表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/35

あれから…


あれから…僕は五歳になった


赤ん坊の身体に大人の意識があるのはかなり厳しい、ホントに!!

自分では動く事も出来ず、意思も伝えられない…

離乳食って…まぁ味がしないよね、早く味のある食事がしたい毎日それを考えてた


赤ん坊でも自分の名前がニーノだという認識は既にあった

ただ、それ以外の記憶は殆ど無いなぁ…

たまに色々な映像みたいなのが、頭に見えたりするけど良く分からない


あぁ、自分が普通じゃ無い事ぐらいは、大人の反応を見ていれば分かる

生まれて二週間ほどで、大人の言葉に反応してたらめっちゃ驚かれたしさ

理解はしてるし、つい反応してしまうんだよなぁ


唯一覚えてたのは ステータス 頭の中で念じると

今の自分の状態や能力が分かる事

ステータス画面を眺めて過ごす期間が、それから四か月近くも続いた

何度も 管理者 のボタンを押そうかと悩む日々が…


(ここまで大変だったよなぁ…)


僕が名前を授かったあの場所にいた全員が、あの時…神を感じたと言ってたらしい

神童、使徒、神の子、、その様な噂は自然と広まってしまったようだ


僕は一歳になる頃には大人と普通に会話が出来ていた

二歳になる頃には、本を読み始め、三歳になる頃には魔法を発動した

やはり神の子なのだと家族達は喜んでくれていた

四歳になる頃には、何故か婚約の申し込みが殺到し始めたらしい

それは今もどんどん増え続けているそうなのだが…





『テレジア姉様、今日もよろしくお願いします』


三歳年上の姉は、にっこり笑って僕の手を握り締めた

父譲りの綺麗な金髪は、整った顔立ちによく映えていた


『ニーノは凄いね、もう既に私より魔力錬成が早いだなんて…』


そう言って向かい合い両手を繋いで、互いの魔力を循環させていた

初めの頃は姉の魔力を途方もなく大きく感じたが

今は微弱に感じる程度となっている、口には出さないが…


姉は僕が生まれる事を、凄く待ち望んでいたらしい

生まれてからも、毎日のように僕の世話をしてくれている

それこそ、朝から晩、、僕が眠るまで…

流石に四歳になった頃には、自分で出来るからと言ったのだが

全く聞き入れてくれなかった上に、お姉ちゃんが嫌いなの?と酷く泣かれた

今は妹も出来たのだから、クラリスも可愛がってやって欲しいです


(僕にだけ過保護過ぎだよ、姉様…)


三歳ぐらいからは、勉強も始めて領地の事や歴史の事

もちろん、武術の訓練や魔術の訓練も始まりだした

本当は五歳ぐらいからは始めるそうだが、既に僕は退屈を持て余していた

なので、三歳の誕生日に魔力を放出して見せたところ

姉と同じ教育を受ける事となった


『ニーノは全ての成績が優秀だね、本当に自慢の息子だよ』

そう言って父は僕に魔術書や歴史書などを与えてくれていた


武術の家系かと思われがちだが、母は魔法をかなり得意としていた

父よりも母の方が書斎は大きく、それこそ読みたい本が山程あったのだが…

年齢に見合った本を与えたがった、子供らしく無いからかな、、、


僕が生まれて二年後に、妹のクラリスが生まれた

初めて見た赤ん坊は、酷く頼りなげで儚く見えた

そして、凄く泣くものなんだな…と認識した

僕は殆ど泣かなかったからなぁ、、、かなり奇妙な赤ん坊だった筈だ

妹の成長を見ていると、自分が如何に規格外なのか認識出来た

んーーー子供らしくは無いんだろうなぁ、多分、思考が大人だし

なるべく子供らしさを出すようにしてるつもりなんだけど、、これはかなり難しい


妹のクラリスは僕が近くにいると、凄く機嫌が良いそうだ

僕の前ではわがままを言わないし、もの凄く甘えたがるらしい

なので、最近は乳母やメイド達に呼ばれる事が多い

訓練や勉強や読書ばかりしているので、会う時間は少ないのだけれど

お兄ちゃんだからね、妹は大事にするよ、もちろんね




時々眠る前に、ふと考える

何故、僕にだけ見えてる人に、たまに色が付いているんだろう

赤、青、緑、桃色、、、そして黒や灰色…

決まって黒や灰色の人は、僕に何かしらの悪意や敵意な様なものを感じる

まだ、誰にも言った事は無いけど、これは才能と関係あるのかなぁ


五年経った今も、僕の才能【女】は不明なままだ

いずれ才能は発揮されるのだろうか? 不安でもあり、楽しみでもある


今は元々の能力が凄すぎて、それだけでも手一杯な状態だからなぁ…

毎晩ステータスを確認する度に、数値が上昇しているので嬉しくてしょうがない

今は何にせよステータスの数値を上げる事に専念しよう!

まだ見えてるけど押せないボタンが山程ある

きっとこれもステータスが上昇すれば、何れは押せる様になるだろう


そんな事を思いながら、武術関連や魔術関連にある…大量のボタンを眺めていた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ