#12
わたくしは先ほどの時間で作文を最後まで書ききることができなかった。
流石に、二度目の人生を送っているわたくしに初等科の低学年らしい作文を書くことはなかなか難しい。
なぜならば、前世だと成長に応じて様々な書き方を学んでいき、それ相応の文章を書かなければならない。
そこから一気に幼い初等科の低学年らしい作文の書き方を思い出さなくてはならないことは意外と難しいから。
現在のわたくしは見た目は子供、中身は大人みたいな複雑な感覚。
でも、いずれは見た目も中身も年相応まで追いつくと思いますわ。
絶対に年相応になるまで生き延びなければ!
おっと、話が前後してしまいましたわね……大変申し訳ございません。
わたしくは何としてでも次回の授業で作文を書き終わらせなければなりません。
「うーん……やはり、むずかしいですわ……」
「セレスちゃん、まださくぶん、おわってないの?」
はい、出ました! 例のアリスという女!
彼女がわたくしに話しかけるということは「わたし、さくぶんはさいごまでかけているから、よゆうだよ」というアピールかしら? それとも違う?
「そういうあなたはどうですの?」
「わたしはまだかきおわってないよ。だって、わたし、さくぶんはだいきらいだし……」
アリスがわたくしより先に作文を書ききると思っていたのは大間違いだった。
彼女は前世でも授業が終わったあと、「作文、書くの嫌い」と言っていた記憶がぼんやりとある。
よし! これはいい機会ですわ!
「アリスさん。もし、つぎのじゅぎょうでかきおわらなくて、しゅくだいになってしまいましたら、よかったら、わたくしといっしょにさくぶんをかきませんか?」
「えっ!? わ、わたしと!? で、でも……わたし、セレスちゃんのあしをひっぱっちゃう……」
アリスはほんの少しだけ驚くが、その後は少し落ち込んだような表情を浮かべていた。
ここで勝負をかけようかしら?
「さくぶんはじぶんがおもったことをじかんをかけて、すなおにていねいにかいていけば、だいじょうぶですわ!」
「ほんとう?」
「ええ」
「セレスちゃん。おねがいがあるの!」
「なにかしら?」
「ぜったいに、わたしよりはやくさくぶんをかきおわらせないでね! ぜったいだよ!」
「わ、わかったわ」
「やくそくだよ!」
彼女からこう言われては仕方がありませんね。
しかし、残念ながらわたくしは彼女のペースに合わせるつもりは全くないので、作文を書き終わり次第、先生に見てもらおうと思っていますわ。
アリスには恥ずかしい思いをうんとさせてやりましょう。
だって、わたくしは本日は今朝だけ二度も恥ずかしい思いをさせられたのですから、一度くらいはお返しをしないと……ね?
2026/02/22 本投稿
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