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5.迫る脅威

くそ!?状況が呑み込めない。突っ込み所が多いな。


何だこれ?もう少しイージモードにしてほしい。


悪いがこんなよくわからない状況を瞬時に理解できるほど俺は優秀じゃない。


成績はいい方だったが、天才というよりも予習と復習でなんとかする秀才タイプなんだよ。俺は。


落ち着こう。何から考えればいいか。


ダンジョンナビとは何だ?ダンジョンマスター適正とは?


そもそもダンジョンとはなんなんだ。俺が召喚されたのなぜなんだ。


状況を整理しようと長考に入りかけたが、


「考えているところ悪いんだけど、そんなに時間に余裕はないんだよ」


 ダンジョンナビがそう言うと、目の前の空間に音もなくスクリーンが現れた。


 大きな画面が空中に浮かんでいる。

 

 近未来的、まるでSF映画のようだ。


 スクリーンには、ゴブリン、オークといったモンスターの集団と剣と盾を持った重装備の騎士の集団が戦っている。


 ゴブリンが肩から真っ二つに一刀両断され、血が飛び散る。その横でオークの首が跳ね飛ばされる。

  

 いきなりの凄惨な場面に俺は顔を顰めた。


 戦闘は圧倒的に騎士側が優勢のようだ。


 モンスター達も必至に騎士達に襲いかかっているようだが、こん棒や腰布といった軽装のオークやゴブリンが殴りかかっても簡単に騎士達に防がれ、切り伏せられる。


 そんなことが繰り返されている。


 「お、おい。簡単にやられているぞ?大丈夫なのか?」


 「う~ん。全然大丈夫じゃないよ。あはは・・

  

  これは最前線の映像だよ。現在進行形で戦闘が行われているの。


  見てわかったと思うけど、先ほど話した通り、一方的な状況なの。


  私達の主力であるオークやゴブリンでは、完全武装した騎士に全く歯が立たないの。


  最大戦力であるハイオークも何体かいるんだけど、騎士達からしたら大差ないみたい」


 「笑っている場合か・・・」


 ダンジョンの主力がこれだけ圧倒されているとなるとどうしようもないじゃないか。


 実際の状況を見せられたことで、自分が思っていたよりも状況が悪いことを理解させられた。


 やばい。やばいな。これ相当にやばい状況だな。


 騎士達は、簡単にオークやゴブリンを倒している。


 まさに雑魚狩りといった感じだ。苦戦する様子が全くない。


 こりゃ詰みだな。


 勇者召喚なんかをやりたくなる心情がちょっどだけ理解できた。理解したくはなかったけど。


「おい!ナビ!これはどこまで侵攻されているんだ?俺たちがいるのは何階層なんだ?モンスターの配置はどうなっているんだ?」


「オーケー!順番に話すよ!


 今、映し出されているのが二十階層。私たちがいるのは最下層。三十階層だね。


 わかりやすいことに、ちょうど全体の3分の2の地点だね。


 モンスターは、低層階はには、ジャイアントアント、ハンタービーなどのインセクト系モンスターやスライムなどの低級モンスター。


 中層階以降は、ゴブリン、オーク、ハイオークといった亜人種系のモンスター。


 あと、最下層には、オークキングとオーククイーンもいるよ。」


「残り十階層か。どのくらいでここまで辿り着くかわかるか?


 あと、念のため、聞くが他に強いモンスターはいないのか?」


「う~ん。ダンジョンはそこそこの広さがあるけど、このペースなら後十日もかからないかなぁ。


あと、他にモンスターはいないよ。正真正銘、私達に残された切り札はマスターだけなの!」


若干テンションの高いダンジョンナビにイラッとする。


十日か。長いのか短いのわからん。いや、今日明日にでもという状況でないだけマシか。


「ナビ。ダンジョンコアの使い方を詳しく教えろ。後、十日で何ができるか考える。足掻くしかない」


現状のままでは、ただ蹂躙されるのを待つだけだ。


ダンジョンコアで何ができるか、まずは、できることの確認をして、対策を立てることにする。

※8/18 少しだけ文章のテイストを調整しました。内容はあまり変わらないと思います。

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