29話 私はメイド!?
───地獄への扉は再び閉ざされた。
王城に住まう者でありながら一人のうのうと戦禍から逃れたつけか、メイドとしての責務か、一回目も今回もその役目を引き受けたのは私だ。
城内に充満した激臭を消し去る為に試行錯誤したのも私である。
だが、私は別に魔王様に対し遺憾の意を抱いている訳では無い。
別に覚えてくれなくてもいいですが、私の名前は『佐々木』 27歳。
元来『チリトリより面白みに欠ける無粋者』と言われて久しい私ですが、数あるメイドを魔王様がふるいに掛け私だけが残った理由は何となく分かっている。
突飛に聞こえるかも知れないが、私の唯一他と違う点...それは”おっぱいが6つ”あるということだ。
恐らく魔王様は私の身体が気になったのでしょう。
以下、田舎送りにされた同僚達からの心無い言葉。
『同僚?顔見知りの間違いでしょ。』
『あんた、人の努力なんだと思ってるの?』
『選ばれたんだからつったってないで何か言いなさいよ。』
『人が死んでも何も思わなそうw』
しかし、いくら”おっぱいが6つ”あると言うオモチロイ身体を持っていたとしても、やはりチリトリには敵わないに違いがない。
突然ですが、チリトリ、面白くないですか?
いえ、この10秒後に変な笑いが込み上げてくる面白さは私如きが言語化するのはとても難しいのですが。
では、床にチリトリを置いてみて下さい。出来るだけ殺風景な床が良いですね。
そして、一通り仔細に観察して『チリトリ』と言う言葉と『チリトリそのもの』とを脳内でしっかりと紐づけるのです。
それが出来たら、無表情で声に出して言ってみて下さい。
「チリトリ」───と。
お茶の間ドカン!
ね?
コホン。
何でおっぱいが6つあるの?と疑問に思われただろう。
それは、私が幼かった頃にまで遡る。
もうタイトルも忘れてしまったが、当時私がはまっていた小説に主人公が『おっぱい・バズーカ!』と言って、身体に装着した三対の弾丸を放つという描写があった。
その描写にひどく感銘を受けた当時の私は、毎日昼も夜も無く『おっぱい・バズーカ』の練習に明け暮れ、その結果がこの身体だった。
───それから20年と幾ばくか......今も時々練習をするのだが、あれ以来私の身に変化が訪れる事は無かった。
魔王様は変態、クズ、守銭奴の三拍子が揃った外道ですが、私は魔王様には感謝している。
数十名居たメイドの中から私だけを選び、さらに王城を征服した事の口止め料として給料を大きく上げてくれたのだ。
それに、私は魔王様が城を乗っ取る際に王室内で暴れ回った時、魔王様に一度あの剣で挿された。
その時感じたのだ。この方は国内のみならず、世界すらも支配出来る御方であると。
一人で城内を掃除し切るのは大変だ。
料理もあまり好評では無いらしい。
だが、いつかは腕も上がることだろう。
そうして私は魔王様に恩を返して行くのだ。
私に出来ることは、それしか無いのだから───。
「今日は何が食べたいですか?」
今日も私は彼女達にそう問う。
「う◯ち!」
「チ◯コ!」
「(自主規制)メン!」
「うわ!ごっ*んじゃん!」
もう勝手にやってろ、クズ共がっ。
伏せ字階級
Lv1「○」
チ○コ、ウ○コなど可愛らしい下ネタに使用される伏せ字。
効果範囲は基本的に一文字に限定される。
Lv2「*」
主に「○」があてがわれるものよりややレベルの高い下ネタに使用される。
が、それは作者の気分次第の域を出ず、それ「○」だろと言うものに使用される事もしばしば。
「○」と同様、効果範囲は一文字に限定される。
Lv3「(自主規制)」
稀に出現するなかなか過激な下ネタに使用される、あらゆる伏せ字の中でトップに君臨するキングオブ伏せ字。
見た者には幸福が訪れる、なんて噂は無いけども、きっと目にした者は多幸感に包まれることであろう。
トップに君臨するだけあって、その効果範囲は唯一一文字を超える。
主に2~4文字程度のカバーが可能。




