修行段階レベルアップ
32話にて幽香が優香になっていることをご指摘されました。
ご指摘してくれ方。ありがとうございます。修正14/01/29にて致しました。
鬼の里を出て、数週間。
幽香と勇儀は二人で、椿を攻めていた。
あれから毎日のように修行を重ねてきた。
今では、呪具を着けていても普段と変わらない動きになってきた。
「ほらほら、もっと攻めてごらん」
「ちぃ!」
「焦らないで勇儀!」
幽香が自家製植物で椿の動きに制限をし、勇儀がその隙を狙いながら戦っていた。
けれども、椿は止まらなかった。
いくら植物が体に巻き付こうとも、勇義に攻め込まれようとも、椿は諸共せずわざと攻撃を受けていた。
それはこれが修行だからだ。
それがどんな連携か、攻撃か、戦法か。
実感し、体感し、理解してもらう。
それが椿の教え方だ。
なお、わざと攻撃を受けるのはそれら攻撃の受けた感想を言うためだ。
「ちょっと味見してみた」みたいなノリで椿はやっている。
閑話休題。
「おっと、その手は食わないよ」
「それはどうかな?」
勇義が取った手段は、自身の拳を餌に椿を捕まえ、その後幽香が光線を当てるというもの。
もちろん、椿を抑えている勇義も巻き込んでしまうが、それでもこの作戦を実行しようとしていた。
「だから、その手は食わないって」
「なぁ!」
「ちょ、先生!どうして植物が効かないの!」
勇義が殴ろうと近づくと、植物が椿から離れ枯れてしまったのだ。
その光景を見た勇義と幽香は驚愕し、動きを止め椿の動きを警戒した。
「なに、簡単だよ。私がこの能力を使っただけだよ」
すると、椿の頭にピョコ、と毛が付いた耳が現れた。
また、腰辺りにも白、黒、灰の三本の尻尾が生えてきた。
椿は狼の力を発現したのだ。
「この時の能力は性質を変化させることができるの。この能力で幽香の植物が持つ性質を変えさせてもらったわ」
「そんなことが……」
「うん、出来る。私からこの力を引き出すことができた二人は確実に成長している」
簡単に自分の力を打ち破られたことに落胆するも、それだけ椿を追い詰めることができたことに二人は喜んだ。
「私もビックリだよ。ここまで追い込まれるなんて思わなかったよ。ってことでレベルアップします」
「「へっ?」」
次の瞬間、椿の姿は消え、幽香の目の前に現れた。
「!?」
「幽香!」
幽香は咄嗟に貯めていた妖力の光線を放出した。
椿はそのまま、光線に包まれた。
だが、この程度で椿がやられると思ってない幽香は勇儀の元へ素早く移動しようとする。
その時、幽香の両肩を抑える者がいた。
光線を放ったことで発生した煙の中から、その手は現れた。
幽香は慌てて、その手に向かって妖力弾を放った。
妖力弾の勢いで煙は晴れた。
しかし、そこには誰もいなかった。
だが、幽香の肩には手は置かれたままなのだ。
そこに勇儀は叫ぶ。
「幽香!上だ!」
「遅いっよ!」
椿は幽香の肩の上にいた。
逆立ちのように肩に乗っていたのだ。
そしてそのまま落ちるかのように幽香の腹を目掛けて膝を振り下ろしてきた。
「かはっ!?」
「幽香!」
幽香はその場にうずくまり、腹を抑えながら嗚咽し始めた。
どうやら溝に決まったようだ。
「う・・・おぇ」
すると幽香は嘔吐した。
しかし、出てくるのは胃液ばかりだった。
もう何回目だろうか。
嘔吐物の酸っぱい匂いを嗅いだ幽香は顔を歪める。
「幽香!大丈「よそ見の暇はありませーん」がはっ」
勇義は幽香を心配して近づこうとする。
が、そこを椿は攻める。
後ろに回り込み、勇義の背を蹴る。
勇義は受身を取れないまま幽香の近くまで蹴飛ばされてしまう。
「今日はここまで。ってことで夕飯採ってくるね」
椿は修行を終われせると動けない二人を置いて、食材を取りに行ってしまった。
椿が居なくなって二人は少し体を休めた。
しばらくすると体が動かせるようになり、二人は川辺に向かい汚れた体を洗い始めた。
「痛っー、ったく少しは手加減しろっての」
「先生、今日も厳しかったわね」
水で顔を吹きながら幽香は言う。
「でもレベルアップできた」
「ああ、ようやく次に勧めたな」
長いようで短い数週間。
今日まで、椿は人間として戦っていた。
それでも手も足も出なかったがそれが今日、始めて椿に能力を使わせることができたのだ。
二人にとってとても大きな一歩になった。
「まあ、アレは私と相性が悪すぎるんだけど・・・・・・」
「それは同感だぜ。まさか植物をそのまま違う植物に変えてるとは思わなかったぜ」
「アレじゃ私の能力が全く生かせないわよ。どう対処しましょうか」
二人は対処方法を考えてはため息をつく。
どれも有効打になりえないからだ。
そんな時、二人を見ている者がいた。
ガサガサと音がし、その物音で幽香が振り返るとそこには人間がいた。
「た、助けてくれ。妖怪に襲われているんだ!」
「妖怪に?」
勇義は振り向かず、幽香だけで人間と話していた。
見た目人間に見えても勇義には立派な角があるのだ。
そんな時に自分を見て騒がれても堪らないと思い、勇義は幽香に任せたのだ。
最も、人間たちの思惑にはとっくに、二人には分かっていた。
そして、その人間たちで憂さ晴らしをしようと思った二人だった。
ちょっと長めに作れて満足。
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とっても驚いています。
これまで読んでくれた皆様ありがとうございます。
これからも食道楽をお楽しみください。ではまた来週に




