第16話 修羅場そして旅立ち
「全く...貴方という方は...」
「申し訳ございません...母様...」
あの後アイリは倒れてしまい、ばあちゃんとサルム、そしてミラと3人で話していた。
俺はその3人の会話をクソ眠い中ドアの裏で盗み聞きしていた。
父さんもといサルムは元妻であるミラと不倫していた、しかも現妻であるアイリが妊娠中なのにだ。
俺は父さんのことをクズだと思う。
「ミラさんはどうするのですか?」
「わ、私...はこの子を産みたいです」
「...もしアイリさんが拒まれたらどうするのですか」
「その時は私が」
「サルムは黙りなさい!!」
「うぐっ」
サルムが口を挟もうとするとばあちゃんが殴って黙らせる...結構武闘派系なんだな。
「貴方が1番何も言えないでしょう!!」
「うぐっ」
「そもそもなぜ貴方はミラさんに手を出したのですか!」
元々サルムは真面目な方だと思う、それなのにミラに手を出したちゃんとした理由があるのかもしれない。
「少し...我慢ができず...」
「...」
「...」
俺とばあちゃんは多分同じ目をしていた、軽蔑の眼差しだ。
「...とにかく今はミラさんをどうするかです、アイリさんが許さなければあなたにはここを出て行ってもらいます」
「な!?待ってください!」
「当たり前でしょう、貴方たちはそれほどのことをしたのだから」
「ですが...私は...」
「...もし、アイリ様に拒絶されたとしたら...私は大人しく出ていきます」
「ミラ...」
「ですがお願いがあります...エルトとこの子は...どうかここで育ててください...」
「...それは」
「だめだよ」
「え?」
「アイリ!」
あ、危なかった、後ろからまさかアイリが来るとは思ってなかった。
足音が聞こえた瞬間に隠れたおかげで多分見えてなかったはず。
「ダメだよそんなの絶対だめ」
「で、でも」
「だって私、貴方を追い出そうとは思ってないんだもん」
「!?」
「あ、アイリ」
「だって私ミラさんなら一緒にいてもいいって思ってたもん」
「え.?」
「メイドだった時からね、私ミラさんのこと気になってらもん」
「え、あ...」
「あ、でもサルムは許さないよ!!」
「ああ、すまなかった」
「サルム」
「あ、はいすみませんでした」
情けないぞ父よ。
その後俺は寝たが、あれから話し合ってミラはこの家に置くことになった。
そして数日後アイリは無事に子供を産んだ、村の医者を呼んで偶然にもその日はミロがいた、普段なら光魔術を教えてもらおうとしたがそんな事をしている場合ではなかった。
ミロは聖女と言われるだけあり治療魔術がめちゃくちゃ凄かった、アイリの表情が見るからに良くなっていった。
そして親子共に危険な状態なんてなかった、産まれたら子にはミーシャと名付けられた、俺の妹だ。
それからしばらくして次はミラの番だ、今回はミロがいないのでお医者さん2人とミラで産まなければならない、しかも問題が発生した、逆子だった。
出産は困難を極めた、今回はミロがいないのだ治療魔術を使う人がいない。
だから俺がその役割をした、ミロのようにはいかない、アイリのようにすぐに表情が良くなるとはいかなかった。
そして長い奮闘の末ミラは無事に子供を産めた、俺のおかげとは言わないがとにかく無事で良かった、この子はシャリアと名付けられた、また女の子だ。
俺はこの日2人の妹のお兄ちゃんになった。
それと同時にあの二人...いやエルトを含めたら3人か、鑑定をしてみた結果がこれだ。
「3人ともユニークスキル持ち...か」
ユニークスキル...か、いいなぁしかも3人ともかぁなんで俺だけ...。
ーーーーーーーーーー1年と9ヶ月ーーーーーーーーー
「準備出来た?」
「出来た!...多分」
俺は次の月には7歳になり、学園都市ヴァルキリアに向かうことになった。
ヴァルキリアは7歳から普通の人でも入れるようになる、なので俺はララとリリとの約束通りヴァルキリアに行く...まあ2年遅れちゃったけど許してくれるだろう。
「ミナさんクロムを頼みます」
「お任せ下さい、必ず無事に送り届けます」
「にーに、どこいくの」
「お、エルト兄ちゃんちょっと遠いとこ行ってくるよ」
ヴァルキリアにはミナが着いてくることに決まった、この村からヴァルキリアには2ヶ月程度掛かるので護衛をつけようって話になった。
エルトは3歳になって少し話せるようになった弟ってこんなに可愛いもんなんだなって思ったミーシャとシャリアはまだ幼いけどやっぱり可愛いものは可愛い物で大切にしたい。
旅立つ前に色々貰った、村長からは杖を、父さんからは結構いい剣を。
思えば俺は恵まれすぎてるよな、周りにも、仲間にも。
「よしっ!それじゃあ行ってきます!!」
「ああ、行ってこい」
「グロブぅ元気でねぇ」
「泣きすぎですよアイリさん」
「行ってらっしゃい、クロム」
「にーにバッバイ」
そして物語は次へ続く
次回から新章始まります、良ければブックマークや感想をお願いします




