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第23話 敗北

気がつくと俺は休息所のベットで寝ていた。

段々と意識がはっきりしてきてその瞬間察してしまった。


「そっか、俺負けたんだ」


休息所では俺一人で、外は暗くなっていた。


『俺の!勝ちだ!!』


最後に覚えている記憶には、トラヴィスの笑い声だった。


「...負けた、のか」


正直ショックだ、だって俺はあんなに修行したのに、ミナにも村長にもあんなに教えてもらったのに。


「くそっ!!」

「きゃ!?」「わっ!?」

「え?」

「「...」」


気づくと休息所にはララとカヤがいた。


「...ララ?」

「あ、えっと、おはよう?」

「おはよう...ってもしかして俺が寝てから一日経ってるってこと?」

「いえ、2時間程度です」


2時間ってことは今は7時を回ったとこかな。


「あの、決闘のことなんですが」

「凄かったよ」

「...でも、負けたよ」

「.....」

「...で?俺はこれからどうなるって?」


決闘の勝者は敗者になんでもさせることが出来るというものがあるので聞いてみることにした。


「あ、それなんだけどね」

「それは儂が説明しよう」

「えっと誰?」

「「え」」

「...え?」

「はっはっは!!」


マジで知らん人が入っていたと思うとどうやら知らないのは俺だけらしい。


「えっと....」

「クロム、この人学園長」

「学、園長!?」


学園の中で1番えらい人!?


「ガッハッハッ!!」

「...この人が?」


正直に言っちゃうとただの爺さんって感じだ、やせ細っていて、触れれば倒れとしまうようなそんなじいさんだ。


「はっは、さて、そろそろ本題に入ってもよろしいかな?」

「え、あどうぞ」

「まずは決闘のことだが、なかったことになった」

「なかったことに?」

「元々決闘というのは十分な契約や約束をもとに認められるものだ、個人では決闘は始められないだから今回の決闘はなかったことになった」

「はぁ....」

「しかし、『何も無かった』で収まりはせん、だからクロム君、君をEクラスに移動してもらう」

「「え!?」」


驚いたのは主にEクラスの2人だった。

Eクラスに?...ああ、そういう事か、食えない爺さんだ。


「わかったそれでいいよ」

「わるいの」

「いや、負けたにしては高待遇だ」

「ハッハッハ...さて、さすがにもう暗くなってしまった、寮まで送ろう」

「え、いやたしかにもう暗いけど...送る?」

「それでは、またあした」


すると学園長は杖に魔力を込め、詠唱を始める、小声で小さく聞き取ることは出来なかった、詠唱が終わった瞬間、魔力のこもった杖を地面に叩く、周りがこの爺さんの魔力で包み込まれた、その瞬間、俺たちは寮の目の前にいた。


「え!?」

「何、これ」

「私たちさっきまで学園にいたよね」

「どうやったんだ?」


転移魔術なんて聞いたことはない、見たことも聞いたこともない、そもそも実現は不可能だ。

...いや、違うか光魔術だ、ものすごいスピードで瞬間移動したんだ。


「すごいな、学園長...か」


でも学園長でも詠唱は必要なのか、やっぱ無詠唱は珍しいらしい、俺とミナしか見た事ないしな。


「負け...か」

「クロム...」

「なぜ負けたかわかっていますか?」

「正直舐めてたよ、ユニークスキルってあんなにめちゃくちゃなんだな...ん?」

「それだけですか?全く、これだからあんな油断してしまうんですよ」

「...なんでここいるの?ミナ」


ミナはまるでここで待っていたかのようにここにいた。


「ヴァニに頼んだのです、起きたら連れて来て欲しい、と」

「ヴァニって誰だよ」

「確か学園長の名前だった気がする」


カヤが教えてくれたが、学園長を呼び捨てで呼ぶって、どういう関係だよ...


「で、なんの用?」

「決まっているじゃありませんか、鍛え直しです」

「よしっ、今日は疲れたからもう寝よう」


魔力は既に全快しているし疲れてもないけどとにかくここから逃げ出したかった。


「どこへ、行くのですか?」

「お、お許しを...」


この夜、寮の近くで怨念のこもった叫び声が聞こえるとかで学園七不思議ができたそう。







翌朝、やっと解放された俺は部屋に戻るとシャルが部屋に用意された机で勉強していた。


「ただいま...」

「おかえり...ってあなた今までどこいたの?」

「地獄に...いた...」

「なんかやせ細ってる」

「ひでぇよ...まさか朝までやるとは思わないじゃん」


そういいながら俺は学園の準備をする、正直眠い。


「あなた学園に行くの?」

「もちろん、なんで?」

「今日は休息日じゃない」

「...何それ?」

「休みってことよ、学園に行くのは禁止されてないけど授業はないわよ」

「し、知らんかった」


この世界では一週間の概念がないから休みなんてないと思ってた、あの村じゃそうだった、だったら寝ることにしようと思いベットにダイブする。


「汚いわよ」

「疲れてんだ、許してくれ」

「はぁ...」


するとシャルは立ち上がり、身支度をしているようだった。


「どっか行くのか?」

「あなたには関係ないじゃない」

「まあ確かに、でも一応どこ行くか聞かせてよ」

「言う必要はないわ」


そう言うとシャルは部屋を出ていった、俺はと言うとぐっすり寝た。





目を覚ますと疲れは取れていて、喉が渇いたので水を飲みに行こうとする、するといきなり開き、顔面にぶつかる。


「っぐぶ!?」

「あ」

「えっと...おはよう?」

「もう午後だよ」

「え!?」


外を見ると既に暗くなっていた...待って俺今日何もしてないんだけど。


「ね、寝ただけで1日が終わった!?」

「そんなことより!!」

「そんなことより!?」

「ちょっと話があるの」


ララは真剣な表情で言っていた。


「話って?」

「リリ、のことなんだけどね」

「なんかわかった?」

「...うん、リリはね、後悔してるんだって」

「後、悔」


なるほど?よく分からん、E組になった後悔か?でも正直リリはそんなこと気にしなさそうだし俺を避ける理由にはならないと思うんだけど。


「あんまりピンと来てない?」

「...はい」

「あはは...そっか、そうだよね...クロムは、強いもんね」

「...」

「私のせいなんだ」

「...え?」

「私の、せいなの...」


消えそうな声でリリはそう告げた。

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