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便所から始まる性剣の伝説  作者: てるる
序章、下水管篇
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4話 異世界はムスコと共に ①!?

 ───チ○コが剣になる。

 それはもはやお約束の展開と言えるのではないだろうか?

 私の左手には現在、黄金色のやたらとゴテゴテした剣が握られている。

 何も知らぬ者が見れば、何処かの国の国宝か、古来より語り継がれている伝説の剣かと見紛みまごうてもおかしくはない。

 私はそんな”それ”の变化へんげした剣に、聖剣ならぬ”性剣せいけん”と名付けた。

(因みにボツ案は宝剣ならぬ”包茎”である)


「くっ...なんだこの光は!?」


 ”それ”を取り外すと同時に恐喝姉さんが動揺を見せた。

 一瞬何かそれっぽいことでも言ってやろうかと思ったが、どうせ私はコミュ症だからやめておいた。

 しかし残念だったな恐喝姉さんよ!私がコミュ症のせいでかっこつけられないということは、その分早くお前を切れるということだ!今度はお前に死を覚悟して貰うぞ!

 私は恐喝姉さんが次の言葉を発する前に、切っ先を奴へ向け地を蹴っていた。

 もう私を止められる者は誰もいない。


『あ、でもアリシア、そのまま突っ込んでも意味無...』 


 この時、私は風だった。いや光だった。時速3キロは優に超えていた。 

 完全に捉えた。奴との距離僅か2メートル。

 そして、奴も取り巻き共も未だに呆気にとられている。

 短か過ぎる戦いだったが、今お前は私に敗北したのだ。


「ッ!早い!まさか貴様、この私をッ!」


 さぁ”それ”よ、今こそお前の力を示せ!

 私は握られた性剣を振り上げると、勢いに任せそれを振り下ろした───。  

 性剣を持つ手に鈍い感触があった。

 その剣戟けんげきは奴の頭頂部から谷間までを生尻の様に、チ○コの先っぽの様に...切り裂いていた。

 

 かに思われた。


 だ・が・し・か・しっ ♡


 現実とは非情である。

 確かに性剣は奴に当たっていた。

 だが、その当たり方が変だった。

 見れば、本来なら返り血を浴びている筈の性剣が、剣身の中心からぐにゃり。

 45度程曲がっているではないか!

 そして次の瞬間、なんと性剣の曲がった部分がゆっくりと再生を始めたのだっ!

 チ○コの形態の時点で珍妙であったが、なるほど剣に变化してもやはり珍妙だ。

 相手を攻撃すると曲がる剣...か。

 これは恐らく”おもちゃ”と言う形容が最も適切だろう。

 

(おい、ヘッポコ。)

『僕はちゃんと”そのまま突っ込んでも意味無いよ”って言ったんだけどね。』

(お前は脳みそが糞になってるのか?そういうことはもっと前に言わないと意味無いだろ。薄らボケが。)


 しかし、今注目すべきは性剣の方ではないのかもしれない。

 私がゆっくりと顔の角度を上げると、そこには不思議なものでも見るような目で私を見る奴がいた。

 私を見るな。


「あなた...何がしたいの?」


 周りでは取り巻きがクスクスと笑っている。 

 うるさい。

 

 だが、幸いなことに、これが恐喝姉さんに近づくという布石であることはまだバレていないらしい。

 そうだ、布石だ。

 そして、性剣はこいつらを油断させる為にあえて曲げた。

 まだ終わっていない。まだおおむね計画通りだ。


(”それ”!どうすれば性剣は力を開放出来るんだ!?)

『簡単なことだよ。僕はチ○コなんだ、それは剣になったところで変わらない。だから僕を剣として機能させるには性剣を固くすれば良いんだ!』


 なるほど、確かに道理にそっている。

 通常時のチ○コで攻撃をしても剣身が曲がるだけというのは想像に難くない。

 そして...固くすれば良い...か。ならばこの位置はとても好都合だ。

 目の前に奴が居る、この位置が良い。凄くイイ。

 さっきは感触が分からなかったが、今度は失敗しない。絶対に!


 私は先程と同じく、目の前に見せつける様に突き出された双丘に手を伸ばした。  

 だが、今は目的が違う。

 人生の最後を飾るためではない。これからの希望の為に、私はおっぱいを揉む!


「またか、このゲスがッ!」


 やはり見事な動きだ。

 またしても俊敏な蹴りが私の胴を狙う。

 だが、それは一瞬遅かった。

 私がそれよりも早く、亜光速はあろうかというスピードで奴のおっぱいを揉みしだいていたからだ。

 そして、私の身体が宙を飛んだ時、既におじさんは興奮していた!


 私は再び床へ叩きつけられた。

 しかし何故だろう、全く痛くない。それどころか力が湧き上がってくるようだ。

 視界が光に覆われる。どうやら今は性剣だけが光っているわけではないらしい。

 私の全身が絢爛けんらんな輝きを放っていた。

 私の全てが生まれ変わっていく感覚。

 気づくと、何やら服装が奇抜になっている。

 いや、それだけではない。髪も伸びていれば、見覚えの無い髪飾りもついている。

 これが......性剣の力...?

 私はその場からゆっくりと立ち上がった。

 そうだ、私は既に”覚醒”している。


 ───魔法ふるちん少女アリシアちゃん参上!!!


 私はまばゆいオーラを放つ自分の身体で性剣を振り、その鋒鋩ほうぼうを恐喝姉さんへ向けた。

 それと同時に、頭の中に”それ”ではない、何者かの声が聞こえてきた...。



『いつか、あなたを運命から解き放...れる人が必ず現れる。あ...には絶対に私と同じ運命を辿って欲しくない...から...。』



 ありきたりなセリフだが、私の聞き慣れた...そして何処か懐かしい少女の声だ。

 所々聞き取れない部分があるが、絶対に過去に聞いたことのある......いや、しかし今はそんなことどうでもいい。


「わわわ、大変ですよ。奴の剣が怪しい白い光を放っています!」


 取り巻きの一人が性剣を指差してそう言った。

 見れば、そいつの言う通り、私の性剣は白い光をまとっている。

 今の私なら、どんなことでも成し遂げられると思えた。


「お、お前ら!そいつが私に近づいて来る前に、そいつの能力を調べるんだ!......ただのゲスな小娘かと思ったら...何なんだこいつは!?」

「は、はいぃ...。」

 

 ほぉ、どうやら最初の犠牲はこの生きる価値の無さそうな小娘達らしい。

 しかし...何か妙だ。気のせいか?彼女らの身体に円形状の穴と言うべきか......向こう側が透けて見える部分がある気がする。

 これは......?


『アリシア、その穴に僕を突き挿せ!』


 何だかよく分からないが、性剣である”それ”が言うのなら私にそれに従わない理由は無い。

 私は、こちらへ迫る連中の一人に狙いを定め───


(性剣、エクスカリバー!!!)


 心の中でそう叫びながら、その”穴”を性剣で刺し貫いた。

 

「い...いやあぁああーーーーぁぁ♡」


 耳朶じだを打ったのは、そんな喘ぎ声。

 痛みではない、快楽にもだえる女の声だった。

 これは驚いた。これが性剣の力なのか...?


「はぁ、はぁ♡こ、こんなの...初めて...♡」 


 だが、驚くのはここからだった。 

 私が取り巻きAの身体から性剣を引き抜くと、その身体にはなんと傷一つついていなかったのだ。


 しかし、それと同時に理解もした。

 そう、この性剣は持ち主が性的興奮を覚えると、対象の敵に性剣を挿し込む為の穴(性感帯)を作り出すという能力を秘めていたのだった。


『これが僕の力だ。そして、○に見立てた穴を作り出した後、チ○コに見立てた僕から放たれるは絶対に○かせる必殺のピス○ン!』


 もう何処から突っ込めば良いのか分かんねぇよ。


世界について③


人間界から魔族の住まう魔大陸までの距離感は地球で言う日本→アメリカに近い。

また異世界における陸海の割合は地球と同じ7:3であり、世界は恐らく球体であると考えられる。

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