第24話 Eクラス②
私のせい、か。
リリは元々自分の力と向き合い、どうにか強くなろうとした、でも成果は全く出なかった、しかし他の人々はララに注目した、比べられることも多く、その劣等感がリリを変えてしまった、とララは言った。
...本当に、それだけかな。
「...それじゃあ、私帰るね」
「あ、そっかじゃあ送ってくよ」
もう外暗いしな、子供が1人で出歩くのは危険だ、まあ俺も子供ではあるんだけど。
「なあ、ララ」
「なぁに?」
「本当に自分のだと思ってるか?」
「...」
「俺はそうは思わない、だってもしそうだったら俺を避ける意味がわからないだろ」
「でも...」
「ちょうど明日には絶対リリには会えるからな、その時聞くよ」
「え、あそっか」
気づくと俺達はララの寮に着いた。
「よしっ俺はこれで帰るよ」
「うん、ありがとう」
「それじゃ、またな」
「うん......やっぱり、私も...」
後ろを向いて俺の寮に向かう時、なにか聞こえた気がした。
「という事で、これからお世話になります、クロムです」
学園長の言われたどうり俺は今日からEクラスに転入になった、知っていたカヤ以外の7人のEクラスはびっくりしていた。
「クロム君は学園長の意向で本日からEクラスの仲間になりました、みんな仲良くね!」
担任は前にララと仲良さそうにしてたルッピィ先生だ。
「1時間目はクロム君との親交を深めるために自己紹介をしましょう!!」
という事で始まった自己紹介、最初は制服を完璧に着こなしたThe優等生みたいな少年が席を立つ。
「それじゃあ僕からさせてもらうよ、僕はシヴァー・グラッテ・エル、エルと呼んで欲しい」
そこから次々に話していく、次は赤髪のお嬢様系の女子だ
「私はシリカ・ヴァーミリオンよ」
次は青髪の地味めの少年だ。
「僕はマリスです」
次は前に食道で会ったやつだ、確か名前は...
「ベルリだっけ?」
「そうです!!ベルリです、覚えててくれたんですね!」
「まあね、記憶力はいいんだ」
次は青とも黒とも言える暗い髪色をした少女だ。
「私、フィーア」
髪もが長く、腰あたりまで伸びている、過ごしづらくないのかな。
次は緑髪のこの中では1番身長の高い少年でThe,不良みたいな人だ、いや、人を見た目で判断したらダメだ。
「バルサだ」
「え、あぁ、よろしく」
見た目どうりの人だった、さて、あとの2人は決まっている。
「カヤとリリだな」
「はい、本当にEクラスになったんですね」
「...」
カヤは昨日のEクラスの転属は半信半疑だったらしく、本当にEクラスに来るとは思ってなかったらしい、リリに関してはこっちも見てくれない、悲しい。
「貴方、先日の決闘の敗者ですわよね、何故ここに?」
そう質問してきたのはシリカと名乗ったお嬢様だ。
「あぁえっと」
「先日の決闘はなかったことになったんですがそれでは主にSクラスの方々が納得しないという事でEクラスの転属ということになりました」
「なるほど、わかりました」
ルッピィ先生は俺がEクラスに転属した理由を伝えた後、なにか思い出したみたいな顔をして話を続ける。
「それだけではなく、なんとクロム君は魔術の天才だと言うことなので皆さんに教えてもらえることになりました!!」
「「おぉ~」」
「...え?」
待って聞いてない。
「聞いてないんですけど!?」
「あれ?学園長からはそう聞いているんですが?」
「知らない知らない!!」
「??」
「先日の決闘では見たこともない魔術を使っていたんだ、その方から教えて貰えると!?」
「結果は残念でしたが実力はある、そんな方からご指導してもらえるのであればとても光栄です」
「あ、あの!無詠唱魔術ってどうやるんですか!?」
「......は、はめられた!?」
あの学園長め良くもやってくれたな、俺は正直教えることは不得意だ、この空気だと無理とは言えんよなぁ。
「...よし」
全てを考えた結果俺は諦めることにした。
という事で俺はEクラスの奴らに魔術を教えることにした、ちなみにルッピィ先生は魔術がからっきしなのでちょうど魔術を教えてもらえる方を探していたらしい、もしかしてここまで全部学園長の思惑道理なのかもしれない。
学院の校庭的な場所で全員の力を見ることにした。
ただ、さすがに最下層のEクラス、実力が低いやつしかいない。
エルは魔力量が少なすぎる、魔力は魔術を使う以外に体を魔力強化することで防御力もスピードも筋力も化け物急にあげることが出来る、それが出来ると出来ないでは話にならない。
シリカは魔力量は多く、要領もいい、ただ。
「た、助けてくださいまし~!!」
「どうしてこうなった!?」
魔力のコントロールが圧倒的に下手だ、そのくせ魔力量は高いのですぐに暴走する、正直1番めんどくさいかもしれない。
マルスは魔力はまあまあだったが魔術の適性はなかった、それ自体は珍しくない、てか魔術に適正がある方が少ない、じゃあどうするかって言うと簡単だ、剣を使えばいい、はずだったんだけど。
「ダメだな」
「そう、はぁ、ですか...はぁ」
「...あの一瞬で息切れしたのか」
「ご、ごめん、はぁ、なさい、はぁ」
剣の才能も体力もなかった、数分打ち合っただけで息切れしているようじゃなんも出来ない、でも集中力はあるんだよな、それをどうにか活かせればなんとかなるかもしれない。
次はベルリだ、エルほどでは無いが魔力量が少ない、ただベルリは剣の才能もなかった。
少し遠い、間合いが全くわかってない、これに関してはまあ練習したらいいな。
次はフィーアだ、最初にこの子を見た時、正直ビビった、俺よりも圧倒的に魔力が多いからだ、もしかしたら俺と同じように別クラスから来たのかもしれない。
とりあえず魔術を見せてもらおう。
「私魔術使えない」
終わったわ。
いや、待て、魔術は使えない人は多い、人間には得意不得意がある、魔力強化が出来ればなn
「あ、魔力強化もできないよ」
終わった。
Eクラス中で一番の問題児であった。
次はバルサだ、と言いたいけど...
「い、いねぇ」
校庭に気もしなかった。
次はカヤだ、カヤの魔力は平均ちょっと下くらいで、体力もある、十分戦えるはずだった。
「手が震えてるよ」
「え、あ、ごめんなさい」
少し打ち合うだけでわかった、この子は戦えない、元々そういう子なのだろう、この世界では珍しい、それと同時に優しいこなのだとわかった。
さぁて最後はリリだ、久しぶりに面と向かって話せるけど、今は一応授業中だから真面目にやる。
まず、スキルを使って貰った、ララの言っていた通り、かなり強力なデバフかけるスキルだ、歩くのが難しいわけじゃ無いが、十分鈍くなっているのを感じる、魔術も少し使いづらいし驚いたのはスキルにも干渉できている事だ、スキルは干渉することが難しい、そのためスキルの効果を下げられるリリのスキルはかなり強力だ、ただ。
「動ける?リリ」
「...無理」
リリのスキルは自分だけでなく、周りも巻き込んでしまう、そのため使いづらく敵にも味方にも嫌われるスキルだ。
ただ正直性能はぶっ壊れだ、もしこのデバフが敵だけに影響するともしかしたら《無双化身》を超える最強のユニークスキルになる可能性もある。
さて、これでひとまずEクラスの力は全部見させて貰った、ただそれをどうこうするとかは考えてない、だって何とかするメリットもなければ必要も無い、俺は俺で自分の課題をやらなくちゃいけない。
それから少し経ち、下校の時間が近づいてきた、Eクラスの授業は魔術座学と実践はルッピィ先生がやるがその他では別の先生がやる、ただ態度が悪く、あまりいい授業じゃなかった。
その他では主に計算術や世界歴、あとは地理学だ、この世界は惑星なのも怪しい、夜は星が見えないし、世界が丸いとも聞いたことがない、それに世界一周ができない世界の端に行くと霧が濃くなり、気がつくと元いた場所に戻ってしまう、そのためこの世界が繋がっているかもわからない、もしかしたらその霧の向こうに人がいるかもしれない、まあ見た事はないけどいつか行ってみたいとは思ってる。
そして本日の授業が全て終わり、帰りの会的な時間で大事な話があるからとルッピィ先生が言ってた。
「それでは皆さん今から2ヶ月後に剣魔祭があります」
「剣魔祭?」
「あ、そっか知らないよね、剣魔祭っていうのはね、ヴァルキリアで年に1度開催される、剣術と魔術それぞれ分けて戦う大会だよ」
剣魔祭という聞きなれない言葉に疑問を感じていると隣にいたカヤが教えてくれた、なるほど、それはとてもそそられるな。
「でも出場には12歳以上じゃなきゃダメだよ」
「年齢制限だと!?」
この世界にそんなのあるのか!?割とそういうの軽いと思ってたんだが...まあ普通はあるよな。
「でも、その代わりに学年で出場できるから」
「学年?そんなのあったっけ?」
「え」
あれ?違うっけ?この学院は初等部、中等部、高等部で分かれていて、それぞれ歳関係なく授業を受けている、そのため学年とか無かったはずなんだが...てかそもそも俺もそんなに詳しくないんだよなぁ。
「初等部、中等部、高等部ってあるじゃん」
「...ああ、なるほど」
つまり学部が学年ってことになってるらしい、ちなみに初等部と中等部は6年、高等部が4年となっている、初等部が小学校で中等部が中学と高校を混ぜた感じで、高等部が大学みたいな認識でいいらしい。
「そして!今年はなんとクラス対抗戦というものを開催するそうです!!」
「え、それって」
「Eクラスの皆さんで頑張りましょう!!」
と、言われたが勝てる気はしない、ルールも知らないが、この中で戦えるのは俺だけだ、絶対無理だ。
剣魔祭ではこの大会だけではなく、屋台も出るそうで俺はそれを楽しみにしよう。
「と、言うことでEクラスを優勝させて欲しい」
「...無理」
その後、学園長に呼び出されたので部屋に入って開口一番にそう言われた。
「何が『と言うわけで』だよ、無理だよ」
「はて?本当にそうかの?君は既に彼らの解決案を思いついたと思うのだが?」
「.....やる必要が無い」
「儂は、500年前この学園を作り、そして後悔した」
「後悔?」
「あぁ、クラス制度があるせいで差別やいじめが増えるばかりだ、それを儂は何とかしたいのだ、そのためEクラスにはここで力を示して欲しい」
「...なるほどな、最弱とされてるクラスがいきなり優勝したらたしかに効果的かもしれない」
多分学園長はEクラスを強くするために俺を編入させたのだろう、それに俺がいるおかげでEクラス皆はいじめられることが減った、負けたとはいえ十分に力を見せたおかげでそれが抑止力になっていると思う。
「...分かった、何とかしてみる」
「ありがたい、Eクラスよろしく頼む」
さてはこの爺さん俺が断れないの知ってたな、俺は学園長室を出る。
「...あ」
「あ」
出るとすぐそこにリリがいた、俺を見るとすぐに逃げていったので追いかける。
「追い、ついた!!」
「...」
「なんでいつも逃げんだよ!話くらいしようぜ」
「...」
「...俺が悪いのか?」
「...え?」
「俺が知らないうちになんか嫌われるような」
「違う!!それは絶対に違うよ!!...悪いのは...クロムじゃない」
リリは俯き、覚悟を決めたような目で俺を見た。
「私が、嫌いなのは...
私、だから」




