歩みだした一歩
鬼はレギュラーにするけど名前どうしよう。
景色が変わり果ててしまった。
緑豊かだった山はえぐれ、心地よい風が吹く平原は荒れ、人がいた都市は消滅した。
鬼によって造られた疑似妖怪や本物の妖怪もいなくなってしまった。
唯一無事であるのは猫や狐たちが張った結界がある所、いやあった所だけだろう。
最後、結界はすべて壊れてしまい、猫たち諸共、爆風に呑み込まれていた。
だが、猫が呼んだ、正確には椿が呼んだ少女が助けてくれた。
「お前は誰や?」
逆泣が少女に問う。助けてくれたが味方とは限らない。
ましては逆泣の傍には葵が寝ている。
葵を守るため、逆泣は警戒をしているのだ。
「怪しいものではないです。私は天之時織姫神。気軽に姫と呼んでください」
「な!?」
「なんで神がこんなところに!」
逆泣は驚き、鬼も驚きのあまり叫ぶ。
神という存在に会って、聞いたことしかない二人は警戒を強めてしまう。
「あ、待って待って!警戒しないで!私怪しくないから!って警戒強めないで!」
会ったことがない為、対処の仕方がわからず、戸惑ってしまい何言われようが警戒を強めてしまう二人。
姫は警戒を解いてほしいのか説得する。
何度も説得し、ようやく二人は警戒を解く。
最後は姫の泣き脅しだったが……。
「よ、ようやく、聞いてくれ、くれますね、」
目をうるわせながらながら二人の方を見る姫。
「す、すまんなぁ。神なんてうちあったことなくて警戒してもうた」
「俺も謝る。すまねぇ」
「いいんです。それより母様はどこに?」
逆泣も鬼も謝る。
姫は気にしておらず、二人を許す。
そして姫は母様を探す。
「母様って誰のことだ?」
鬼は聞く。
神の親など、ここにいるはずがないからだ。
それでも姫は、あたりを見渡す。
「あ!母様見つけた!」
姫は走っていく。
逆泣も気になったのでついていこうとし、葵を猫に任せようと振返る。
だが、そこには猫たち全員がいなかった。
「あいつら、どこに消えたんや」
「もう私の中に帰ったよ逆泣」
逆泣は振り返る。
そこには、友の顔。友の声。
「椿・・・・・・」
近衛椿。
逆泣の大事な友人。
「なによ、幽霊じゃないわよ。生きてるわ。本物よ」
「づばぎ~」
逆泣は泣きながら椿に抱きついた。
今まで泣いている所をあまり見ないため、戸惑う椿。
「ちょ!何!逆泣らしくな!泣いているなんて」
「うるさいっ!うちかて、泣くときは泣くわ!」
「分かってるよ」
椿は笑う。それにつられて逆泣も笑った。
「母様、良かったですね」
「あの、俺のことは?」
姫は自分の母が笑えていることに嬉しくなる。
鬼は蚊帳の外のように放置されている。
ここから神一人、妖怪三人、人間一人の
新たな物語が始まろうとしていた。
ようやく第一章が終わりました。
次からは第二章【神の標】です。
お楽しみに




