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昔滅びた魔王城で拾った犬は、実は伝説の魔獣でした~隠れ最強職《羊飼い》な貴族の三男坊、いずれ、百魔獣の王となる~  作者: あまうい白一
第二章 田舎貴族の羊飼い、街とギルドへ赴く

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作物は薬としても使える


 俺たちは、エルフの里の中でも二番目に大きな屋敷にいた。

 

 ピュセルの住まいだ。


 そのダイニングにて、俺とシア、ピュセルと、デュランタがいた。

 デュランタは、ダイニングの隅に置かれた、フラスコや、魔法コンロが置かれた作業台の前にいて、エルフのトマトを大きな鍋で煎じていた。


「エリクシルフルーツ」をミスリルの鍋で煎じる。最初は水分が多くでて、赤いトマトスープのようになるが、数十分ほど煎じ続けると、途端に液体が透明になる。これが、『エリクシルポーション』といって、重い傷や呪いによる怪我にも効く特効薬になるのです」


 などと言いながら、彼女は俺から受け取ったトマト全てを煎じていたのだが、


「これが完成品です。さあ、お飲みください、ピュセル様」


「ああ、ありがとう、デュランタ」


 ごくり、と飲む。

 

 半ばよりちぎれていた翼に、光が集まり、やがて光が晴れたころには、

 

「うん。治ったかな」


 ぱさぱさと軽く動く黒い天使の翼があったのだ。

 

「ふう。助かったよ、アルト君。そしてシア。翼がちぎれると、体内の魔力の巡りが悪くなってね。死んじゃう所だったから」


「そんな重症だったんですね」


「私の身体を直すのは結構大変なんだけど、品種改良をしたエルフのトマトなら別でね。エルフの皆にも感謝だよ」


「何を言いますか。魔王との戦争時代、貴女が守ってくれたお陰で我々は救われたのですから。これくらい当然ですとも」


 どうやら、エルフとピュセルの関係は、そういう感じらしい。


 シアは、彼女たちのやり取りをジト目で見ていて、


「ピュセル。貴女、戦闘能力はあんまりないとはいえ、逃げるのと守るのは得意だったでしょ? スケルトン程度にやられるとは思えないんだけど、どしたのよ」


「いやあ、スケルトンの親玉みたいなのがいてね。それをエルフの皆と迎撃してたら、不意打ち気味にやられて。こうなっちゃったんだ。……まあ、一回追い払ったんだけど――問題はそこじゃなくてね。畑の方さ」


「畑、ですか? 作物が実らなくなっていると聞きましたが……」


「事実だよ。一縷の望みにかけて、デュランタたちは、トマトを実らせられる人や場所を探すために、種を里の外に出したくらいだしね」


「そういう経緯があったんですか」


 デュランタは頷く。

 

「食料が尽きたので、外部からの補給に頼るしかなく。物資を買うためにお金が必要になったのもありますが。……ともあれ、畑を見てくれると嬉しいです」


「とにかく作物が実らない……というか、植える事もできないそうなんだが。私じゃ、農業について分からなくてね。


「分かりました。ちょっと見てみますね」


「では、こちらへ」


 デュランタに案内されて、俺とシアは、エルフの里内にある一番大きな畑に向かった。

【お読み頂いた御礼とお願い】

 本作品をここまでお読み頂き、有り難うございます。


「面白かった」

「この先が気になる」

「アルトとシアの続きが読みたい!」


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