1話
突然だが、俺は能力者かもしれない。
能力者って言っても、炎を出せたり出来るわけでもないし、人の心が読める訳でもない。透視や呪術なんかももちろん使えない。
俺は人の前世がわかるんだ。
じゃあこの能力を使って、なにか役に立ったことがあるかと聞かれたら答えは断然NO。そりゃあそうだろう。人の前世がわかったからと言ってなんの役に立つんだ。
ついでに言うと、俺のこの能力は自分の前世を見ることができない。俺は、人間ってものは結局、自分自身に1番興味があるものだと思う。だから尚更、この能力になんの面白みも感じなかった。
俺の名前は吾妻陽。名前に陽なんて使われているが、残念なことに俺は根っからの陰キャで、友達もゼロと言っても過言じゃない。悔しいが名前負けしてる。
そして今日は高校の入学式。周りの同級生からしたら一大イベントだろうが、俺にとっては楽しみがひとつもない苦痛なイベントだ。なるべく何も無く平穏に生きたい。
俺はぴょんぴょん跳ねた自分の寝癖を、それとなく手ぐしで整えながら学校へ向かう。
すると後ろから凄い勢いで走ってくる足音が聞こえてきた。
「やばいやばいやばい! 遅刻するーっ!」
足音がする方を振り返ると、茶髪でショートカットで、目がぱっちりとした明らかに人生勝ち組な見た目をしている同じ学校の制服を着た女子。
あいつ新学期早々遅刻とか何やってんだよ·····
·····ちょっと待て、同じ学校の制服?
俺の方に向かって猛烈に走ってきた彼女は、俺のすぐ横に来て、話しかけてきた。
「ねえ、君なにしてんの! もう入学式始まるよ!」
「は?」
あまりに突然のことで、俺は頭の整理がつかない。
え、俺ひょっとしてシンプルに遅刻に気づかなかった?
俺はさっきこいつのことを、「入学式早々遅刻とか何やってんだよ·····」と言ったが、そもそも俺は入学式の時間すら把握してなかったのか。俺の方がやべーやつじゃん。
俺はわしゃわしゃと頭をかく。
きっと普通の人ならここで焦ると思うが、生粋の陰キャの俺はこれをチャンスと捉え、家に帰ろうと思う。何故かって?遅刻して入学式に行っても悪目立ちするだけだろ。だったら帰るのが1番。
「それじゃあ俺はこれで」
俺は華麗なステップで、Uターンをし、そのまま家路につこうとする。
しかし俺は彼女に腕を掴まれて、俺の家に帰ろう大作戦が阻止されてしまう。
「ちょっとキミ! 何帰ろうとしてるの!? こっちが近道だよ! 早く!」
「はい·····?」
俺はわけもわかないまま、見ず知らずの彼女に手を握られ、裏道に連れてかれる。
軽やかに走る彼女の横顔はとても綺麗で、何度見ても美形だった。
なにこれ。俺、今人生のピークじゃね?これが俗に言う青春ってやつか?
10分ぐらい走った後、俺らは校門の前に立つ。
「やっと着いたね·····それじゃあボク体育館に用あるから! 君も教室に遅れないようにするんだよ!」
ピッと敬礼をした彼女は、あんなに走ったのに息1つ切らさず、ニカッと笑う。
「あ、ああ·····」
対する俺は、息切れは凄いし汗はダラダラだし喉から血の味がするしで、余裕の「よ」の字もなかった。情けない。
こんなにも体力があって、運動神経も良くて、なおかつ美形なんてどんな前世の持ち主だよ·····
気になった俺はグッと目を凝らして彼女の後ろ姿を見ながら前世を覗いて見た。
俺の頭の中に浮かんできたのは、おじいさんとおばあさんに見守られながら月へ向かう女の子。その女の子はどこか寂しそうな表情をしている。おじいさんとおばあさんは、女の子が月へ行くのをただただ見ることしか出来ないようだ。
あれ?こんな昔話小さい頃読んだことあるような·····
名前は確か――――――
「··········かぐや姫?」
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