第28話 Eクラス改造計画 その3
「は、初めまして!!『妖精剣』様!!私はシリカ・ヴァーミリオンです!!」
「ミナです」
ミナにシリカを紹介しようとシリカを呼ぶと、シリカはミナに対して尊敬の目で見ていた、後で聞いたことだけどシリカの国ではミナ、『妖精剣』は大英雄とされ、ミナはシリカにとって憧れの存在なんだと。
「それではクロム様、シリカ様に魔力感知で見てください」
「え?俺が?」
「はい」
「シリカ様は全力で魔術を」
「え、でも」
「大丈夫です、ここには私もクロム様もいます」
「...わか、りました、それでは、いきます!!」
シリカが魔術を詠唱し始める、魔力感知で見ると体の中心に固まっていた魔力が分散し始める、さらに魔力は形ができ、さらには色が着き始める、シリカが使おうとしているのは風魔術だ多分それぞれの魔術には色があるのだろう。
詠唱が終わる時、異変が起きた。
「うっ!?」
「シリカ!!」
「落ち着いて、よく見て」
「.........?」
なんか...違和感が.......
「うっ、あぁ!!」
魔力が分散し多方面から溢れ出る、さらにその魔力が形が変わり、そして。
「竜巻だ」
風が吹き荒れ、土埃が舞い、1本の風の線が出来上がる。
「ミナ!!どうしたらいい!?」
「見えましたか?」
「え!?何が!?」
「シリカ様の魔力に違和感はありませんでしたか?」
「違和感......」
違和感はあった、けど何なのか分からない。
「とりあえず助けよう!」
「それでは《フロストノヴァ》をお願いします」
「わかった!!」
右手に魔力を込め竜巻に向ける。
「《広範囲氷結魔術》!!」
地面が凍り、竜巻は瞬く間に消え...って消えるの早くない!?
「やっべぇ!!」
シリカが竜巻の中からはじき出されるのが見えた。
「おまかせを」
「ミナ!ってえぇぇぇ!?」
ミナがそう言うと文字通り一直線にシリカの元に飛んで行った。
「うそぉ...」
割と距離あったのにミナは一瞬でシリカの元に着き、ゆっくりと着地した。
「ミナ、シリカは?」
「ただの魔力不足です、問題ありません」
「クロム!さっきのなに!?」
派手にやっていたのでEクラスの皆だけではなく校舎からも人が見えた。
「少し派手にやりすぎましたね」
「少しどころじゃないような......」
「てへぺろです」
「それではシリカ様の治療についてです」
「治療...ですか、私はどこが悪いのですか?」
「クロム様、魔力感知の違和感に気づきましたか?」
「違和感って言ってもな...」
俺のスキルである《完全記憶》のおかげであの時の情景は鮮明に覚えている。
「...あれ?」
そういえば魔力ってあんな複雑に広がるっけ、自分の体で試してみるとやっぱり魔力は均等に拡がる、つまり...
「どういうことだ??」
結局何も分からなかった。
「分かりましたか?」
「いや全然、魔力が均等に流れないことだけ分かった」
「それだけ分かれば十分です、まず前提として魔力は属性によって速度は変わります、ですが体内の中では魔力は同じ速度で流れます、シリカ様の体内では魔力が複雑に拡がっています、これは『魔力槽過流症』の症状です。」
「まりょくそう、かりゅう症?」
全く聞き覚えがないため、バカみたいな声が出てしまう。
「魔力槽の魔力が漏れ、魔力の制御が難しくなります、本来魔術というのは繊細な技術が必須です、少しでも感覚がズレると、簡単に魔力暴走を起こします」
「どうしたらいい?治せるの?」
「はい、容易です」
「「え!?」」
よく分からんこと言っていたからてっきり治療は難しいと思っていたけど簡単らしい、俺もシリカも思わず声が出てしまう。
「な、治せるんですか!?」
「はい、簡単です、そもそも魔力槽過流症と言うのは珍しいものではありません、5人に2人くらいは発症します、近場で買える薬で何とかなります」
「...そんなに知られてる病気ならどうしてすぐ分からなかったの?」
「魔力が暴走するケースは限りなく少ないのです、ほとんどは魔力が詰まり、固まります、そのため使えなくなる方が一般的なのです、なので魔力槽過流症だと判断されなかったと考えます」
「へぇ......聞いたことないんだけど」
「前に聞いたのは確か...200年前だったはずなので」
「200年前!?」
「あぁ...だから調べても分からなかったのか」
200年前というとんでもない時間に驚くシリカともう慣れてしまった俺というなんだか面白い構図になってしまった。
「とりあえず今から薬を買いに行きましょう」
「えっ今から!?」
「善は急げといいますから」
「どこでそれ聞いたの!?」
ということでやって来ました、城下町...?いや城じゃないか、なんて言えばいいんだろ、まあとにかく町に来ました!
時間的には正午前で人が多く、背が高いミナが先頭に立ち、前へ進んでく、俺達はそれについて行くという形だ、店の場所はミナしか知らないからね。
「ここです」
「...ふつーーの薬屋だな」
「はい、どの国でもある普通の薬屋です」
ミナは店員さんに魔力槽過流症の薬を頼み、少しすると店員さんが奥から薬を持ってきた。
「これで、魔力槽過流症というものは治るんですか?」
「はい、心配はいりません」
「良かったな、シリカ」
「はいっ!」
シリカはいつも魔術の練習をする時、毎回表情が曇っていたが今は大丈夫と言わんばかりの笑顔だ、それを見ているとなんか俺も嬉しくなる。
「私本当はもう諦めていましたの、私の国では貴族が戦う事はありません、ですが、私は民に守られるような情けない人間にはなりたくないのです」
「へぇ...」
「だから、あなたには本当に感謝しているのですよクロム様、ミナ様」
なんだか照れるな、ほとんどはミナのおかげなのに、気づくと人気のいない路地に来ていた。
「クロム様」
そう思っていたらミナが話し出した。
「敵です」
信じられない言葉と共にものすごい音とともに土煙が巻き上がる。
X始めました
@inonakanoawara
で探して見てください




