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第0話 転生への導き

はじめに:作者はストーリーを考えたことこそあれど、文字にするのははじめてであり、別段文才があるわけでもありません。当然至らないところも多いと思いますのでそこらへんは生暖かい目で見守ってくださると有難いです()

 『自負・嫉妬・貧欲は、人の心に火を放てる三つの火花なり。』

 ーーーーイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリ






 暗い。何もない。光も闇も、それどころか物質一つない空間。

 そこで、一つの意識(たましい)が目を覚ました。いや、()()()()()()()。と言うべきだろうか。


(…真っ暗なところだ。

 ここはどこだ?なぜ俺に意識がある?

 俺は…)


 最後に記憶しているのは病院の寝台の上で、泣きそうになりながら、老いきってしわしわの手を握るある男の顔。いずれ先立たれることを受け入れていながら、それでも最後の時まで寄り添い、泣いてくれた男の顔。そうとも、確か…。


「老衰で死んだはず、でしょ?」


 何もないはずの場所から声が聞こえた。


(…誰だ?)



「ボクが誰かなんてどうだって良いだろう?それよりさ、君。

『3回目の人生』、歩んでみないかい?」


 そう言って男は突然目の前に最初からそこにいたかのように現れた。いや、実際姿だけを隠して最初からそこにいたのかもしれない。

 ともかく、目の前に現れた男は白いマフラーに黒地の上に色とりどりのインクをこぼしたような半袖のシャツを着て、動きやすそうなゆったりとした茶色い長ズボンを履いており、裸足で、彼自身の背丈と同じぐらいの巨大な筆を背負っている、といった変わった格好をしている。

 左の頬に黒いインクをこぼしたような跡のある白い狐の仮面をつけており、表情はうかがえない。が、その声はどこか楽しそうだった。


(…もう2度も生きたことを知ってそんなことを言うのか?

 十分だ、2度も生きて満足しているのになぜ今更3度目の人生を…)


「嘘は良くないよ。」


(…。)


「だって君はまだ満足してない。戦い足りてないだろう?」


(……。)


「君は最初の人生で英雄とも邪神とも呼ばれた者だ…って、そういえば英雄って呼ばれるのは嫌ってたね。ごめん。ともかくだ、あれだけ戦いに明け暮れておいてまだ満足してなかっただろう?

 そして2度目の人生では戦争に使われる生体兵器として生まれ変わった。最も、その戦争は停戦協定を結んで終結したし、戦争が終わった後、君は普通の女性として暮らし、不完全燃焼のままで老衰で死んだんだったよね。

 …本当に心の底から満ち足りてると言えるのかい?まぁ、勿論それだけじゃないだろうけどね。」


(…正直に言えば、満足できてはいない。が、何故3回目の生を与えようなどと言い出すんだ?)


「ほら、よくある異世界転生ってやつだよ。

 まぁ転生先は最初の人生を歩み始めた世界なんだけどね。

 2回目の世界とは違うし実質異世界転生でしょ?ね?ね?」


(俺に聞くなよ…というか答えになってない。誤魔化すな。)


「んまぁ…ぶっちゃけちゃうとこっちにも目的があるのよ。ボクね、ちょっとしたプロジェクトを実行しようとしてるんだ。あ、君もこのプロジェクトに参加してもらうとかそういうのじゃないよ。

 ともかく、このプロジェクトを行うためには君にどうしても転生してもらう必要があるんだ。それに、転生すれば君を満足させられる強者とも会えるかもしれないでしょ?悪い話じゃないと思うんだけど…。」


(…良いだろう。)


「…うん、だよね…やっぱそうそう良いなんて言ってくれるわけ…って良いの!?やった!あ~良かった。」


(…本当になんなんだお前は…。)


「まぁ、ほら!ともかくともかく!異世界転生定番のスキル選びだよ!

 というわけで好きなスキルを2つ選びたまえ!

 おススメはその世界の言語とかを操れるようになる『賢なる者(ウィザード)』なんだけど、君は元々最初に生を授かった世界だから必要ないか。」


(…何がいいだろうか…って、なんか自分の名前があるな…。)


「んまぁ…なんだかんだで君、有名だからね。それを取っておくかい?」


(…少し恥ずかしいが、自分の力だしな…さて、次はと…

 人脈EX…幸運EX…運命の導き(ディスティニー)

 強者に出会えそうなスキルはそれなりにある。どれが一番いいか…


 …うん?このスキルは…)


「え、それにするの?強者に出会うのにあんまり関係なくないかい?」


(いや、これが良いんだ。『出会う』んじゃない。『出向いてもらう』んだ。

 このスキル…『ダンジョンマスター』でな。)


「逆転の発想ってやつかい。やっぱすごい人だね、君は。」


(お世辞は良い。決まったんだ。さっさと転生させろ。)


「あ~ハイハイわかったわかりましたよもう。

 いきなり人使い荒くなるなぁ別に良いけど~。」


(いきなり拗ねやがったコイツ…)


「いいよもう、気を取り直しましてと!君がどんな物語を(えが)いてくれるか今から楽しみだよ、『ムラクモ』…。」





 今ここに、英雄とも邪神とも呼ばれた男の新たな一歩が踏み出された。

 それは同時に、その世界の新たな波乱の幕開けを意味していた…。






 転生者

 名前:ムラクモ

 称号:なし

 ランク:不明

 所持スキル:【ムラクモ】

 【ダンジョンマスター】

 装備:なし

???「さて、第0話終了だねムラクモくん!」

ムラクモ「いや、それは良いからさ。するんだったらさっさと転生させてくんない?」

???「もうちょっと待ってよこれ終わったら次のボクの出番が大分に先になるんだから。」

ムラクモ「0話からそういう話題ぶっ混んでくるのかよ!?」

???「完全メタ空間のあとがきだし良いでしょ。…良いよね?」

ムラクモ「俺に聞くなよ…。」

???「というわけで次回!『第1話 出会い』!ボクとの出会いは一体何十話になるのかなぁ…?」

ムラクモ「割と切実なヤツだこれ…。」

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