Episode3.5 部長と大将と自信
前話の続きです!
「セイッ!!!」
沢那さんと佐久川さんの試合。
唐突に始まったこの試合、やはり沢那さんの方が若干強い。
「フッ・・・さすが沢那だ。この気迫は素晴らしい!」
佐久川さんは一気に踏み込み、攻撃を仕掛けた。
けれど・・・
「エイッ!!」
沢那さんはその動きを見切り、咄嗟にかわした。
「しまった・・・」
佐久川さんはバランスを崩す。
そして・・・
「沢那、お前に足りないのは自信だ」
「自信・・・」
二人は汗でびっしょり。
お互い息も荒い。
「お前には自信を持ってほしい。そして、もうすぐで引退する私達を安心させてくれ」
「・・・先輩」
今後の柔道部を背負って立つ事になる沢那さん。
そのためには、自分の力を信じる自信が大事。
「お前は強い!!」
「っ・・・!!」
「もうお前は私を越えたんだ。次の大会は、お前が大将だ!!」
「先輩・・・わかりました!!」
沢那さんの何かが吹っ切れた!!
「あたし、大将やります!!」
その瞳は輝いていた。
「任せたぞ、沢那!!」
「と、言う事で本谷、私は副将になる!!」
「そ、そう・・・」
その日の帰り道。
今日も佐久川さんと一緒に下校中。
「本谷は先鋒でいいよな?」
「あ、うん。別に構わないけど」
でも何で今?
「・・・もう安心だな」
「佐久川さん?」
「・・・次の大会、絶対に勝とう!!」
「・・・うん」
大会・・・か。