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待ち望んでいた特性

 エルドラとズィズィ、二人はデイリーダンジョンを知り強くなった。

 この調子でギルドの冒険者をどんどん強くしていけば、うちのギルドが復興する日も現実的に見えてくる。


 今日のデイリーダンジョンは――。


【迷宮】ダンジョン ☆

・友の予感

・武器庫

・ショート


 お、またエルドラ向きのダンジョンか。


 早速エルドラを呼ぶと、今日はすぐに来てデイリーダンジョンの攻略に向かった。

 これでまた一歩メンバーが強化された。

 この調子で、・友の予感 や・○人の巣 の特性があるダンジョンがあればエルドラやズィズィに優先的に振り分けて効率よく強化を図ろう。


 そしてその次の日は。


【洞窟】ダンジョン ☆☆☆☆☆

・獣の巣

・戦士の巣

・ショート


「あー、☆☆☆☆☆かー。今日は待機だな」


 しかし、○○の巣が二つ重なる時もあるのか。

 二種類のモンスターばかりいるダンジョンになるんだろうな。


 そして戦士の巣っていうのは、人間の戦士ではなく戦士系モンスターを指す用語か。

 ゴブリンファイター、スケルトンウォリアー、亡者剣士。

 種族は様々だがそういった戦士のようなモンスターは結構いるからな。


「てことは、魔道師の巣もあるな、間違いなく。それなら……」


 ま、ともかく今日は見送るしかない。

 明日に期待して事務作業と素振りに励もう。




 その明日だった。


【迷宮】ダンジョン ☆☆☆

・魔法阻害

・魔道師の巣

・モンスター増加


「これだ!」


 デイリーダンジョンの特性を知ってから、ひそかに待ち望んでいたダンジョン。

 それが今日この日に、ついに来た!


「今日デイリーダンジョンを貸し出すのは、『俺自身』だ」


 俺はギルドでの日々の修行でも使い続けている、手に馴染むロングソードを取り、白い渦に迷わず飛び込んだ。




『ディーツ=バージェス』レベル7

・剣技  レベル3

・槍技  レベル1

・農業  レベル1

・採取  レベル1

・修理  レベル1


 これは俺自身を鑑定した能力だ。

 俺もウィンダムにでてきた当初は冒険者を志望していたので、自分のスキルには興味がある。冒険者に使ったのと同じ道具でたまに鑑定していた。


 農業以下は地元の村にいた時に家の手伝いをして身に着いたスキル。

 他はここで特訓した成果だな。特に剣技は地元でも時間を作って練習してたし、ギルド職員になってからも、暇さえあれば――つまり頻繁に剣を振ってたからレベルが少し高い。


 とはいえ、客観的に見て全然足りない能力値だ。

 一年素振りした今でもザムザム森の迷宮の一階くらいでしか通用しないだろう。


 なのに、なぜ今日の☆☆☆のデイリーダンジョンに入ったのかというと――。


「む、もう来たのか。さすが・モンスター増加 」


 迷宮に飛び込んですぐに、俺の前にモンスターが現われた。

 これはホロウメイジ、中身のないローブと杖のモンスターで、魔道師タイプの敵だ。


 ホロウメイジは俺を見つけるとすぐさま、杖を掲げて魔弾の魔法を放ってきた。

 魔力を固めた弾丸が俺に向かって高速で打ち出され――ない。


 緑光の弾丸は、石を投げるよりゆっくりとした速度で飛んで来た。

 これくらいなら俺でも余裕で身をかわせる。


 ホロウメイジは次は拡散する魔弾を杖から撃ってきた。

 10発近い小さめの魔弾が俺を狙ってきて、さすがに全てを避けきるのは難しく2発被弾してしまった。


 ……だが。


「ふふ……ふふふふ、思った通りだ!」


 ほとんど効いていない。

 実家で兄弟と木の皮を丸めたボールでドッジボールをした時くらいのダメージだ。

 この程度なら、俺でも全然耐えられる。


 耐えられるとわかったなら、遠慮はいらない。

 俺はホロウメイジへ突進する。ホロウメイジは魔弾を撃ってくるが、腕で顔だけ守りながら足を止めず接近し、浮遊するローブに向かって剣を振り下ろした。


「斬ッ!」


 見えない何かに当たった感触がして、ローブが一部破れる。

 ホロウメイジはいったん距離を取り魔弾を撃ってくるが、逃げながらなので狙いが定まっていない。今度は避けて、さらに追撃してローブがまた破れる。


 するとまた離れて魔法を撃ってくるが、それを耐えたり避けたりしながら切りつけ続け、7度目でローブは完全に破れさり杖とともに虚空に消滅した。


「倒した……倒せたぞ! 思った通りだ!」


 咆吼をあげると体に温かいものが染みこんで来る感覚があり、力が漲ってきた。


 これがモンスターを倒すことでモンスターが宿していた魔力を得て成長できるという現象……。

 ギルド職員としてもちろんこの現象があることは知っていたが、自分の身に起きると感覚として理解できる。


「いい気分だ……これが成長の感覚」


 いい気分なのはそれだけが理由じゃない。


「そして、予測がぴたりとはまった感覚」


 デイリーダンジョンにはランダムで特性がつく。

 その種類の中には・魔法阻害 という魔法の威力を極端に制限する特性があり、また、・○○の巣 というモンスターの種別を限定する特性がある。


 この二つを見た時に、思いついたことがあった。


 魔法阻害と魔道師系モンスターが多く出る特性が同時に付与されたダンジョンがあれば、ほとんど敵の攻撃を受けずにすむのではないかと。

 そこでは本来強力なモンスターでも赤子の手を捻るごときに倒せ、それでいて倒した時に得られるものは強いモンスター相当、俺のような者でも最高効率で稼げるんじゃないかと。


「一つ残った懸念は、・魔法阻害 がどれくらい魔法の威力を減衰させるかということだった。だが血を補給し強くなったズィズィの血魔法ですら・魔法阻害 のダンジョンではまったく有効打になっていない様子をこの耳で聞いた時、確信した」


 狙いは完璧に当たった。こうなったら後は完全なるボーナスだ。


 俺は☆☆☆ダンジョンを邁進していく。

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