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青空と窓
ー少女サイドー
また目が合った
図書室の窓から見える弓道場
そこで弓を引くのは同級生の男の子
名前は…分からないけど
小柄だけど力強く弓を引く姿に次第に惹かれていった
名前もクラスも知らない
でも、放課後のこの時間に目にするこの光景は私にとっての安らぎ
男の子は苦手なのに
なんだか風に当たりたくて窓を開けた
肩に掛かっていた髪が風になびく
でもそんなことも気にならない
雲ひとつない青空の色に染まった私の目には名前も知らない男の子
その子のことをもっと知りたいと思った