猫と鴉の奮闘
「どうやってここに来たのよ。今、厳重警戒中だから門から入れないと思うんだけど」
「そら、葵に上から連れてきてもろて来やはったんや」
逆泣は葵に頼んで空から入ってきたようだ。それでも警戒の中、どこから入ろうがすぐに見つかると思われるが。
「八意様。お迎えにあがりました」
「!!」
マズイ、と永琳は思った。ここに妖怪がいることが判れば、面倒いことになる。
どうにかしようと、顔だけでも迎えの者に出そうとするが、動くのが少し遅かったようだ。
静かに迎えの者が、障子を開ける。
「八意様、失礼しま・・・・・・や、八意様!?」
(しまった!)
言い逃れはできない。ならば口封じでも、と考えると。
「し、失礼しました!!」
と、言いながら障子を閉める。
永琳は何が起こっているのか分からず、首を傾げていると、迎えの者が再び謝罪してきた。
「障子越しで申し訳ございません。ですが!本当にすいませんでした!。まさか、着替え中だとは思いませんでした」
(着替え中?)
もちろん、永琳は着替えなどしておらず、どう見ても着替え中には見えない。
そんな時、逆泣が永琳に耳打ちをしてきた。
「えっと、そう言えと?」
「そうや」
「あ~と、ごめんなさい。もう少し待ってくださるかしら?」
「はい!玄関先にてお持ちしております!」
迎えの者は、そのまま、遠ざかっていった。
「ふぅ~何とか上手くいったね逆泣さん」
安堵の息をする葵。何が起こっていたのか分かっているようだ。
「何したのかしら、逆泣」
「なん、うちの能力を使ったやけや」
逆泣の能力:魅せる程度の能力
逆泣が自分で見せたい景色を相手に見せることができる能力だ。
これで、先ほどの迎えの者が勘違いしたのも、逆泣が着替え中の永琳を見せていたに過ぎないのだ。
「なるほど、逆泣は幻術が使えるのね」
「ちゃうで、うちのは幻術に似てはるかもしらんが全くの別もんや」
「そうなの?」
「そうや。うちのは、うちの能力を知らんと、受けたと思うことすらできないんや」
「確かに、高位の術者なら見分けることができる人もいるけど、逆泣のは全くの別物。解くことが出来ないのね」
「ん~、まあそんなもんや。けど、うちにできるのは限られとうから、意外と使い勝手の悪いもんやで」
「あれのどこが使い勝手が悪いですか。逆泣さんって滅多に攻撃が当たらないのはその能力で、相手に見せているだけでしょうが」
「さて、なんのことやろか」
「それよりも、どうしてこんなところに」
「ああ、それは妖怪が攻めてくる事を伝えるためにです」
「それなら聞いたわ。なんでも既に入口に妖怪が一匹現れたそうよ」
それを聞いた逆泣と葵は、ため息をする。
「あんのバカが。うかつなことしはる」
「どうしましょうか。永琳さん?、を送った後、すぐに行きますか?」
「え?、どういう事?」
永琳は聞く。自分の話が何に繋がっているのかを。
「里の入口にいはるんは椿や。永琳を妖怪から救うためにな」
「え?」
永琳には分からなかった。付き合いの長い逆泣ならともかく、今日、あったばかりの椿が自分を助けるため戦うのを。
それを読んでか、逆泣は話す。
「椿はな、ただ誰よりも、繋がりを大事にしてるだけや。永琳が思ってはるより大事にな。うちは椿の過去を知ってるから言えんけど、椿は永琳を大事に思ってはるから体をはるんや」
「・・・・・・」
永琳は今日だけの椿の顔を思い浮かべる。自分のことをどれほど大事に思っているかはわからない。
もし、会えるんのなら、永琳は考えた。
「ほな、急がんと奴らが来てしまうで」
逆泣は永琳の腕を引っ張り玄関に向かう。
「大丈夫や。永琳を送ったあと、椿のもとへ行くんやから」
「そうよ、心配は要らないわ。姉様はちゃんと守るから。だから、お礼の言葉を選んでなよ」
二人に押され玄関に向かう永琳。もとより荷物は既にロケットに積んでおり、向かうだけなので手ぶらで行ける。
椿のことは二人が守ってくれる。それでも心配な永琳は心に祈る。
椿。
頑張って。
そして、
ありがとう。
モンハン4って面白いね。あんまり進んでないけど。
もうすぐ第一章が終わりますね。
次章ではどんな展開にしようかな?




