目次 次へ 1/23 プロローグ 「これが俺達の秘密の場所だよ。 家族にしか見せないんだ。俺達が本当に愛してる人しか、この場所には入れないんだ。 誰にも干渉されず、誰も俺達を知らない。 それが、この場所。」 少年の声が、薄暗い部屋に響いた。 その部屋の扉には、外から鍵がかけられていた。 窓の外には、夕暮れの赤い光が差し込んでいた。 埃が舞う空気の中で、その声だけが異様に鮮やかに残っていた。 やがて風が吹き、窓枠が軋む音が響く。 その音が、この場所の孤独さをより際立たせていた。