code・4
今日から零式に乗るための訓練が始まった、訓練内容は、実践式のシュミレーションと生身での射撃、格闘訓練、さらには体力トレーニングまであった、まるで生身での戦闘を想定しているようだった。
訓練所を出るとシュミレーター室からハナとレクスが出てくる。
「はぁ...あ!お疲れ様!!ミライ!」
「お疲れ様、ハナ」
「さっきまでヘロヘロだった癖に、いってぇ!?」
「レクスうるさい!そもそも何度もシュミレーションしてあげたおかげでしょ!!」
「あはは...」
「何をしてる」
「あ...」
「016さん」
「...」
016さんが急に出てきて三人とも静かになる。
「お疲れ様です」
「...」
016さんはもう何も言わず、この場から去ろうとする。
「...016さん、いっしょにご飯食べません?」
「食べない」
「ちょ!?待ってくださいよ!あ、ハナ、レクスまた後でね」
「...あ、うんまたね!」
「...え、おう」
016さんを追いかけ、一緒に食堂に行こうと誘うと思ったけど...016さんはこっちを見てもくれない。
「仲良くしましょうよ016さん」
「...」
「せっかく同じプラントの仲間になったことですし」
「...」
「そうだ!ハナもレクスも呼びましょう!!」
「...」
「...あ~えっと、016って呼びにくいじゃないですか、名前考えましょうか!?」
「もうやめろ!!」
「えっ...」
いきなり016さんが怒号をあげ、萎縮してしまう。
「お前は何も分かっちゃいない、仲良くする?名前をつける?そんなもの全て無駄だ!!お前らはどこまで楽観的なんだ!!」
「......でも」
「あ前が信用しているあの二人も、簡単に死ぬぞ」
「はっ!?」
「蟲獣どもの襲撃の翌日、隣にいたものがまた同じ食卓に並べると考えないことだな」
「......」
何も、言えなかった。それが正しいと、そう、思ってしまったからだ。
ハナも、レクスも死ぬのは...嫌だ。
気づけば016さんは居なくなっていた。
部屋に戻り、僕は長い間考えていた、016さんは仲間が死ぬことが怖いんだろうな、俺だって怖くなった。
そんな時、警報が鳴り響いた。
『蟲獣確認!!数12体!!東南に8足の獣型!空中に4体の虫型!!各員戦闘準備!!』
監視場にいた職員さんの声がプラント内に鳴り響き、操縦者に呼びかける。
格納庫に向かい、零式に乗る、前に乗った時より武装が増えている、バックパックにライフルと長刀、そして左腕にシールドが増えている。
シュミレーションは十分やった、行こう、零式。
「出撃します!!」
プラントの外に出ると蟲獣を確認した、数は情報通り12体、細長く大きなメガネをのようなものをした空中型蟲獣が4体、八本の大きな足を持ち大きな鼻を持つ歩兵型蟲獣が8体。
空中型は厄介な遠距離攻撃をしてくる、だからまずはあいつから落とす、狙いを定める。
『撃つな』
「016さん」
通信から016さんの声が聞こえる。
「この距離でそのライフルでは一撃で仕留めることは難しい」
「じゃあどうしたら」
「仕留める武装を使う」
気づくとプラントの城壁の上にハナのグローリア、スペルテチェアがいた、スペルチェアは大型のスナイパーライフルを構えてきた。
『空中型は087に任せる』
『了解!』
『107と098は俺と歩兵型をやる』
『了解』
「りょ、了解」
気づくとレクスのグローリア、ブラストバイパーがすぐそばにいた、そして零式とは真逆の漆黒のグローリアがいた、あれが多分016さんのグローリアだ。
『遅い』
そう言うと016さんは一瞬で蟲獣の距離を詰め、奴らが気づくより先に一体に大型ナイフを刺す、そしてそのナイフを引き抜き、一体仕留める、空中の敵が光を放つとすぐに貫かれる、ハナのおかげで空中型に気をつけなくていいからかなり派手に動いているようだ。
「すごい...」
『感嘆してる場合じゃねぇぞ』
「あ、そっか」
見てるだけじゃない、僕も戦うんだ、スラスターを吹かして蟲獣に近づく、ライフルで牽制し、十分近づいたところで長刀で砕く!
「よし!...あれ?」
気づくと周りの蟲獣は少なく、既に残り2体だけであった。
『ちょっと時間かかっちゃった』
ハナがそう言い、最後の空中型を仕留める。
『ちょこまかと!』
レクスが槍型の近接武器で最後の蟲獣を仕留める、これで全部だ...みんな強くない?
「みんなお疲れ様!」
「いい動きだったじゃん、ミライ」
「でもふたりの方が凄かったよ、僕なんも出来なかった...」
戦闘が終わり、格納庫に零式達を仕舞い、ハナとレクスと話をしていた。
「ちょっと外しちゃった...」
「でもおかげで戦いやすかったよ」
「おう、ハナのおかげだな」
「そ、そう?それを言ったらレクスだって同時に2体相手にしてたじゃん」
「え!?うそ、すごい!!」
「あんな奴ら楽勝よ!!」
「ミライもすごいよ!ちゃんと零式動かせてたじゃん!!」
「俺たちだと動かなかったんだよな」
「うん、動いて、良かった」
「おい」
そんな話をしていると016さんが俺を呼んだと思ったら急に殴られた。
「いっ!?」
「おい!!」
「何してるんですか!?」
「なんだ?あれは死ぬつもりだったのか!?」
「そんなわけじゃ...」
「お前がもしあそこで撃っていたらどうなっていたと思う!?プラントにも被害が出ていたかもしれないんだぞ!!」
「...」
「言ったはずだ」
「っ!?...」
「無能は、要らんと」
「こりゃ思いっきりやられたのう」
「笑い事じゃないですよ...博士」
今日は定期検診の日だったので博士のところに行くとさっき殴られた顔を治療してくれた。
「零式はどうだった」
「零式ってすごいですよ!!自分が思った方に動いて、まるで自分の体で動いてるみたいです!!」
「そうか、なら良かった」
「......博士、なんで016さんってあんなに厳しいんでしょうか」
「そりゃ決まってるだろ」
「え?」
「死なせたくないんだろお前らを」
「でも..
「お前の使命はそんなに楽なのか?」
「...でも」
「俺達は、強いよ」
「そう思ってもな、死はお前らのすぐ近くにいるんだぞ」
「っ!?」
「それとな、ここのプラントの前任者である016と同時に配備されたバーリアは
先日、全滅したと聞いている」




