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部活

穏やかな秋の日差しの中、学校の図書館に葵は向かう。

中学時代は、テニス部に所属していたが、高校入学時に色々とあったので、とりあえず郷土資料部に所属した。

高校の部活は任意で、帰宅部でも問題は無かったが、部活に所属すると、学校のパソコンが扱えるのが利点だった。

そして、友達と会って話せると言う点でも。


図書館の引き戸を開けると、まだ、誰もいなかった。

毎週、月曜日は部活のために図書館の一般利用は禁止になる。

この日、図書館が利用出来るのは、文芸部と郷土資料部の2つである。


コロナやら熱中症で休部が増えるなか、無言で作業をする、この2つの部の活動は安定していた。


葵は窓を開け、テーブルを消毒液をかけて軽く拭くと、マスクを外し、遠く広がる空を見つめた。


高2になったのに…どこにも行けないなんて。


葵は、ため息をついた。

そう、こんな事がなければ、高校生になったら、富山市まで行って映画を見たり、コンサートに行っても良いと言われていた。


そして、コミケ…コミックマーケットに連れていってくれると奈穂子は約束してくれた。


商店街の片隅で、雑貨屋をしている奈穂子からは思いもよらないが、彼女はあれで知る人ぞ知る絵師なのだ。


中学時代、祖母の(かおる)と倉庫を掃除した時、穂子の作品を見て、胸がトキメいたのを思い出す。

それは、古代文明の美しいお姫様の絵だった。


ボンヤリしていると引き戸が開いた。

葵は、急いでマスクをして戸の方角をみた。


「木曽さん、早いね。」

2年生の郷土資料部、大川 遥希(はるき)である。


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