祭りは始まる
神がいないという噂を聞き、とある集落に集まって来る者がいる。
月夜が照らす、道を彼らは集まってきた。
彼らは集落の人間を食べに来たのだ。
彼ら『妖怪』は神がいない内に来たが、故に知らなかった。
神より恐ろしい存在がいることを。
そして、自分たちの行く末を。
「ふふふ、人間どもめ。残りの平和を噛み締めるがいい」
「着々と集まってきた同胞は既に二百を超えた。神が居なければこんな所、全て消してやる」
「行くぞ!お前ら!残さず食らってやれ!!」
先導を仕切っている妖怪が、他の妖怪達を仕切る。
それに合わせて皆、声を荒げる。
士気は上がっていき、ついに妖怪達は動き始めた。
二百に登る妖怪が一斉に押し寄せてきたのだ。
本来なら、神奈子が結界を張っており、妖怪はその結界を超えることができないのだが、今はその神奈子は不在であり、結界の力が弱まっているのだ。
集落まであと少し。
そんな時、岩が降ってきたのだ。
「な!どこから降ってきた!」
軍勢の前にいた者は、降ってきた岩の下敷きなり、無事なものも降ってきた衝撃で吹き飛ばされる。
突然の出来事で慌てるものが出てきたが、力のある妖怪は冷静に見ていた。
「これだけのものを投げれる等と、人間ではないな」
「正解だよ。悪いけどここから先は行かせないよ」
岩から声が聞こえてきた。
正しくはその向こうからだが。
「って、これ邪魔だな。せぇの」
聞こえた瞬間、岩が砕かれた。
中心からヒビが入り、そのまま崩れていくのだ。
岩を簡単に砕くことのできる者など妖怪の中では限られてくる。
力あるものは既にその正体に気づいていた。
「なぜ此処に鬼がいるのだ?」
「さぁね、私はただ先生に付いてきただけだからねぇ」
「巫山戯るな!なら何故、我らの邪魔をする!」
「それはアンタたちが邪魔だからだよ。何にせよここは通さないわ」
「ふん!たった一人で何ができる」
「誰が一人よ。ねぇ幽香、いい加減準備終わった?」
「バッチリ。てゐも上手く運んでくれたし、早めに終わったわ」
岩の陰からもう一人、姿を現す。
その女性はクルクルと傘を回しながら現れた。
「なに、その傘。どっから拾ってきたの」
「種を植えてたら、よくわかんない奴が出てきて、そいつから奪、貰ってきたの」
「言い換えなくてもいい。それでよくわかんない奴って?」
「勇義みたいな金髪だから飛び蹴りかましてきた。あ、間違えた。勇義だと思って蹴ってきた」
「だから言い換えなくていい!しかも私だと思ってだと!てめぇ!」
「別に怒らなくてもいいでしょ。後で蹴ってあげるから」
「そんなのいらねぇよ!おめぇ喧嘩売ってんのか!」
「いいわよ買ってあげる」
「こっちのセリフだ!」
二人は互いを睨めはじめ、妖怪達の事など眼中にない様子だ。
その態度に一部の妖怪は、自尊心を傷つけられたのか、二人に攻撃をし始める。
「邪魔」
「すんじゃねぇ!」
二人が腕を振るうと、攻めてきた者を大半吹き飛んでいく。
その光景に力あるものは認識を改める。
見かけによらず力のある二人に警戒を強めたのだ。
「めんどくせぇ。おい幽香」
「なによ」
「こいつら倒した数で勝負しよう」
「そうね。先生の命も従ったことにもなるしね。いいわ、受けて立つ」
「よし。おい!てゐ!いるんだろ。数を数えてくれ!」
「ええ!また!しかもこんな時に!」
そう言いながら、てゐは渋々了承する。
いつものことだからだ。
どうせ押し切られるか、脅されるかなのだ。
ならば諦めて直ぐに折れたほうが楽だ。
その考えを出したてゐは、遠い目をしていた。
「だから巫山戯るな!」
自尊心を抑えられた妖怪も、流石に遊び半分で戦われることに切れ、襲ってきた。
「一応、名乗ってあげる。私は風見幽香」
「私は星熊勇義」
「「近衛椿の弟子だ!!」」
「私は違うけどね」
幽香と勇義はそれぞれ構え、その群の中に入り込んでいった。
その頃、幽香が見つけた者は。
「痛ぅ、なんなのよもう。ああ!私の傘が無い!あいつ何処に行ったの!絶対に見つけてやるんだから」
その者は指を宙に指を添えると縦に動かす。
すると指を動かした後に沿って線が入り、スキマが開く。
「ふふふ、覚えてなさい。この私を怒らせたことを後悔させてあげる」
その者は自分が開けたスキマに入り、姿を消した。
ちょっとがんばれた。
早めにスランプを向け出して、いつもの椿を描いていきたい。
では、また来週に




