表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/35

才能、女



『やっぱり、僕の才能は 【女】 なんだなぁ』


誕生日以降は色々と、自分なりに推測して来たけど

お婆様を見て、やっぱり…となった気がする


もちろん、生き物の女性にも作用はしてると思うんだけど

お爺様のメイド達の反応も最初から、ある程度は桃色だったしなぁ

でも、本当の才能はそれじゃ無いと思う


僕が女性として認識してる相手、もある意味答えだと思うんだけど…

特に強く桃色が見える相手には、共通点が有るからね


テレジア姉様、妹のクラリス、そしてお婆様…


僕が呼ぶ呼び方に【女】 の字が入る人は、特に濃い桃色になる


『これが本当の才能なのかも知れないなぁ』


母は家族だから、僕の中では女性よりも 母 が先に来る

その母の色は桃色では有るけど、余り凄く濃くなったりはしない

お互いに家族愛的な認識だからだと思う


僕の周りのメイド達も、女性として認識してるけど僕には異性では無い

物凄く濃い桃色のメイドもいて、ドキドキはするけどね

僕の担当だから…だと思いたい、、大丈夫だよな? アンジュ…


家族なのに特別なのは 姉様、妹、お婆様 の三人だけだね

呼び方なのか、僕の認識なのか、、

相手の感情が何なのは分からないが、家族以上の愛情では無いと思いたい


今後、お茶会で少しは見えてくるのかなぁ…


何せ 婚約者 だからね 女の字が入っている、、、


今後も呼び方や、認識には注意が必要だね



ーーーーーーーーーーーーーーー


【テレジア】


『今日もニーノは格好良かったなぁ…王子様みたいだった』


思い出して、嬉しくなった

ニーノは小さい頃は可愛かったけど、最近は格好いい…本当に格好良い

お披露目会用の衣装を沢山着てたけど、全部似合ってた

中でも気に入ったのがあったから、自分の服より優先して貰った

お披露目会は、あの服で出て欲しいなぁ

毎朝ニーノを起こしに行くのは、朝一番にニーノに会いたいから

後、ニーノ担当のメイドのアンジュがどうも怪しいから…

他のメイドとは、明らかにニーノに接する態度が違う

やはり、アンジュは要注意よね…


婚約者の話が出て、酷く落ち込んだ

ニーノには婚約なんてして欲しくは無いけど、多分…無理よね

でも私はニーノの姉だもの、この先ずっと姉の立場は変わらない

この先もずっとずっとニーノの実の姉は私だけ…

そう考えたら、かなり気持ちは楽になった


『私が婚約者になれたら、、良かったのに…』


そう口に出してしまっていた自分に、テレジア自身が驚いていた


ーーーーーーーーーーーーーーー


【クラリス】


今日もニーノ兄様は素敵でしたぁ、エヘヘ

いつだってクラリスには優しい兄様、、、いつもキラキラしています

他の人はあんなにキラキラして無いから、特別なんだと思います

ずっと兄様といられたら良いのになぁ…


父様と母様は仲良しなので、どうしたらそうなれるの?と聞いたら

結婚してるからだって教えてくれた、

兄様にクラリスは兄様と結婚する、と言ったら 兄妹はダメだと言われた

兄妹は結婚出来ないなんて、、、あれ?

兄妹じゃなければ出来るよね?? 私が兄妹で無くなれば良いのかな??

兄様とずっと一緒にいられるなら、クラリスは何だってするんだもん♪


そうだ、明日お婆様に相談してみようっと

お婆様も兄様がきっと大好きだから、だって姉様と同じ少しキラキラしてたもん



ーーーーーーーーーーーーーーー


【お婆様】


初めてニーノに会った時の事を、今でもはっきり覚えいます

一才になる前に、私は初めて会ったのだけど…

あの子は既にきちんと会話が出来ていて、お婆様 と呼んでくれました

呼ばれた時の感動は、息子や娘が生まれた時以上の感動でした


それから数年後、久しぶりに会ったニーノは

容姿も素晴らしく、頭脳もとても明晰な子に育っていました

エッカート辺境伯は、質実剛健そのもで、そこは好感が持てるのだけれど

貴族社会では、それだけでは難しいのよね

サーシャも鋭いところも有るのだけど、たまに大事な部分が抜けているし、、


その点、ニーノはまだ子供だと言うのに、その辺の隙がなくて良いわぁ

本当なら私の手元で、更に色々と学ばせたいところなのだけど…

ニーノの前では、良いお婆様 で、これからもいたいですしね


『私が王都にいて、ニーノの邪魔な存在は対応すれば済みますね

 例え敵対する相手が誰であろうとも…

 あの子が自由に生きられる様に、私が全力で守れば良いのですから』


そう呟いて、天井を見つめた


先程から天井裏にあった気配が五つ、音もなく何処かへ消えていった…



ーーーーーーーーーーーーーーー


【???】


とある場所のとある地下室


『そろそろ、お披露目会の時期が近づいている

 主要な貴族達は全員が王都に集まっている頃だろう

 これから三日後 作戦を実行に移す! それぞれ、皆に伝えてくれ』


暗闇で蠢いていた、幾人かがその声に反応して消えていった


『さて、本題に入ろうか、、

 残るお前達には別の作戦で動いて貰う

 王都にいる、神の子 ニーノ=エッカートの誘拐だ

 これまで話し合った手順通りに行い、必ず国境を超えてくれ

 超えた先で引き渡しだ、報酬はその時に…分かったら 行け!』


また、数名の気配が消えて、部屋には声の主だけとなった


『神の子…生贄に捧げれば、我が悲願は叶うだろう…』


そう言った声の主は、人では無い姿に変わり闇に溶けていった


そして、部屋の気配は全て無くなり、ただの地下室となった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ