第1話 転生
気がつくと部屋の中だったそこで響きつづける声が1つあったそれは赤子の声だった。
(うるさいなぁ...ん?)
そこで気がつく。
(俺生きてる?あんな事故があったのに?)
周りを見回そうとすると首が動かないことに気づく、それでも状況をつかむため少しでもと目を開くと、ここは病院ではないようだそれどころか現実なのかと疑うしかない洋風な部屋だった。
(え?)
混乱しながら状況をつかもうと考え周りを見ると気づいた、気づいてしまった先程から聞こえていた赤子の声は誰でもない自分の声だった。
(えええええええぇぇぇ!?)
驚愕の事実を目の当たりにし驚くのもつかの間、扉開く音が聞こえすぐ近くで女性の声が聞こえる。
「サルム様!無事に産まれましたよ、どうぞ」
そう言うと赤子もとい俺をおそらく先程入ってきた人へ渡す。
「男か、そうか...」
「サルム様...?」
「いやすまない不満というわけじゃないんだ」
そう言うと強く、優しく包み込み
「この子には幸せに生かして見せる」
すると、
「ミラ様!?」
「っミラ!!」
「失礼します!...気を失っているだけです命に別状はありません」
「...そうか良かった」
そう言うと男は息を吐き、安心したようだ。
今の状況に驚きつつもよく考えるとあることに気づいた。
(あれ?これ日本語じゃないぞ...)
俺は英語はできないしなんなら日本語しか知らん。
それなのにこの言語は理解出来る。
(ん〜?)
疑問に思っていると。
「...とりあえず俺は報告に行く」
「そうですか...お気をつけて」
(お気を付けて?!)
そう言うと男は俺を抱えながら立ち上がる、そして慣れた手つきで肩の近くにまで持ち上げられ部屋を出た、すると初めて俺は父親らしき人の顔が見えた。
髪色は薄い青色でイケメンの男だ前世だったら有名なアイドルにいてもおかしくないくらいだ。
(この人が父親ならば俺もめちゃくちゃイケメンかもしれない!)
などと能天気なことを思っていると、大きい扉があった。
「失礼します!!」
「入れ」
「は!!」
扉を開けるとそこにはいかにも偉そうなオッサンがいた。
「どっちだ?」
俺を見ながらそう言った。
「...男でございます」
そう聞くとオッサンがにやけだし徐々に高笑いし始めた。
「やはりな!やはりこの世界は我が国を中心に動いているのだ!!結局あの売女がやったことは全て無に帰したのだ!!」
「...」
「1度は焦りはしたが結局は変わらん!お前もわかっただろう!サルムよ!!」
「私は!...私は...」
「さぁ『鑑定』を行うぞ!!楽しみだなぁ!!」
「...」
そう言うと俺は祭司のような男に渡され紙の上に乗せられた。
「それでははじめます」
そう言い少し時間が経つと。
「...これは!すごいです!S級スキルがいくつも!しかも未確認スキルまで!!」
(おお!!)
と周りのもの達が歓声のようなものを上げる
しかし1人だけ違う考えを持つ者がいた。
「ユニークはどうした?」
あのオッサンだ
「ユニークスキル...ですか?...所持してません」
するとオッサンから殺意のようなものを感じた。
「なん、だと?...あれは王家の血筋だぞ?ユニークを持っていないだと?」
「まあユニークスキルなんて持っている方が珍しいので、そう簡単には産まれはしませんよ」
そう言い切ると部屋中に鮮血が流れる。
(...は?)
殺されたのだあのオッサンに、トマトを潰すように、
ハエを叩くように。
殺したのだ人を
そしてあの怒りの矛先はどこに行くのか。
決まっている。
次は、
俺だ。