3話 冒険の始まり
異世界トリップと言う異常事態に追い打ちをかけ
このバグステータスや爆発オチに俺の脳みそは思考停止する
「落ち着け落ち着くんだ、このまま思考を止めてはダメだ今の状況を考えろ」
まわりを見渡す今いる深い森が俺を現実に引き戻す
「とりあえず川を見つけて下流に下るのが遭難から助かるセオリーだったな」
僕はすぐさま耳を澄ます、都合よく水の音が聞こえる
「なんだこの音は? もしかして川か」
僕はすぐさまそこへ走り出す、深い森林が開けた先には、そこそこの幅の川があるではないか
すぐに僕は川の水を飲む、森林を歩き詰めた体は水を求めていたのだ
「ふぅ生き返る、これで食料でもあればなぁ」
人間現金なものだ脱水の心配が解消されたら次の欲が出る
「とりあえず下流に向かうか」
真上に上った太陽が西に傾き始めたころだろうか、森林が拓き始め石造りの橋と道が見え始めた
「おっようやく今の状況を脱する道筋発見!!」
近くの橋に近づく
「橋を挟んで道が二手に分かれているな、川沿いの道を歩けば良いのか?」
俺は川沿いの道を選択して川を下る、太陽に向かって歩いているので最低限の方角だけはわかった
もう夕方と言える日暮れ、俺が歩いている道はおそらく西向きだろうか?
もうすぐ日が暮れるその時だった、長い髪をポニーテールに束ねショートソードに
急所を守るための各種金属の配置されたレザーアーマーを着た女性が多数の武装した大男に囲まれているではないか
「おいおい、なんだ、この状況はいわゆる盗賊ってやつか」
こんなことに巻き込まれるのは御免被る、遠巻きに僕は様子を見る
…
……
………
…………
「貴様たちがこの近辺を荒らし回っている盗賊か!! この先のリドル村へは行かせはしないぞ」
私は複数の盗賊へ愛剣を構える、敵の数は5人障害物もなし明らかに多勢に無勢だ
しかし逃げるわけにはいかない、逃げた先のリドル村は寂れた寒村であり、ステータスの低い者しかいない
曲りなりにも武装した盗賊に戦える者などいないのだから
私は悲壮な決意を固め自身にストレングス(筋力上昇)とヘイスト(速度上昇)の魔法をかける
私のような未熟者では、おそらく3人が限度であろうとは想像がつく、だが一般人を巻き込むよりはずっといい
「来い!! 賊ども!!」
戦いが始まる
元から不利な戦いだ、幾ら私が魔法の素養があり人より強いと言っても、おとぎ話の英雄のような強さはない
予測通り3人倒した辺りから魔力が尽き、不意を突かれて盗賊の斬撃を受けてしまう
「くっ」
もはやここまでと思った、その時であった
「死ねおりゃぁ~~~」
見慣れぬ服を着て左手にこん棒を持った男が賊に殴りかかったのだ
そのこん棒が当たった瞬間
「アバァーーー!!!」
BOOOON
大爆発である
「へっ?」
「おら!! お前もくらぇ」
男が手元にあったこん棒を投げつける、それが命中した瞬間
「ぺぺぺぺぺp」バタン
……ふぇ?