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41.開会

「――と、そんな感じだったんだ。」


 俺の話しを聞き終わったセシルの顔が引きつっている。


 そんなおかしな話はしてないよな。


「えっと……、セシル?」


 言葉を発しないセシルに話しかけると、彼女は、あー、とか、うわー、と、呻き天を見上げる。


 部屋の中なので、上を見ても天井が見えるだけだと思うが。


 しばらくすると落ち着いたのか、彼女はコホンと咳払いをして、話始めた。


「うわー、うんうん。大体噂と同じじゃないですか! 一方的というか、皆殺しって……、私の時より悪いじゃないですか!? 私、少しは噂に尾ひれがついてるのかと思ってましたよ!」


「いやいや、俺から喧嘩売ってなかっただろ?」


「え~!! そこですか!? 相手から絡んできたかどうか気にしてるんですか? あと、なんで皆殺しちゃうんですか? ギルドマスターまで殺しちゃうって冒険者できなくなっちゃうじゃないですか!?」


「大丈夫だ。ちゃんと冒険者できてる」


「あの、結果そうなのかも知れないですけど…、普通は駄目なんじゃないですか!? ギルドマスターですよ? ギルドが敵になっちゃいますよ?」


「いや、だが、勝手に首を突っ込んできたし、実際問題になってないじゃないか」


 セシルのやつなんかテンション高いな。


「エイト様、セシルの言う通りですよ。今後もギルドが静観するかはわからないです。むしろ、また面倒を起こしたわけですし、何かしてくると考えた方がいいです。あちらとしても、体裁もあるでしょうから、このまま放っておくという訳にもいかないのではないでしょうか?」


 見かねたルナが頭を抱えながら、会話に口を挟んでくる。


「ん、まぁ、その場合は、また叩き潰すだけだが」


「エイト様、何でも暴力で解決では、最良の結果は得られませんよ。そもそも我々の目的はギルドと敵対することではないかと」


「なんだよ。わかってるから。説教はやめてくれ」


 俺は軽く両手をあげ、降参の意を示す。


「はぁ~、本当ですか? 暴力でいうことを聞かせても欲しいものは手に入りませんよ。皆に怯えられて楽しいですか?」


「……わかってるよ。俺も暴力でいうことを聞かせたいわけじゃない。何度も言っているが、相手が暴力や権力で訴えてくるんだからしょうがないだろ? 言っておくが、おまえも大概だからな!」


「私はいいんですよ。王たるもの、暴力以外の交渉力、論理的な理屈だったり、道理だったり、情に訴えるような方法も模索していただかないと…」


「……王?」


セシルが首を傾げる


「あ、いや、なんだ。パーティーリーダーのことだろ? ルナは、種族的にリーダーを長とか王として扱うんだ」


「え、ええ、そうです。エイト様にはリーダーとして、しっかりしていただかないと。ふふふ」


「むむむ…、なんか怪しい」






「この度は遠路遥々、帝都までお越しいただき、感謝する。早速だが、これより我ら対魔王同盟による四カ国会議の開始を宣言する」


 ダイヤ帝国皇帝マリウス三世の宣言により、四ヵ国会議が開会された。


 帝都宮殿には、ダイヤ帝国のみならず、同盟国が勢ぞろいし、ハート聖教国、スペード王国、クラブ共和国の各国代表者達が円卓を囲んでいる。


「今回の議題は、勿論たくさんある」


 議長を務めるマリウス三世はそう言うと列席者の面々の顔を見渡した。


「が、議長国としては、例のダンジョンの件についてから議論させていただきたい。ハート聖教国の聖女殿とスペード王国の勇者殿に何が起こったのか、その点はっきりさせていただきたい。いかが?」


 マリウスの目が聖女アリシア、そしてスペード王国の王女ユーリに向けられる。

今回も更新遅くてすみません。

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