ハンバーガーチェーンR池袋店がすごい!
(追記)お読みいただきありがとうございます。
3か月で“いいね”が1000を超えました! 僕のnoteに投稿した記事の中で最高にバズってます!
ぜひR池袋店をお楽しみください!
誰もが知っているあのハンバーガーチェーンRの池袋店がすごいことになっている!
Rのハンバーガー(実際にはちゃんと商品名がありますが…)は僕の大好物です。月に一度くらいのペースで、突然「R食べたい」という欲求がどこからか湧いてくる。そうなったら最後、頭の中がハンバーガーで占領されて他が入るスペースがなくなり、仕事も手につかない…自分でちょっとやばいと思います。
本来ならこの場で堂々と愛を語るべきなのですが、あえてRと記述しているのには理由があります。僕にはまったくそのような意図がありませんが、今から書く記事を読んでくれる人の中に、僕がハンバーガーチェーンR池袋店の従業員の方々を誹謗中傷していると誤解する人が出てくるかもしれないからです。(そのため、このRというのも実際のイニシャルじゃないんです。伏字のようなものだと思ってください。)世の中には自分の思い込みを他人の書いたテキストに投影する人が案外多いのです。トラブルを避けるためにも火種となりそうなものは取り除いておくに限ります。強調しますが、僕には一切誹謗中傷する意図はありません。だって、世の中で一番好きと言えるくらいRが好きなんですから!
池袋は大きな街です。Rは複数店舗あるかもしれません。ここではやはり特定を避けるためR池袋店とさせていただきます。(実際の店舗名はRの池袋○○店かもしれません!)
ディスクレーマーみたいな前置きが長くなったので、本題へ行きましょう。
と言いたいところですが、僕が感じた「ハンバーガーチェーンRの池袋店のすごさ」に共感していただくためには、前提として僕と同じ感覚を共有していただく必要があります。その感覚を共有できない方にとっては、僕がいくらハンバーガーチェーンRの池袋店の「すごさ」を熱く語ったところで、ゴミのような単語の羅列にしか見えないでしょう。そういう方にはすみやかにご退場いただけるのが一番です。ここまでお読みになったところで「くそおもしろくねえ」もしくは「時間の無駄」の一言で終わらせていただければお互い傷つくことも傷つけることもないでしょうから。
僕は常々思っていたことがあります。イギリス人やスペイン人が羨ましい!
なぜかって? 理由は彼らには自分の母国語が話されている外国があるからです。
言葉は共通でも、国が違えば文化は異なります。
僕たち日本人が持つことのできない、「自分と同じ言葉を喋る土地なのに外国」がイギリス人やスペイン人にはあるのです。
イギリス人が同じ英語圏のインドを旅行した時の感覚、スペイン人が同じスペイン語圏のメキシコを旅行した時に感じる感覚は日本人には決して味わうことができない。そう思っていました。これって不公平じゃないですか? 国籍ガチャのハズレか??
ところが、僕は見つけてしまいました。「日本語が話されている外国」を味わえる場所がすぐ身近にあったのです?
その場所こそ、あの誰でも知っているハンバーガーチェーンRの池袋店なのです!
さあ、ここからライブ感を上げていきましょう!
まず、R池袋店へ入ると、カウンター横のタッチパネルがお出迎えです。僕が知っている他のRの店舗はカウンターに店員さんがいて、タッチパネルの使い方で戸惑っている人には声をかけてくれます。池袋店は店員さんがカウンターに出てくる気配がありません。もしタッチパネルの前でまごまごしていても放置されます。(あるいは後から並んだ人からの冷たい視線を浴びるかのどちらかでしょう。)
無事タッチパネルで注文を積ませ番号の表示されたレシートを受け取り、席に向かう際にカウンターの向こうの厨房をチラ見すると、数人働いている店員さんはすべて外国人です。彼らが接客のためにカウンターに出てこない理由も納得です。彼らはお互い日本語で言葉を交わしながらとても忙しそうに動いいています。そして準備が整うとハンバーガー、サイド、ドリンクを並べたトレーを持って「128番の方、お待たせいたしました~」と声を張っているのです。
席に座り、ぼ~っと店内を見渡しているうちに、僕は異変に気付きました。客層は日本人と外国人が半々くらい、…なのにバランスがおかしいのです。
日本人は一人客か、二人組。二人組はカップル、女性同士、男性同士などいろいろ。僕のように一人で来ている客がスマホに集中して喋らないのは当然ですが、R池袋店では日本人の二人組も誰一人会話をしていないのです。二人で目配せしながら黙って周囲を見渡してこの独特の雰囲気を味わっているようにしか見えません。
一方の外国人客は3人以上の団体です。しかも最初は3人でもいつの間にか増殖し、狭いスペースに10人くらいが固まり、そろいもそろってよく喋ります。彼らの話す言葉は少なくとも日本語でも英語でも中国語でもない、僕の知らない外国語です。
つまり、R池袋店は客の半分が日本人なのに、客同士の会話がすべて、よくわからない外国語で行われているのです!
たまに英語オンリー、日本語禁止のカフェというものを見かけますが、R池袋店には日本語を使ってはいけない雰囲気など一切ありません。外国人の客は自分たちの母国語で会話に興じているので、日本人の客から日本語の会話が始まっても気にも留めないでしょう。それなのになぜか日本人の客は誰も口を開かない。もし僕の文章で伝わらないなら、ぜひ一度来てください!
やがて「130番の方、お待たせいたしました~」とマイクも通していない日本語の呼び出しが聞えます。すると、よくわからない言葉で会話をしていた外国人の一人がおもむろに立ち上がってカウンターに自分が注文したものを取りに行くのです。
その光景をしばらく眺めていましたが、誰一人、番号が表示されるパネルなど見ていません。誰もが日本語の「音」に反応して立ち上がっているのです。彼らは別の言語を話してはいるものの、全員が耳で聞いて日本語を理解できる人たち、ということになります。
時々、店員と外国人の客との間に言葉が交わされることもありますが、その時の言語は必ず日本語です。僕の目にはアルバイトの店員も、客の外国人も似たような肌の色に見えるけれど、彼らの間に僕の知らない外国語が交わされることは決してないのです。
まだ「外国にいる感」は伝わりませんよね? 安心してください、いよいよここからです。
今どき、店員もお客も外国人ばかりのコンビニなんて珍しくもないですよね? そんなコンビニに行っても「外国に行った感」などまったくありません。周りに一人も日本人がいなくてもコンビニの中の空気は絶対に日本です。
R池袋店は違うんです。
僕が座った席は、たまたまエアコンの風が直に当たる場所でした。丸めた紙ナプキンを置いたら風に飛ばされてしまい、1メートルほど離れた床に落ちました。立ち上がって拾おうとしたところ、浅黒い肌の外国人の男性店員が嬉しそうに両目を見開きモップを押しながらサッとこちらに近づき、床に転がった紙ナプキンをさらって行きました。
僕の近くのテーブルでおひとりさまの女性客がポテトを一本落とした時も、彼がすっと現れて、ささっと床をさらっていったのです。
僕は見える範囲の床を見渡しました。本当にゴミ一つありません。強迫性障害にとらわれたかのように、彼がゴミ一つない床を維持しているのです。
まだ続きがあります。
ファーストフードやカフェではおなじみの、下がゴミ箱になっている、使用済みのトレーやお皿を並べて置く銀色のスペースがあります。そのスペースの真ん中から左側には、「いったいこの店にトレーが何枚あるんだ?」と思うくらいの尋常ではない数のトレーが積み上げられ、しかも最上段は標準的な日本人の成人男性である僕でも手が届きません!
食事を終えた客が、ゴミと化した容器や紙を載せたトレーを持ってそのスペースに近づくと、外国人女性の従業員がどこからともなく現れ(彼女もゴミをさらっていく彼と同様にどこからともなく現れるのです!)、トレーを受け取り、飲み残しやゴミを所定の場所へ捨てると、トレーを放り投げて山の一番上に重ねていくのです。その時の力の入れ加減が絶妙で、空中に投げられたトレーは音をたてることもなく、トレーの山の最上部に収まります。一連の動きがあまりにも正確に機械的に遂行されるので、美しいなどといった情緒が入る隙さえもありません。積み上がったトレーの一番上に、もう一枚別のトレーが積み重ねられていく、それだけです。
僕が知っている他のRの店舗はこんなんじゃありません。床にゴミを落としても誰も飛んでこないし、返却スペースのトレーが10枚も溜まれば店員が来て片づけていきます。その代わり、カウンターには必ず店員がいて、「いらっしゃいませ」と笑顔であいさつし、タッチパネルの操作が分からなければ教えてくれます。
「強迫観念さえ感じられるゴミ一つない床」
「地震が来たら危ないのでないかと心配になるほど尋常ではない高さに積み上げられた使用済みのトレー」
「店舗のオペレーションのためだけにしか使われていない公用語としての日本語」
この三種の神器(あるいはホーリートリニティ)の中に10分程度身を置いているだけ、日本語が公用語として使われる外国にいる感覚にじわじわとしてくるのです。
これこそが、イギリス人がインド旅した時、あるいはスペイン人がメキシコを旅した時に感じる感覚なのだと僕は確信しました。
まったく同じ感覚を、お金をかけることなくR池袋店で味わうことができるのです。
やがて、なぜ日本人の客が全員黙っているのかも納得しました。
間違いありません。みんな僕と同じ「外国にいる感」に浸っているのです!
言葉は交わさないけれど、絆があるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ハンバーガーチェーンR池袋店をぜひ覗いてみてください!




