勇者ノフィンの失敗
「ぐぎゃあああぁおおおおぉ!!!」
巨大なモンスターの群れが咆哮をあげながら一人の男性を喰らいつこうと襲う。
餌の奪い合いまでしそうな勢いをつけて。
ノフィンは表情を崩さず、しかし目つきを鋭くさせて手を突き出した。
指にはめた指輪が赤く光る。
「爆ぜろ!!!」
ノフィンが唱えると燃え盛る炎が指輪から出現し、それは空を舞う龍の如く畝りをあげてモンスターの群れを焼き尽くす。
そう、その指輪は炎、雷、氷を出現させる指輪であり敵を蹴散らす魔法用具だ。
バキイン!!
しかし、その指輪は粉々に崩れてしまう。
魔法を使い過ぎて脆くなってしまったのだ。
「チッ!もう魔法切れか…」
しかしモンスターは火に炙られながらもノフィンを無き者にしようと目掛けてきた。
「流石は魔王の手先…簡単にはやられてくれないか…」
ノフィンは苦い顔をして剣の取っ手に手をやり、それを引き抜く。
ドカンドカンドカン!!!
ノフィンは数発攻撃を入れられるも、体勢を立て直し反撃に出た。
「きゃあぁ!!」
「うわあぁ!!」
ノフィンと共に戦っていた仲間が崩れる。
「グレン!うるみん!しっかりしろ!!」
「ジェシカや…ハメルにもよろしく言ってくれや…」
「ノフィン…今度はサキュラに会わせて…」
すると2人はそのまま絵の具と化す
そう、それはノフィンの描いたパステルマジックによる生命体だった。
「グレン、うるみん、お前達の敵は取る…次はエミリーと乱を描こう!パステルマジック!!」
ノフィンはパレットを広げた。
しかし使える絵の具はもう使い果たしてしまった。
「しまった使い過ぎた!ここからは一人か…!」
連続の戦いで魔法で描いて仲間を増やそうとするもパレットは使い果たしてしまった。
因みにそのパレットは描いたものを具現化し、生命を吹き込む事が出来る魔法の絵の具。
絵の技術の強弱に左右され、寿命、身体能力、頭脳も絵が上手くなれば成る程高くなる、逆も然り…。
そのパレットも使いきり、ノフィンは満身創痍となる。
「くっ、戻るか…」
ノフィンは戻ろうとした。
しかしある者がノフィンの前に立ちはだかる。
顔がテレビそのもので下が背広を来た成人の姿をしていた。
『ハッハッハ!わしは最後の四天王、ザ・コロナ報道だ!今更帰す訳にはいかぬ!そしてそして、わしはお前の弱点を知っている!』
そしてそしてそのテレビはある姿をノフィンに見せる。
それはチイが真っ裸の状態で触手に絡め取られ、じわじわと痛ぶられている画面だった。
『あぁあかん…そんなんされたらウチ…』
全身触手の体液で塗れ苦しむ表情のチイ。
やがてあまりに激しい刺激の為かチイの下から液がジョボジョボと落ちる。
「くうっ、そんなの僕に見せるな…」
ノフィンは画面を反らそうとする。
しかし体はもっと見たいと伝えてくる。
案の定、テレビはそれを代弁するように放った。
「強がっても貴様はさっきから釘付けになっておるではないか!コキコキまでして!」
なんとノフィンは言葉とは裏腹にテレビの画面をしっかり見てコキコキしていたのだ。
テレビ画面がチイでなければ視点を反らす事が出来ただろう。しかし最も気になる人物がいて、しかも色んな事をされていたらどうしても見てしまうのが人のさがである。
「くっ!行く!!」
チイが痙攣を起こしていると同時にノフィンも行く。
そしてそして今度はテレビから触手が現れだした。
「体は正直だな、今度は貴様がこのテレビの中の小娘のようになる番だ!」
「嫌だやめろ!うぐっ!」
ノフィンは延々と触手地獄を味わう。
そして何度も何度も行った後深い深い穴の中に落とされた。
「チイ………コロナは倒せなかった…ごめんよ……」
ノフィンの振り絞るようにはなったか細い言葉は奈落の穴の中にかき消されていった。




