新しい歴史
空が光ると共に大きな音がした。
逆泣は思った。
人間は自分たちの里を破壊する気でいる。と
「なるほど。だから二人は急いでいたのね」
猫はつぶやく。近づいていたのを知っていたようだ。
次々と椿に似た何かが集まってくる。猫や狼のような存在なのだろう。
「どうしたの鷹、海豚」
「人間が爆弾を使ってきやがった」
爆弾?
逆泣は分からなかった。それでも二人の慌てようから、とてつもない物だろうと考えた。
だが、逆泣、鬼以外の反応は静かなものだった。
「てかなんで鬼がおるんや。主犯やで」
「そのまま、連れてきてしまった。気にしないでくれ」
「いや、かなり居づらいのだが」
鬼自身も居づらそうに言う。
置いていくのも忘れるほど焦っていたのだ。
すると、猫や狐が結界を張り始めた。何重にも何重にも、結界を張り巡らした。
「そろそろだよ」
鷹が言う小さな声。しかし、みんなには届いていた。
そしてそれは来た。
「なっ!」
結界内というのに内部に響く衝撃。
いくらなんでも里一つを破壊するには強すぎる破壊力。
既に結界は何枚か壊されていた。
「なんて威力なんや」
「これがあの人間たちが作った爆弾か」
「猫?」
猫が小さく呟いたのを逆泣は聞こえた。
まるでどんなものなのか知っているかのように。
「まあ、知っている破壊力より少し強すぎるね」
「いや、少しどころじゃないわよ。私の猫の結界が壊されるってどんな威力なのよ」
焦った顔をしながら、狐は言った。
「そんなの分かっている。そして、かなりまずい状況だってことも」
「どうまずいんや」
逆泣は、恐る恐る聞いてみた。
「このままだと、結界が全部壊れる」
分かり切っていた。
今、この時も結界が壊されている。
だが、爆風はいまだに途切れない。
「妖怪もまとめて壊す気なんだよ。だから過剰すぎる威力なんだ」
猫が冷静に説明する。それに鬼は絶句する。
「なんだと!だったらあいつらは……」
「たぶん、いや、すでに塵と化しているだろう。どうすることもできない」
狼が答える。鬼が助けるつもりだった妖怪は、爆風により消滅していることを。
遅かれ早かれ、妖怪たちは人間の手で消される運命だったのだ。
「どうすれは助かるんや。うちも手を貸す」
逆泣は猫に聞く。
手がないはずがない。助かる道はあるはず。
未知数の力を持つ猫たちに希望を託す気なのだ。
「手は確かにある。けど、成功率低いよ」
「手があるんやら試す価値はある。教えてくれ」
「わかった。けど期待しないで」
逆泣が首を振ると、猫は手を動かし、妖力を込める。
そして。
「ここにいるよ。姫」
それは、逆泣がいつも聞く椿の声だった。
あたりは光に包まれる。
どれくらいだろうか。
逆泣が目を開ける。
そこには結界も爆風もなく、ただ、焼け野原が続いていた。
そして、そこに立っている一人の少女の後ろ姿。
やがて、少女はこちらを向く。
「お久しぶりですね。母様」
次週、新たな展開に乞うご期待!
あと、鬼はレギュラーにしていいのかな?
名前すら決まってないから募集してもいいんだけどね。




