離れ
ラバウル上空に達して高度1000mと一般的普通高度。
エンジンの音はいつも以上に変わっていて騒音が無い。
<<防弾性は前部風防は45mmで後部は8mmにはある程度ですが対抗可能。機体防弾は特殊な素材を入れており計量ながらも12.7mm弾の弾なら防げて、機動力は旧美貴型より上昇>>
もはや最新鋭。
出来る限り、連合軍に対抗できるように丙型と甲型の大量生産も欲しいところだけど私は大本営や上層部みたいに上ではない・・。
<<では機動力試験でユウコ少尉が相手となります。10秒間後ろを取り続けたら美貴さんの勝ちです。背後に接近、では始め>>
後ろを向けばユウコの四式戦闘機の機銃と機関砲を光らせる。
視界に四式戦闘機の姿を捉えたまま右手の感覚で操縦桿を下に降ろし宙返り技で後ろを取る。
丸裸の四式戦闘機も私の宙返りを真似しながら美貴型改を追うと宙が大幅に間が開いていた。
目を離し、射撃内に入れさせるため出力を落とそうと、コックを回し速度を一時的に落とす。
と、いつも以上に速度計の回る速さが早い・・。
「失速する!」
慌ててコックを戻すとブルンと1回転プロペラが回り何も無かったかのようにブーンと音を鳴らす。
機動力は前とは変わらないけどどうもエンジンには癖があるようだけど慣れれば大丈夫けどね・・。
四式戦闘機の尻を取り、そのまま光学照準機に収めたまま追尾を行い、10秒経過し機動力試験は私の勝ち。
「試験は機動力だけで良いです。後は敵に対抗すればそれで十分です」
<<了解です>>
<>
昼の格納庫に零戦美貴型改の再点検が開始された。
司令部に私とユウコを含め、台南航空隊の編入員数人とその他の腕持ちが呼び出された。
日本軍の戦勝が厳しくなるから1943年にかけて1945年までに太平洋決戦を実行するため一時的に帰国を命じられた。
残りの航空隊員は中国戦線、ミッドウェー海戦の生き残りで時間稼ぎを行う為らしい。
ユウコは断じて帰国を反対しラバウルに留まる事何とか説得をしたが大本営の命令と言う理由で反論さえ出来なかった。
今夜、飛行挺でラバウル海軍航空隊基地からニューギニア、フィリピン、沖縄、そして鹿児島航空隊へと経由の経由で向かう。
勿論戦闘機は輸送艦で約数週間、かけて鹿児島航空隊でユウコと別れて横須賀の二六○航空隊基地へ私は行く事となる。
<>