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眠れない異世界  作者: リック
今度は・・・
39/43

謎の少女

 あるところに美男と美女がいました。


 この二人が結婚した日、近所の人達は「間違いなく綺麗な子が産まれるだろう」と噂し合いました。


 ところが、二人に産まれた子は不細工な赤ちゃんでした。


 プライドの高い夫婦は実の子に激しい憎しみを抱きました。醜いというだけで。


 そして子供が三つになった誕生日、お祝いと称して公園の池のボート乗り場に連れて行きました。


 そのボートが池の真ん中くらいまで来た時、誰も見ていないのを確認して二人で子供を突き落としました。


 「子供が暴れて落ちてしまった」


 そう証言する夫婦に、近所の人も世間も警察も疑いませんでした。むしろ同情すらされました。 


 それから数年後、二人に新たな命が授かりました。今度は可愛い赤ちゃんでした。


 夫婦は猫かわいがりして育てました。やがて子供が三つになった日、「ボートに乗りたい」と子供がねだるので、あの公園のボートへと連れて行きました。


 最初はしゃいでいた子供は、池の真ん中に近づくにつれて段々と無口になっていきました。心配した両親が尋ねようとすると、子供は振り返って言いました。


「今度は殺さないでね」







 鈴木沙穂(すずきさほ)。十六歳。趣味特技これといってなし。一見普通の人だけど、ある使命を背負っている。


 といっても、そんな難しいものでも大変なものでもない。ある日異世界に呼ばれて従者連れて神殿行って属性の人と山で手を翳して終わり。簡単でしょう?美穂お母さんに小さい頃から耳にタコが出来るほど聞かされていた。

 でもそんな行程の説明より、話の最後に聞く「御子だの救世主だの言っても、金の出ないバイトと違わないわよ」っていう捨て台詞が妙に印象深かった。まあ、お陰でお母さんと違って異世界トリップに変な夢見る事なく、はしかみたいなものかと割り切ってその日に備えている。



 ある夕方、高校からの下校途中にひと気のない通学路にて発光体が浮かんでいた。


「あ、お願いします」


 これ日にちを指定できたら持っていくものとか調整できるのにと考えながら異世界トリップ。前もって知っておいたから特に感慨はない。でもできればただ働きは嫌だなあ。



「ようこそ、異世界からの来訪者」


 見知らぬ場所の魔法陣の外で、茶色の髪、茶色の目のやけに綺麗な人がまず語りかけてきた。


「はい、初めまして。これからよろしくお願いします」


 まず確認作業。それから自己紹介。茶色い人はアルドというんだって。仮名らしいけど……。まあ不便がなければ別にいい。そして行程説明と旅の仲間の説明。後ろのほうに人影発見。あの人はルイスらしい。金髪緑目のちょっと気難しそうな人。だって目が合ったときから睨んでくる。


 一通り終わったら専用の宿舎で一泊。朝になったら私の属性、地の神殿目指して旅をする。


 翌朝、旅支度を終えてさあ出発という時に、後ろからガチャガチャと金属の音。振り返ると絵に描いたようなお姫様と付き添いの兵士達だった。


「……アルド。出発と聞きました。せめて見送りをさせていただいてもいいかしら……?」

「ディアヌ姫、御子と王族は接触禁止です」

「分かっております。だから、建前は幼馴染の見送りです」


 従者のアルドとお姫様のディアヌは幼馴染らしい。まあ、同じ敷地内に住んでるらしいしね。ドラマに出てきそうなヒロインチックなやり取りとやけにムードある雰囲気。これが上流階級の素か……!


「……馬鹿じゃねーの」


 感心していたらルイスに怒られる。何かおかしな事した?




 地の神殿へは簡単に着いた。ノームと呼ばれる精霊が可愛い耳飾りに変身して、私がそれを身に付けて終了。ノームのいた地下から出た後、突然強い地震が起こる。


「え?これ、地の精霊と会ったから?……きゃっ!」


 立っていられない地震に思わず膝をついてしまう。これ絶対震度6以上だって!


「危ない!」


 そう言ったのはアルドとルイスのどちらだったか。どっちが言ったにしろ、強い地震の中では自身を支える事でいっぱいいっぱいで、頭の上に落ちてくる神殿の屋根の瓦礫なんか見ていられない。



「シルフ!」


 少女の声がした。途端に瓦礫は木っ端微塵にされ、砂となって舞い落ちる。完全に地面に落ちきった頃には地震も止まった。余震怖いけど。とにかく落ち着いたので、ようやく声のしたほうへ視線を向ける。


「よかった……間に合った」


 そこにいたのは銀髪緑目の少女。……なんとなく、顔立ちが私に似てる? 

 童話ネタが尽きたので都市伝説に手を染めました。どんどんムードが出なくなっていく…。

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