小説『虚空のバベル』2
最新エピソード掲載日:2026/10/12
白石崇は日本銀行副総裁の神保に、国内銀行の貸出金残高六百五十兆円が危機にあると訴える。企業の取引の場がデジタル空間「SpaceNode」へ移り、決済が海外の暗号資産やステーブルコインで行われれば、預金が流出し、地方銀行から順に信用収縮が起きるという。白石の狙いは、この融資網そのものをデジタル空間へ再構築することだった。
次に向かった全国銀行協会では、地銀頭取の大塚が激しく反発する。しかし白石は、地場の精密機械メーカーや造船会社がすでにSpaceNode上に仮想工場を構え、海外から暗号資産での決済を求められている実態を示す。そして、地銀自身がトークン化預金を発行し、デジタル賃料のキャッシュフローを信託で保全した上で融資を続けられる仕組みを提案し、大塚らを動かす。
一方、法務省と金融庁からは、デジタル土地を信託財産とできるかなど厳しい照会が入る。白石は実績で示すため、総合EC企業グローバル・ライフ社の年間五百億円の賃料債権を信託し、一千億円の「デジタル空間MBS第1号」を組成する計画を立てる。金融庁でのシミュレーションでは、発行から決済までがわずか1.8秒で完了。日野長官は手応えを示す。夜の霞が関で白石は、自らを動かしているのは変化を拒んで滅びる日本への恐怖だと語り、三ヶ月後の「新・銀座プロジェクト」開業へ向けた闘いが続く。
次に向かった全国銀行協会では、地銀頭取の大塚が激しく反発する。しかし白石は、地場の精密機械メーカーや造船会社がすでにSpaceNode上に仮想工場を構え、海外から暗号資産での決済を求められている実態を示す。そして、地銀自身がトークン化預金を発行し、デジタル賃料のキャッシュフローを信託で保全した上で融資を続けられる仕組みを提案し、大塚らを動かす。
一方、法務省と金融庁からは、デジタル土地を信託財産とできるかなど厳しい照会が入る。白石は実績で示すため、総合EC企業グローバル・ライフ社の年間五百億円の賃料債権を信託し、一千億円の「デジタル空間MBS第1号」を組成する計画を立てる。金融庁でのシミュレーションでは、発行から決済までがわずか1.8秒で完了。日野長官は手応えを示す。夜の霞が関で白石は、自らを動かしているのは変化を拒んで滅びる日本への恐怖だと語り、三ヶ月後の「新・銀座プロジェクト」開業へ向けた闘いが続く。
第二章 六百五十兆円の地鳴り
2026/10/12 17:22