7話
「とりあえず、自己紹介してくれないか? 俺の心の中で勝手に、かぐや姫とかシンデレラとか赤ずきんって、言われるの嫌だろ?」
俺は3人にこう提案してみた。なんで俺の前世が、童話の登場人物だってわかったのかも知りたいし、いい加減名前ぐらい把握しておきたいからな。
「確かにそれもそうだね。まだキミの名前知らないし! それじゃあ、ボクからさせて貰おうかな〜」
俺のこの提案に1番に乗っかたのは、かぐや姫の彼女だった。
一歩前に出て、堂々と自己紹介を始める。
「ボクの名前は竹岡月! 前世はかぐや姫だよ。好きなお菓子は、お団子! どう? かぐや姫っぽいでしょ?」
眩しいぐらいの笑顔で、自己紹介を終えた竹岡。
陰キャの俺には笑顔が眩しすぎて、月じゃなくて太陽に見える。
「それじゃあ次はサラがする!」
次に自己紹介を申し出たのは、シンデレラの彼女だった。
片手をピーンと真っ直ぐに挙げて、元気に喋り出す。
「姫乃サラ! 前世はなんとシンデレラだよ〜! 現世は、大人気アイドルリューゲのセンターやってますっ。 よろしくね!」
ピースした手を目元に持ってきて、キャピッとしてる姫乃は、まるでバラエティ番組に出演しているかのようなノリだ。
「最後に私かな? 赤森くるみです。前世は赤ずきんだったよ。仲良くしてね」
ふふ、と笑った赤森は、天使以外の何者でもなかった。
無意識なのか、ちょっと上目遣いしてるのも可愛すぎてドキドキしてしまう。
「そこ、鼻の下伸ばさないの。変態君って呼んじゃうぞ〜」
「の、伸ばしてねえし!?」
赤森さんを少し見つめてただけなのに、竹岡は人差し指で俺のほっぺをつつきながらおちょくってくる。
俺は鼻の下が伸びてないことを、窓ガラスに反射する自分を見て、それとなく確認し、俺は話題を変えようと頭を悩ませていた。
さすがに変態君なんてあだ名は不名誉だ。
しかし俺のそんな思いは届かず、姫乃は楽しそうに竹岡の悪ノリに乗ってくる。
「それでそれで?変態クンの自己紹介は?」
「だから変態じゃねえっつの! 」
なんだこいつらは! 俺は、もしかしたらお前らのキーパーソンかもしれないんだぞ!? もっと丁寧に扱え!
「コホン、それじゃあ俺の自己紹介をしてやろう。俺の名前は吾妻陽。さっきも言ったが、前世はわからない。ちなみに好きな童話は、うさぎとかめだ。よろしく」
誰かに自己紹介をするのが、久しぶりだった俺は、少し照れくさい気持ちになる。
俺はずっと、1人が好きなんだと思い込んでいたが、誰かと話すのって意外と楽しいものなんだな。
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