第29話 小さい国のお姫様
な、何が起きた!?
急に大きな音がしたと思ったらミナが消えて!
そしたら体の大きい男が土煙から出てきて!!
出てきたと思ったらまた消えて!!!
土煙が晴れたら!!!!
「ミナがあの巨体を片手で掴んでる!??!!?」
意味がわからない!!
「クロム様、敵は何人いますか?」
「え?あ、そっか」
こういう時のための魔力感知か、と思いすぐに魔力感知で周りを見る。
「そいつ抜いて、3人!」
「不正解です」
「えぇ!?なんでぇ!?」
確かに魔力感知にはここには7人いると感じられ、俺とシリカ、それとミナとそこで伸びてるやつを抜いて隠れてるやつが3人のはずだ。
「魔力感知は強力な割に対策しやすいスキルです、こうやって魔力を抑えれば魔力感知には反応しません」
「その場合はどうしたらいいの?」
「魔力ではなく音を聞くのです」
「音...」
「それと、攻撃の瞬間は確実に魔力を感じられますなので常時魔力感知を使えるようにしましょう」
「なぁ!?」
奇襲してきた敵を簡単にいなし、ミナはさらに授業を続ける。
「クソっ」
「何なんだよっあ前!!」
「攻撃が、当たらないッ」
「あ、遊ばれてる...」
...なんか可哀想に見えてきた。
「下がれ!魔術をぶつけてやる!!」
「魔術は詠唱する時間が隙になります」
「グベっ」
「なっ!?」
「速、すぎる」
「ばっ、化け物」
「すごい...」
「だな」
やっぱりミナはすごい、sこの世界でトップクラスも実力だと言うのも納得だ。
「おい、あのガキどもを人質に取るぞ!!」
「りょ、了解!!」
「え、ミナ助けて!!」
「ご自分で何とかしたらどうですか?」
「鬼!!!!」
「大人しくしろ!!」
「クソっ『火球』!!」
「何!?」
「無詠唱だと!?」
「シリカ、下がってて」
「は、はい」
後ろではミナが暴れて俺が相手をするのは4人、落ち着け、俺ならやれる。
「『岩砲』!!」
「ぐあぁぁぁぁ!!」
「ま、間違いねぇ!無詠唱だ!!」
「それがどうしたぁしかけるぞ!!魔術の詠唱を始めろ!」
「了解!!」
後ろのやつが魔術の詠唱を始める、それと同時に前のふたりが防御体制に入る、魔術は本来1発逆転の切り札だ、あれを止めないとまずい。
「『火球』」
「ふんっ」
「『岩砲』!!」
「きかん!!」
さすがに守りに入ったらキツイな、でも、相手が悪かったな。
「広範囲氷結魔術」
「なに!?」
「足が!!」
手に馴染んだ魔術で敵の動きを封じて少し移動し、魔術師がはっきり見える位置に着く。
「よく、見えるぜ」
「『我この身神に捧げ、万物を』」
「もう遅い!『氷槍』」
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
「よしっ」
「このガキがぁぁぁぁぁ!!」
フロストノヴァから抜け出した剣士が俺に襲いかかる、それをあえて俺はその男に近づく。
「なに!?」
ゼロ距離、必中だ。
「喰らえ、『岩散弾』」
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ふぅ......」
こんなに魔術を使ったの久しぶりだ、そんなこと考えているともう一人いることを忘れてしまっていた。
「クロム!!」
「死ねぇぇぇ!!」
「くっ!?」
「なに!?」
剣は根元から刃がなくなっており、案の定、ミナが切っていた。
「ひっひぃ!?」
「覚悟はあるのでしょうか?」
「な、なんの?」
「死ぬ覚悟、です」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「あ、泡吹いて倒れちゃった...」
「に、20人が、一瞬で...」
ほとんどはミナのおかげなのだが、まあ俺も充分やったろ。
リーダーと思わしき男を縛り、尋問する。
「なぜ我々を襲ったのですか?」
「その娘を攫うように言われたんだよ」
「娘ってシリカのこと?」
「他に誰がいってぇ!何すんだエルフ女ァ!!」
「誰に言われた?」
「それは言えねぇよそう言うルールなんだよ」
「言わないならここでお前を殺してもいいんだぞ」
「はっ、やって見ろよ」
「...」
「お前、人殺したことねぇだろ」
「...」
「図星って顔してんぞ」
「...とにかく、誰に言われたか話さねぇと」
「お兄様...ですよね」
「え?」
「ベルラ兄様...ですよね」
「......兄?」
「...はい、お父様は私に王位を譲るつもりです」
「はい、私は...私の本当の名はシリカ・ウィルシア・ヴァーミリオン、ウィルシア王国の第1皇女です」
「ウィルシア王国..........って、どこ?」




