7話 そして誰も居なくなった
サトウキビ・畑
レモン は 黄色
ライブ ハウス
マッドサイエンティス ト
力点がずれている 背筋も歪む
ギンギン なにが?
マッチョ ボディビルダー
クラブのA
ピピピッピピピッピピルピー
「……サトウキビ? は、畑?」
相変わらず酷いステータスだなぁ、現実逃避しちゃいたくなっちゃうなぁ
「な、なんと言っていいのか評価に困るなこれは」
彼女も言葉を濁している
とりあえず真面目に考えるのは、もう面倒なので彼女に今の欲求を素直に伝える
「もう寝て良いッスか? 夜も遅いのでステータスの話はなしにしましょう」
「あ、ああ」
彼女も、このステータスを考えるのは放棄したようだ
こうして小屋の中で夜が明ける
朝食を食べしばらく過ぎたころだろうか?
玄関をノックする音と声が聞こえる
「アンナ殿いらっしゃられるか? 昨夜の尋問の件で参りました」
どうやら山賊の尋問の件で使いが来たようだ、この声は昨夜の村長の声だろうか?
その声に反応してアンナはいそいそと玄関へ移動してドアを開ける
「村長、いかがなされた?」
「昨日の盗賊の尋問の結果を伝えに来ました」
村長は話を続ける
「どうやら盗賊は、この村から東の川の上流にある洞窟をねぐらにしているようなのだ討伐に行ってくれるか?」
その言葉を聞いて私は了承する
村長が帰ったあと、私は棚からいくつかのポーション取り出しポーチにしまい
愛用の鎧を着こみ予備を含めたショートショードを二本もってサイトに話しかける
「サイト殿、流石に丸腰で盗賊のアジトに行くのは危険だ私の予備の剣だがこれを使ってくれ」
そう言って予備の剣を渡す、こん棒で山賊を爆殺したり、一瞬で気絶させたことなどは頭の外である
「あ、ありがとうございます」
こうして準備をしたあと我々は盗賊のアジトへ向かうのであった
…
……
………
準備をした僕たちは村の近くの川を上流に上っていく
普段から歩き慣れていない上に、アンナからもらったショートソードがずっしりと重い
アンナは先行して率先して盗賊の痕跡を探している
やがて日も沈み始めたころだろうか? 近くから煙が上がっているのを発見したそれと同時に良いにおいが漂ってくる
すぐに煙の上がる場所の近くへ向かい様子をうかがう、見ると三人の盗賊が魚を焼いているではないか
どうやら山賊たちは食事中のようだ
僕は小声でアンナに指示を仰ぐ
「どうしましょうか? 盗賊は食事中みたいですが」
アンナは答える
「とりあえず可能な限り近づいて一気に盗賊を無力化しよう、三人なら何とかなると思うが君も手伝ってくれ」
さらっと、とんでもない事を言う、こちらは二人向こうは三人しかもこっちは
クタクタに疲れ果てた僕と女性と思ったが昨日三人切り伏せたアンナの実力なら何とかなるだろうと思い無言で了承する
徐々に盗賊との距離が詰まる、もうこれ以上は限界と思ったその時である
…
……
………
私はストレングス(筋力上昇)とヘイスト(速度上昇)の魔法を掛け盗賊に突撃する
焚き木の前に座っていた山賊を早速切り伏せ身構えた二人の盗賊の片方と戦闘に入る
「な、なんだお前たちは!!」
身構えた盗賊の一人が叫ぶその時であった
「はい、どーん!!」
私が出た後も茂みに隠れていたサイトが剣の腹で盗賊に殴りかかった
剣の腹が盗賊に当たると
「ぺぺぺpじゃなかったピピルピー!!」
BOOOOON
盗賊が爆死する
私も残った盗賊を切り伏せ剣に付いた血を払うとサイトに向かって言う
「このまま勢いで洞窟の中を制圧するぞ!!」
私たちは走って洞窟の奥へと向かう少し開けた空間に出たころだろうか?
二人の盗賊が武装して待ち構えていた、一人は魔術師風の風体で手には杖を構えている
もう一人は両手にオノを持った山賊である、どちらも相応の実力者の風格を漂わせている
私はショートソードを構え山賊に問いかける
「貴様たちが盗賊の頭か?」
オノを持った盗賊が答える
「俺がリーダーだ、嬢ちゃんやりたい放題やってくたじゃねぇか、タダで済むとは思ってねぇよな」
私は盗賊が喋っている内にストレングス(筋力上昇)とヘイスト(速度上昇)をかける
「あ!テメェ卑怯だぞオイ!!」
オノを持った盗賊が合図をすると魔術師風の男が魔法をかける
おそらく私と同じ強化魔法であろう、それをきっかけに戦闘が始まる
戦闘は若干私の不利で推移している前衛の盗賊とは互角だが
後衛の魔術師の援護により前衛にダメージを与えればヒールを唱え時折牽制でファイアーボールが飛んでくるのである
サイトも私を援護しようとするが前衛の戦いが邪魔で後衛の魔術師に向かえないようである
…
……
………
おいおいこれって不利じゃないかアンナが負けたら次は俺が殺されるのか?
援護しようにもアンナと戦う盗賊の動きについて行けそうにないぞ
どうすればいいんだ?とりあえず攻撃を当てれば爆発するのに、いや気絶の時もあったが
とりあえずそこら辺にある石でも投げてみるか
僕はまわりを見渡し手ごろな石を拾うと魔術師にそれを投擲する
その石が命中した瞬間だった
「ピピルピー」バタン
急に魔術師が倒れる
爆発はしなかったが投石一発で魔術師は倒れる
勢いに乗り僕はアンナと盗賊の戦闘に投石を武器に参戦する
まわりから集めた石を連続で投射する
「うぉなんだこの石は!!ピピルピー」バタン
「わ、私にもあた!!ピピルピー」バタン
そして立っている者は誰も居なくなった
どうしよう(白目)