやりなさいっ!」


カチンッ!

ノフィンはその言葉に不愉快さを覚えた。

まあこいつらをやっつけたらお仕置きしてやろう。


ノフィンはそう考えて触手を畝らそうとした。


「ぐふぅ!?な、なにやってんのよ??」

ノフィナはもがきだす。


男達はなんだこいつ…病気か?と言う風に苦しむノフィナに疑問を放つ。


『いや、僕は奴らを始末しようとしただけだ!もう一度!』

「はぁん!」

またも苦しむノフィナ。

『どうなっちまってるんだ?』

ノフィンは思った。


「心配いらぬ、この小娘は病気ではない!」

「お前はヘル!」

なんとヘルという科学者が暗闇の中から現れた。


「久しぶりだねぇノフィナ君、まんまと姉の罠に引っかかってくれて助かったよ♪」


「姉…タリア姉様の事なの!?彼女を何処にやったの!!?」


頭や色々な所を押さえつけられるも力いっぱい抵抗して怒号をあげる。


「そのタリア姉様に頼まれてやっているのさ、ラナエ・パトリシカ・ガーランド王女様♪」


「そんな…嘘よ…」

ノフィナはたちまち失望感にかられる。


「お前達、この小娘を思う存分可愛がってやれ!」

「合点承知の介!」

「嫌ああぁ!!!」


少女の悲鳴は虚しくかき消された。


ーーーそしてそしてある病院。


コロナ感染で待機している一人の女はその様子を水晶玉から眺めていた。


「ぐふふ良い気味よラナエ…この私の生き地獄を思いきり味わいなさい!」


そして、ヘルとタリアはグルで、契約を交わしていた。


悪魔の契約を。


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