違和感の原因
「これが人里なんだ……」
「ほら~早く進むわよ~」
「あ、待ってよ」
椿達は人里の入口に到着していた。
椿は人里の予想以上の大きさに阿呆けていた。
そんな様子を見た逆泣はクスリと笑い椿を誘導した。
少し進むといろんな店が建ち並ぶ大通りに出た。
またもや椿は動きを止めた。
「も~椿。確かに~いつものうちらじゃ~見たことへんモンばかりやけど~そないに~阿呆けてばっかりじゃおもしろないで~」
「あ、いやごめんね。ちょっぴり人って凄いな~て思って」
椿は前から変だと思っていた。いくら何でも発展し過ぎだと。
そしていざ自分の目で確認してみるとそこは技術が前世界よりかなり上なのだ。
ここは自分が知っている世界なのか、急に不安になってしまったのだ。
逆泣に声をかけられて思考中から目が覚めた時、逆泣に心配かけまいと普段の自分に装った。
「でっしゃろ。うちも~初めて来やはった時に~椿とおんなじ事しいやたわ~」
「逆泣も人のこといえないじゃん」
「なはは~そないやね~」
椿と逆泣はともに笑いながら大通りを歩いていた。
大通りを抜けしばらくすると公園のような広場に着いた。広場では、子供達が遊び回っており大人も多くいた。
椿達も広場のベンチに座った。
「あーすごかった。後は美味しい食べ物を探すだけね」
「やっぱり探すんね~やてなにを食べるんよ~うちも案内はでけるやけど~オススメはわからへんわ~」
「大丈夫だよ。それは自分で捜してみるから」
「あなた~お金ないでしょうに~」
そこで気づいた椿。お金のことを思いっきり忘れてたのだ。
逆泣にしても妖怪には金の概念がないため椿が持ってないことをわかっていた。
お金をどうしようか椿が考えたとき声をかけられた。
「あら、懐かしい顔がいるわね」
「あ~永琳やん。今日はお散歩やと思ってきてみたんよ~」
椿は知らない人物に警戒していた。それをみて逆泣が警戒を解くようにいう。
「彼女は八意永琳と言うてうちの知り合いよ~。で永琳、こっちゃ椿っていってうちとおんなじ存在の友人なんよ~」
「どうも、八意永琳よ。よろしく」
「・・・・・・椿です。よろしく」
「そないに警戒せんでも~」
言われても椿は警戒をやめなかった。逆泣の説明の中に同じ存在と言ったからだ。
つまり、永琳は逆泣の事を妖怪と知って話しているのだ。
「こんなとこもなんだからお店に入らない?。近くに美味しい料理を出してくれる店があるのよ」
「行く」
椿は先ほどまでの警戒はどこ行ったのか即答で答えた。どんな時でも食べ物を優先する椿だった。
「あ、あらそう。じゃあ行きましょうか」
「でもお金無い」
「大丈夫よ~永琳が出してくれるから」
「毎回毎回宛にしないでくれるかしら」
「そない言っても結局出してくれんやろ~」
永琳はそうね、と言いながらお店に案内した。
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