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きっかけは些細でも、その代償は大きい

作者: ひつじ

いつもながらの思い出話です。

暇だったら目を通してください。

今回は強引に2000文字にしてみました。(本当に強引にです)

 僕は国語が嫌いだ。中学生で嫌いになった。子供が勉強を嫌いになる理由には諸々あるが、その典型的理由でその教科が嫌いになり、国語の成績が落ちた。


 中学二年の夏休み。読書感想文の宿題で悩んでいた。その頃はショートショートが大好きで、時間の隙間があればページをめくる。日々の行動の途中に挟まれる読書が、時の隙間を埋めるペーストになっていた。だからこそ、すぐにオチがつくショートショートが丁度良かった。気が多く、落ち着きのない生活のリズムに、ピタリとはまっていた。

 夏休みに入ってもその読書パターンは変わることがなく、堪え性のなくなったその癖は、長編の読破など考えられない。中編でこそ怪しい。読書感想文向けに選ばれた推薦図書ですら、長く感じられる。その中でも、何とか読めそうなものを選び、感想文を書くためにページをめくり始めたのはいいが、どうしても内容が入ってこない。数ページごとに途切れ途切れになってしまい、読み返すことが多く前に進めない。

 夏休みの中頃にあった集団登校の日、副担任だった国語の担当教師に読書感想文について相談をした。

「読書感想文なんですけど、どんな本を読んで書いてもいいんですか?」

「うーん」

 教師のこの反応は日頃の僕の行動に起因する。日頃何かと屁理屈の多い僕の言動に、先手を打とうとしているとしていたのだと思った。

「漫画とか、絵本や百科事典、辞書なんかはダメだよ」

「そんなの読んでも書けませんよ」

「それと、研究書や論文もダメ。君がそんなの読むとは思えないけど、ダメ」

「それも、わかってますって」

「中学生らしい本を読んで書けばいいのよ。そうね、教科書に載っている作者が書いたものとかから選ぶといいわね」

「なるほど。そうですね。そうしてみます」

 先生に訊いて良かった。何とかなりそうだ。やっぱり相談して良かった。

 僕は国語の教科書に読んだことのあるショートショートが載っていることを知っていた。その一編が載っている文庫本を持っていた。これで読書感想文が書ける。宿題が一つ片付いたのも同然。

 とはいうものの、短い一編から原稿用紙何枚も書くのは大変。そこで先生の言っていた「本を読んで書く」という言葉を思い出した。そうだ、「本」を読んで書けばいいんだ。僕は持っている本の中から「自選集」を選び感想文を書くことにした。

 決まれば簡単。本の中から印象に残ったストーリーをいくつか選び、それについての感想を書き、集められた作品から編纂について思うことなどをまとめ書き上げた。

 夏休みが終わり、始業式後のホームルームで宿題の提出をする。そこで感想文も集められた。

 二学期が始まって最初の国語の授業が終わった直後に、僕は教壇まで来るよう呼ばれた。

「読書感想文として提出してもらったこれなんだけど、これ何?」

「え?」

「こんなの読書感想文じゃないわよ」

 そう言われると同時に、原稿用紙を突き付けられた。突き返された。

「でも、本を読んで書いたんですけど。教科書に載ってる作者の本なんですけど」

「バカにするものもいい加減にしなさい」

「…………」

「もしこの本について書きたかったら、一編に絞って書きなさい。書き直しなさい」

 わけがわからなかった。先生が何を言っているのか理解できなかった。教卓に置かれ、濡れた洗濯物のようにパンパンと叩かれていた原稿用紙を引き寄せ丁寧に四つに折った。

 先生の言う通り、教科書に載っている作者の作品を選んだ。本を読んで書いた。何がいけなかったのかわからない。僕は書かなかった。読書感想文の宿題は提出しなかった。三年も担当教師が同じだったのでの夏休みの読書感想文は出さなかった。書くだけは書いた。でも、提出はしなかった。

 その後この先生の、現国の授業中に指名されても「わかりません」としか答えなくなった。中間・期末の試験では、文章から読み取れる作者の思いだの、主人公の気持ちなどには一切答えなくなった。白紙のまま提出した。もちろん実力試験や入試の時も。副担任だった彼女に廊下で呼び止められ、どうして答えないのか、なぜ答えを書かないのか、何を考えているのか、そう問われることがあったが、「僕の行動から考えてください。読み取ってください。それが僕の本心でなかったとしても、あなたの答えが正解です」と言って取り合わなかった。もちろん成績は下がった。

 僕は国語の教師が嫌いだ。僕は国語が嫌いだ。


 高校でも同じようなことがあった。現国の授業、教壇に一人ずつ上がり、一句の俳句を解説し、その感想を発表する。そんな授業だった。で、僕の順番。解説の時は何も言われなかったが、感想を話し出した途端に、教壇の脇で出席簿を広げていたR先生は、怒りを含んだ表情と声を持って僕を教壇から降ろし、次の生徒に発表を促した。その時僕に向けられた言葉は、「その感想は間違ってる。もういい。下がれ」だった。

 僕は国語の教師が嫌いだ。だから僕は国語が大嫌いだ。

相変わらず拙い文章ですみません。

そんなものでも読んでいただいた事に感謝いたします。

「先生を嫌いになってはいけない。絶対にその教科の成績が下がる」

中学の入学前に数人の従兄弟から言われたにもかかわらずの行動は、バカですよね。

だからこんな文章しか書けない、あの先生でさえなかったらもっと勉強したのに、なんて全部言い訳と自覚しています。

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