Episode4 青の王者は光に笑う
今回はあのブルーパンチリーダーが主役。
ちょっとした過去話です。
何故、この社会は弱者を見捨てるのだ?
何にしても、弱者はいらない世界。
強者ばかりが光を浴び、弱者は闇を踏む。
光とは、平等ではないのか?
闇は本当に弱者だけのものなのか?
僕は弱い。
誰からも見られる事はない。
皆はいつも、強い人をみる。
弱者はシカトされるだけ。
光は、強者にしか向かない。
フッフッフ・・・
「弱き者の足掻き、それほど醜い物はない」
とある高校。
とある教室。
僕は、いわゆる“不良”と言う奴らに囲まれていた。
「なんだテメェ!! 弱者はテメェの方だろうがコラァ!!」
不良の数は10人程度か・・・。
「・・・フッフッフ、確かに・・・僕は弱い」
「何言ってんだテメェ!? キモいんだよ!!」
不良達は既に戦闘スタンバイ。
「しかし・・・君らの方が弱い」
僕を見ろ・・・
光よ、僕を見ろ・・・
「弱い人の下にさらに弱い人がいた場合、最初の弱い人は強者となる」
「テメェ、ぶち殺す!!」
『おおおぉぉぉ!!』
不良達は一斉に飛び掛かって来た。
「・・・弱者はいくら集まろうと弱者には変わりない」
「テメェ!! ブルーパンチを嘗めるなよ!!」
ブルーパンチ―――我が校の不良の集まり。
「・・・野蛮な弱者は嫌いだ」
仕方ない・・・
刀を抜くか。
「君が・・・ブルーパンチのリーダーか?」
我が校の体育館
そこには、大量の不良の集まり。
そして、ステージ上には一人の男。
「誰だお前?」
彼はステージ上から飛び降りた。
「フッフッフ・・・僕に光を見させてくれ」
僕は刀を抜く。
我が家に伝わる、ひとふりの太刀。
「お前・・・一年生か。その顔は確か・・・」
彼は何かを思い出したみたい。
「フッフッフ・・・僕の光のために、このブルーパンチは貰うよ」
僕はその場から一気に跳躍。
「おいテメェら、その男を捕まえろ!!」
『おおおぉぉぉ!!』
フッフッフ・・・弱者はいくら集まっても
「・・・弱者だ」
次の瞬間、体育館は紅く染まった。
「僕は誰かに見てもらいたい」
ただ、それだけ。
光が欲しい。
「アニキ、もうすぐで葉城の連中が来ますぜ!」
「そうか・・・」
ここはとある廃工場。
「守屋、お前は南の入口へ行け」
「あいよ!!」
彼は僕の指示どうり、工場の南入口へ向かった。
「牛渓、櫛山。君達も早く各入口へ行きなさい」
「・・・了解」
「チッ、かったりぃ〜なぁ〜」
・・・これから、ここにとある弱者共が来る。
弱者は嫌いだ。
「僕にはもう・・・力しかない・・・」
フッフッフ・・・
「光を見よう」
そして・・・光を浴びた時―――僕は彼を殺す。
「いつかは君の上に立つ強者となろう」
僕が殺しそこねた、唯一の男。
元ブルーパンチリーダー
「吉崎龍牙・・・」