表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Spring Storm  作者: 五円玉
11/21

Episode10 サンヒメハンター

ここは……とある豪雪地帯の中にある雪山。


辺り一面に雪が積もり、吹雪が視界に白いフィルターをかける。


空には灰色の分厚い雲。


そして、その絶壁の雪山の山頂。


山の下にある小さな村すら、石ころのように見えてしまう程の高さ。




そんな雪山の山頂に、四人の狩人……ハンターがいた―――








「……ふぅ、ようやく見つけたぜ化け物ッ!」


山頂に居座るは、金色の獅子……


彼―――太刀使いの春吉は、その背中に掛けてある鞘から、一筋の太刀を抜いた。


「待って春っ、1人で行ったら間違いなく返り討ちだわっ!」


同じく、ランス使いの美羽も背中越しのランスを抜き、構える。


「……2人共、注意をそらさないで」


弓使いの小夜は、自らの弓を構え、狙いを正面のモンスターに合わせる。


「……何で俺まで」


そして、片手剣使いの夏哉も、渋々剣を構えた。


「明らかに俺、場違いだろ……」


「来るぞッ!」


春吉の叫び声が、辺りにこだました。


そして、4人の目の前にいるモンスター―――金獅子の異名をもつ最強のモンスター、カエデが一気に接近!


猿のように4本足で走り、拳を構え、息を吸った。


「イカンっ、バンドボイスが来るぞっ!」


春吉のその言葉に夏哉と美羽は盾でガードの姿勢。


小夜は1歩後退。


春吉は回避行動に移る。


そして―――




『最近、本編での出番が少なぁ〜いッ!』




「うっ……」


強烈なバンドボイス。


春吉は回避に失敗し、その場で耳を塞ぎ膠着。


「春っ!」


その時、カエデは動かない春吉に接近!

拳を振り上げた。


「……させない」


咄嗟に小夜は弓を構え、カエデの振り上げた拳へ矢を放つ!


シュッ!!


『痛いっ!』


小夜の矢に、カエデは一瞬怯んだ。


「……今だっ!」


その隙に春吉はカエデの前から退避。


そして、美羽のランスでの突進が、カエデに向かい放たれた!


「うおおおぉぉぉっ!」


そして反対側からは、夏哉が剣を振り上げ、一気に切りつける!


「おらあああぁぁぁっ!」


『いつもこんな役回りばっかでもう嫌ァッ!』


その時……


「あ、危ないッ!」


カエデはその場から1歩後退し、美羽と夏哉を視界に捉えた。


そして……


『ジャンプっ!』


空中へ跳躍。


「なっ……」


「しまった……」


今は美羽も夏哉も無防備!


そして……


『くらえ、元気玉ッ!』


跳躍したカエデの手から、金色の玉が放たれた。


「チッ……」


夏哉は一気に身を翻し、ギリギリで回避体制に体を持っていく。


しかし、美羽は……


「うあっ……」


「美羽ッ!!」


突進状態だった美羽は、その元気玉を避けきれずに直撃。


その場で方膝を着いた。


『最近出番があるからって、浮かれるなよ!』


「なんて野郎だ……まだ小夜の方が新章にすら出ていないと言うのに……」


春吉はカエデを睨み付けつつも、美羽に接近。


「小夜、夏哉、援護を頼むッ!」


そう言うと、春吉は玉を食らってむせている美羽の元へ。


「大丈夫かっ?」


「うん……何とか」


そう言いつつも、腰のポーチ内の回復薬に手を伸ばす美羽。


「俺、ハチミツ持ってるぞ。調合してGにするか?」


「大丈夫……」


そうして、美羽は回復薬のフタを開けた。










その頃……


「オラッ!」


ジュサッ!


『地味に痛い!』


夏哉はカエデの腕に斬り掛かっていた。


「チッ……意外と硬いな。荏咲、お前は弓で頭の角を狙ってくれ」


「……うん」


そして小夜は弓をカエデの頭部から生えている2本の角に、狙いを定めた。


『あたしだって、海行って遊びたい!』


「……そこは同意」


そして小夜は矢を放った。


「チッ……海だ海だってお前ら、波紫先輩の海合宿はお遊びじゃねーんだぞッ!」


夏哉は先ほどと同じく、狙いを腕に。


『でもやっぱ海行ってみんなと遊びたぁーい!』


その時、カエデは勢いよく腕を振り回し、連続ナックルの構え。


「くそっ、なら波紫先輩のドS合宿に耐えられるのかお前っ!」


夏哉はナックルを見定め、ひとつひとつ確実に回避。


『小夜だって、出番や海とか合宿とか行きたいよな!?』


「……大丈夫、次章は私メインだから、今は我慢」


「何リアルな話してんだお前ら……」


夏哉はナックルを回避しながらツッコミ。


『チクショー! あたしのパートはナアナアで終わっちゃったって言うのに……小夜ずるい!」


その時、カエデは小夜の方へ顔を向け……


『ビームッ!』


まさかの口からビーム発射!!


「……っ!」


突然の事に、小夜は咄嗟に動けない。


「マズイっ!」


夏哉と小夜とは距離が微妙に離れている。


つまり、助けに行こうが間に合わない。


『覚悟っ!』


そして、ビームが小夜に達しようとした、


その時……






ガキンッ!




「……ふぅ、間に合ったわ!」


小夜の目の前。


そこには、盾を構えビームから小夜を守った、


「……美羽っ」


美羽の姿があった。


「カエデっ!」


そして、美羽の登場に驚き、一瞬隙が出来たカエデの背後には……


『春吉ッ!?』


太刀を構えた、春吉の姿があった。


「カエデ、お前は出番だ出番だって……」


カエデは咄嗟に反転しようと試みるが、時既に遅し。


「記念すべき本編100話の後書きコーナーに出れるんだから、それで我慢しなさぁ〜いッ!」



そして春吉は、太刀を降り下ろした。


『DJ赤佐相手のアレかぁ〜!!』


渾身の一撃。

それを食らったカエデは、目を回しながらその場に倒れた。


どすーん!






「……ふぅ、長い戦いだったぜ」


狩人春吉、金獅子相手に、ここに勝利を勝ち取った!


ガッツポーズ!



「ってか、メインヒロインを本編に出さない作者も作者だよな」


その一言が、後に彼の出番の量に響き……


「だぁああぁぁ!!」

とりあえず、全国のモンハンファンの皆さん、なんかすみませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ