表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【続編開始】性格の悪さを神様に買われて加護を得ました  作者: フーツラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/81

おとりよせ

「何ですか?パイセン。一緒にダンジョンだなんて珍しい。最初の頃に行ったきりだったのに」


俺に呼び出された和久津は新宿ダンジョン入口の待機所でコーヒーを飲んでいた。ニット帽を被っているのでそこそこのイケメンに見える。


「少し1人では行き詰まってな」


「今は第8階層でしたっけ?確かにソロだと時間かかるかもですねえ」


「うむ。やはり良い絵を撮るには囮が必要だと気が付いたんだ」


「えっ?なんて言いました?」


「お、と、り」


「ちょ、なんで囮なんて単語が出てくるんですか?良い絵ってなんです?」


「和久津には囮としてモンスターを釣って貰おうかと思ってな」


「パイセン!冗談はやめて下さいよー」


「よく見ろ。これが冗談を言っている人間の顔か?」


「い、痛い!お腹痛い!パイセン今日は体調悪いので帰ります!」


「大丈夫。腹痛には囮が1番なんだ。俺の田舎では常識だぞ」


「パイセンの実家は東京じゃないですか!」


「いいからこれを着て準備しろ。和久津」


俺はマジックポーチから甲冑を取り出して和久津の前にどんどん積み重ねていく。


「えっ、いや何ですかこれ!」


「甲冑だ。今日、和久津には落武者役をやって貰う。ちゃんと折れた矢も準備しているから心配いらないぞ」


「ごめんなさい。全然話が見えないっす」


「察しが悪いな。和久津が落武者の格好をしてダンジョンを徘徊する。モンスターが和久津を見つけて襲い掛かる。そこを俺がビデオに収める」


「いやいやいやいや!それの何が面白いんですか?」


「はぁ」


「なんで溜息!」


「和久津、俺はお前をスターにしてやる。約束する。だから今日は黙って俺の言うことを聞いてくれ」


「……パイセン。自分のためにそこまで考えてくれてたんすね。ってやんないすっよ!」


「和久津。これは国で決まったことなんだ」


「どこのですか!」


「大丈夫だ。和久津を危ない目には遭わせることはしない。神に誓って!」


「パイセンの神様が一番信用ならないっす!」


今日の和久津はなかなか手強い。一度場所を変えよう。


「周りを見てみろ。お前が騒ぐからみんなびっくりしているぞ。とりあえずダンジョンに行くぞ。続きは行ってからだ」


俺は会話を切り上げて和久津をダンジョンに連れて行くことにした。しっかり首根っこを掴んでいるので逃亡の恐れはない。

評価・ブクマ、ありがとうございます!よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 和久津くんとパイセンの掛け合い面白すぎました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ