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東方食道楽  作者: みかん
第一章【最初の軌跡】
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複数の守護

「じゃあ、私が葵を治療するから、狼は護衛をお願い」


「了解した。全力で守る」


「鷹は、葵を撃った人間の目星を付けてくること」


「……(コクリ)」


「他の、鼠、蛇、狐、海豚は妖怪の殲滅をお願い」


「じゃあ、ここのいるの全部食べていいんだよね?お腹ペコペコなんだよ。早く食いたいよ」


「分かったわ。生き残しなんてさせないわ」


「了解よ~さくっと終わらせるわ」


「ん~面倒くさっ。けど仕方ないし、狐と同じくささっと、終わらせて寝てるわ」


様々な椿が、椿同士で会話している。

そんな光景に唖然としている逆泣と葵。視線を戻すと椿がいた場所には、黒い球体が浮かんでいた。

完全な黒ではないため、目を凝らしてみると椿の姿が見えた。

だがその姿は葵には見たことのない姿だった。


「姉様に尻尾がない?」


今の椿には尻尾や耳、腕に毛が生えてなく、普通の人間の姿をしていた。

その姿に逆泣は見たことがあるため、特に違和感を持たなかったが、疑問が残った。


「なんで今、人間の姿になっとるんや?」


逆泣が疑問に思ったのは、今、人間の姿にいること。

今この時に、人間の姿をしているのが疑問だったのだ。

そんな時、後ろから声をかけられた。

逆泣が後ろを向くと、いたのは、自分と同じ、猫の耳や尻尾が付いている椿だった。

「説明は後でします。まず、葵の治療を」


猫のような姿をした椿は、手を葵の翼に触れ、尻尾の先についている鈴を鳴らす。

すると、椿の手に淡い光があふれ始め、葵の翼を包む。

包まれると、葵の顔色が少しずつ良くなっていった。


「葵…」


「痛みが引いていく・・・・・・」


「これなら」


治る。

術式が解け、無事全快することができる。

逆泣はそう思った。


「安心するのは早いです」


猫耳の椿がそう言った。


椿:猫時の能力:癒す程度の能力


「私の能力では、完治はできません。私の能力は癒すことはできても治すことはできないのです」


「それは、どう違うんや?」


「あまり変わりません。でも完治はできないのです」


「なら、一歩手前まででも、治してくれればあとは自分で・・・」


葵の問いに首を振る椿。


「元の原因を取り除かないと意味がないのです」


まだ、葵の翼には退魔の術式が残っている。それをどうにかしなければ、葵は死んでしまうのだ。


「これがある限り完治は愚か、生きることなんてできません。私の能力も進行を止めるので精一杯です」


「じゃあどうすればいいんや!」


逆泣は焦る。自分の大事なものがいなくなるのは嫌だからだ。


「方法は、いくつかあります。けれど実行可能なのはひとつだけです」


「どんなものですか?」


「簡単です。翼ごと術式をそぎ落とすのです」


「いちびるな!」


逆泣は声を荒げる。


「事実です。他の手では現状不可能なのです」


「他の手とは一体・・・・・・」


「まず開発者、あるいは術者に解いてもらうこと。ですがそのどちらも、もうロケットに乗車しています。次に術式を長い時間をかけて自力で解くこと。これは術式自体が妖力を浄化するものなので、短時間でどうにかしないといけません。他の方法も似たような感じで無理なのです。よって、確実で実行可能なのが、翼をそぎ落とすことなのです」


翼をそぎ落とす。

それは葵に、天狗としての生き方をやめろと言っているのと同じだ。

逆泣は、それに怒り、それしかないことに、悔しんだ。


「その、方法しかないんですね」


「葵!」


「逆泣さん、いいんです。姉様は私が死ぬかもしれないと知ってああなってしまったのです。なら、私は生き残らなければいけないのです」


「でも!」


「大丈夫です。飛べなくなっても逆泣さんや姉様がいます。私は大丈夫です」


逆泣は、気づいていた。先程から葵の体が冷たく震えているのを。

術式が少しずつ進行し始めているのだろう。

時間がない。


「では、始めます。逆泣、体を抑えて」


「・・・・・・絶対に助けろよ」


いつもの口調を忘れるほど、逆泣は真剣だった。

椿は笑いながら、逆泣に言う。


「それは、あなたが分かるはずですよ。桜」


「お前!その名前を何処で!」


逆泣の言葉を無視し、椿は葵の翼を根元から、削りとった。

だんだんクライマックスになってきました。

逆泣の名前が出てきましたね。

なんで猫耳椿が知っているのかは、いつの日にかは解明しますよ。



あ、ちなみにHRが4にあがりました。

まだまだ上を目指していきますよ。

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