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その女、大富豪に出会う

思いつきで書き始めました。

もう1つ書いているものが有るので、こちらを本格的に書くのはそれが完結してからになると思います。

よろしくお願いします。

 エルドラ・リットはその日も獲物を物色する。獲物と言っても自分の美貌に骨抜きになってくれそうな間抜けの男のことである。 此処はインドネシア最大のショッピングモールである。そこを買い物もせずに出店している店の物を手に取ってはその場に置いていく。店員はそれを迷惑そうに眺めている。盗んだり壊したりしていない以上何も言えない。ただ迷惑そうに見る。それを分かっていてもエルドラは気にせずモール内を歩き回る。2〜3時間ほどそうしていたがいい獲物が居ないとその日は引き上げようとしていたところへ背後から誰かにぶつかられた。思わず振り返るがそこにはエルドラの顔を見下ろす均整の採れた美しい顔があった。

 「申し訳ない。お嬢さん」

  エルドラはその笑顔で自分の目的を忘れそうになるが、転びそうになった体を支えられていた手を離され現実に引き戻る。 エルドラは獲物になりそうも無い男と別れ、出口へ向かってあるき出す。

 「今日は厄日ね・・・・・」

 そんな独り言を呟きながら外まで出た所で腕を掴まれた。驚いて振り向く。そこにはさっきぶつかった男が居た。

 「何処に行くの?いい人見つからなかったんでしょ?それなら俺なんてどう?」

 男の言葉の意味が分からなかった。

 「どういう事?いい人って何?」

 「だって君、詐欺師でしょ?」

  男の言葉に驚いた。頭が真っ白になって言葉が出てこない。違うと言わなければいけないのに口から声が出ない。パクパクと動く口はまるで溺れかかっている魚のようだ。その光景を男は面白そうに眺めている。

 「驚かなくても良いよ。僕警察でもその関係者でも無いし。君を売り渡す義理も無いしね」

 男はキラキラとした笑顔でそう言い放った。

 エルドラはその男を見つめる。見つめた所で頭の中は覗けない。しかし眼の前の男に何を言えば良いのかも思い浮かばない。そうこうしている内に男は部下らしき男と共にエルドラを自分の車に押し込めてしまった。エルドラは呆気に取られたままその男の屋敷まで運ばれていくことになる。

 「彼女の車で後ろから付いてきて」

 男は別の部下にそう指示を出しエルドラの隣に乗り込んだ。車はなんとも乗り心地の良い超高級車でまるで浮かんでいるような感覚だった。

 エルドラの車は一般の丸みのある軽自動車である。いつも自分が運転している物とは違う心地の乗り物にただ呆然とするエルドラの顔を面白いものを見るように眺めている男。

 「貴方は一体何者?」

 「ああ、自己紹介がまだでしたね。僕はIQWEB取締役社長のケント・ウェイティンです」

 その社名を聞いてエルドラは目を白黒させる。それもそのはず。創業して10年ちょっとの会社だが、世界でも有数の大企業。その社長だと言うのだ。

 「あの・・・・あの社長・・・・」

 エルドラが漸く口に出来た言葉はそれが精一杯で口がパクパクするだけ。

 「さっきから池にいる鯉見たい!大丈夫?」

 ケントがエルドラにそう言う。ケラケラおかしそうに笑いエルドラを見下ろしている。

 「そ、その・・・・大企業、の、社、社長が・・・・」

 「本当に大丈夫?水でも飲む?」

 そう言ってケントはエルドラにミネラルウォーターのペットボトルを差し出す。

 エルドラはそれを受け取り、力任せに蓋を開け一気に喉へ流し込む。少し噎せたところで蓋を締めケントを見た。

 「ありがとうございます・・・・」

 「いいえ!」

 言葉尻が小さくなってしまった私など気にせず、ニコニコと答える。

 「あの、ところで私はどこへ連れて行かれているのでしょうか?」

 「ああ。俺の家」

 あっけらかんと答えるケントに対して、またしても口をパクパクさせるエルドラ。

 しかし、本当に警察に連れて行かれるわけではないと少し安堵もする。

 感情も頭も纏まらないまま暫く大人しくすることにしたエルドラ。

 高級そうなシートに凭れ掛かり、昔の事を少し思い出していた。

 エルドラが詐欺師という生き方に出会ったときのことを・・・・。

更新はもう1つが行き詰まったときか、ネタが無くなったときになると思います。

よろしくお願いします。

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