これが物語の始まり。
ふと気付いたメール。
突然の告白。
[ずっと前から好きでした。]
ありきたり、かつ、斬新で真剣な言葉。
[もしよかったら付き合ってください。]
押し付けない優しさは美しく心に響く。
なにより驚いたのは自分自身の心持ちであるが、至って平常心なかんじ。
差出人は長瀬。
長瀬愛佳だ。
俺ば2組で長瀬は4組。
確かこの子と面識はなかった気が、、、。する。
確実に。
好きな人も居なかった。
ましてや好かれた人も居なかった。
そんな自分への千載一遇のチャンスといっても過言ではなかった。
「こちらこそ、よろしくです。」
何と無くの返信だが、いいか。
失うものなんてものもないだろう。
いつだって軽い気持ちは報われない。
今にも爆発しそうな心の暇時間。
[ありがと。学校で待ってるから明日4組来てねー]
、、、一夜明け。
やはり特別なことがあると、人は変わるらしい。
遅起きな自分が珍しく6時起きした。
昼間は暑いためか、夜は特に冷え込む田舎。
まぁ、部屋の窓を閉めれば良いのだが。
登校もいつもの山の緑もやけに青々と見える。涼しくなってきた。
なんだろう、とても遅い時間が流れて放課後になった。
「初めまして、だね?分かる?」
昨日のメールの人は、はにかみながら言葉を放ち、口元は柔らかく微笑んでいる。
、、、。可愛い。身長こそ少し高いが顔立ちと髪型から可愛い。
「んー、、、微妙。」
・・・照れ気味の自分。
「昨日のメールの通り、、、付き合って?」
「もちろん、いいけど・・・なんで呼び出したん?」
「そりゃー軽く見られたくないからー」
語尾に音符の付きそうな口調で少し恥ずかしがる。
「りょーかい。じゃ、よろしくー」
そこからは、二人で行動するでなく別々に帰った。
まぁ、初日なら当たり前といえば当たり前か。
友達に自慢したいけど、バレるのはやだしな。。。
夜、付き合っているということがようやく理解出来て世界が明るく見えたのはいうまでもないが、、、
寝れなかった。
ありがとう長瀬。