洞窟にて
翌日、僕達はいつも通り41階層に来てレベル上げを行い
その後でレイが入れる大きさまで、通路を大きく設定し直した
魔獣については…取り敢えずは様子見で大丈夫だろう
鑑定で見えた数値は僕達よりは低いけど、耐久はダントツで高かった
防御タイプだと思うし、実戦で戦え無いと意味無いもんね
その後でギルドに寄って報告を済ませる
レイの事はまだ伏せておいたが、相手に伝えたとは言った
急ぎの要件は無さそうだったので、昼には家に戻った
『コレは結構、骨が折れるかも…』
僕は庭でレイ用の湯船を作っていた、流石にほぼ小型のプールに近い!!
錬金の修行も兼ねてるんだけど、、、集中力が持つかな
ある程度の耐久性もいるから、夜まで掛かりそうだなぁ…
そんな事を考えながら、湯船の合成を高めて行った
夕方になる前には出来上がったが、重さは何トン有るんだろう…
そもそもレイの洞窟に置けそうなのかな…まぁ、聞けば良いか
アイテムの温泉を湯船に注ぐ、途中で温泉が無くなったので
直接バルブから湯船に入れておいた
しかし、アイテムの容量って限界は無いのかな…
こことレイの洞窟を繋げる方法が有れば良いんだけどなぁ
ミトは料理や洗濯など家事もこなしてくれるので大助かりだが
当番制でも良いって言ったんだけどなぁ…断固拒否されたんだよね
本人が楽しそうにしてるので、良いんだけど 料理ぐらいはしないとな
そんな事を考えてるうちに、アイテムに大量の温泉を保存出来た
これで何処でも温泉が可能なので暫くは大丈夫かな
後はレイ用にあるアイテムだけ作れば良いかなぁ…
そう考えて、幾つか試作していった
その後でキッチンへ行って、ミトを手伝ってる内に夜になった
ーーー
ーー
ー
僕達はいつもの野営地に転移した
辺りはすっかり暗くなっていて、もう直ぐ季節が変わるのだと思った
これからは秋のシーズンだ
この辺りは冬はほぼ無いそうなので秋が長く続く
収穫の時期でもあるので、早めに畑や家畜は手を付けたいなぁ
『あれ? もうレイが近くまで来てる』
暫くするとレイが現れた
『今日は遅かった、何かあったの?』
『イヤ、ちょっと色々用意してたら遅くなっただけ』
『そう、今夜は家に招待する ここは目立つ場所だから…』
そう言って、レイは移動し始めた
僕達はその後をついて行く、、程なく洞窟が見えて来た
『ここが私の家と言うか、、洞窟 今住んでるトコ』
レイはそう言って、少し恥ずかしそうにしていた
日本人だった頃だと、こう言う場所には住まなさそうだもんなぁ
『ありがとう、レイ 招待してくれて嬉しいよ』
僕がそう言うとレイの色が桃色から、少し濃い色に変化した
ミトに続いて洞窟の奥へと向かう…
洞窟の中は光る石がところどころにあって、空間を照らしていた
この石は初めて見る…なんだろう?
暫く歩くとかなり大きく開けた場所に出た
壁には先ほどの光る石が、沢山埋め込まれているのか部屋は明るかった
『凄く、幻想的だなぁ…』
『ありがとう、ここに誰かを連れて来たのは初めてだから…』
『うん、良い場所だね、僕は好きだよ』
僕は素直にそう思えた 魔素が多く神秘的な感じはするけど…嫌な感じはしない
レイは何故か先程よりも、桃色が濃くなって少し明滅していた
それから僕達は夕食を一緒に食べて、ダンジョンの話になった
『明日にはダンジョンに入れると思うけど、どうする?』
『入れるなら行ってみたい!』
レイはキラキラした目?で身を乗り出していた
どんな敵が出るか、どう言う攻撃をしてくるかなど
大体の予備知識は説明しておいた
『うんうん、私が前衛をやれば良さそうだよね?』
『パーティでやるなら、そうなるかなぁ
明日はまず僕とミトが戦ってみるから、それを見て判断してみてね』
『一人じゃないって良いよね…うん! 見学してからにするね!』
レイはダンジョンを楽しみにしていた様で、あれこれと聞かれた
折角の異世界だし、レイも楽しめる生活になって欲しい
レベル上げについては、レイも望んでいた様なので、パーティも組んでみる事にした
そんな話がひと段落した頃、僕は聞きたい事を尋ねてみた
『この辺に強い魔獣とかはいるのかな?』
『ん〜どうだろう、見かけた事は無いけど、山脈の奥地にはいると思う』
『そっか、ならレイがウチに遊びに来ても問題無いかな』
『え?! 遊びには行きたいけど…』
『ウチは街なかにある訳じゃないから、夜なら大丈夫かな?』
『ええ、昼は流石に人目も有りますが、夜なら大丈夫かと思います』
僕の考えを分かってくれてるミトは、少し考えてから答えてくれた
ずっとここに一人じゃ寂しいもんなぁ、たまには良いでしょ
『レイがここから離れると、問題あるなら別だけど…』
『特に問題無いよ! 縄張りみたいなのはあるけど
ここ一年ぐらいは滅多に侵入者もいないし…たまに巡回する程度だし』
『この山の事はレイがほぼ把握してるのかな?』
『そうね、住むと決めた時に大体は見て回ったし…
あぁ、、一回だけドラゴンを見たかな、飛んでるのだけど
後はグリフォンが出た事はあったなぁ、多分群れから逸れたんだと思う』
『ドラゴン?! やっぱりいるのかぁ、グリフォンも、、ね』
『奥地へ向かって飛んでたから、奥地にはいるのかも
グリフォンは子供みたいだったけど、暫くしてどっか行ったよ』
本でも読んだがドラゴンは希少種で、例外無く強い
ワイバーンやキマイラ、グリフォンも強いとされてるが
やはりドラゴンは別格らしい
『この山は思ったよりも、強い魔獣が出るのかもね』
『どうだろう?麓には出ないと思うから人は安全だと思うけど…』
まぁ、今は特に報告もされて無いし、気にしなくても良いかも
ギルドにはそれとなく伝えても良いけど、対策のしようがないかもなぁ
『そう言えば、この光る石って初めて見たんだけど
この辺りには多いのかな?』
『この洞窟は元からこんなだったからなぁ…
さっきの待ち合わせた場所から、もう少し行った先にもあったかも
後は変わった石が有る場所もあるよ! 多分、お金になると思う
渡そうと思って幾つか集めておいたんだ』
そう言って、レイは幾つかの石を見せてくれた
僕はそれを一つづつ鑑定させて貰った
『うん、これは凄いね 銀やミスリル、…銅も有る
後、エメラルド…だね よし!…試してみるか』
僕は手をかざして、錬金を行い不純物を取り除いていった
初めてだったから時間は掛かったけど、なんとか除去出来たみたいだ
僕が作業をしているのを、二人はじっと眺めていた
『はい、これは持っておくと良いよ 何かあったら換金出来ると思う』
僕は幾つかの宝石や、精製した銀やミスリル等をレイに渡した
『え?! いらないよ ご飯のお礼に渡しただけだもん!
お金になるならニーノが使ってよ 私じゃ使い道がないし』
『ん〜結構な金額になるかもだから 夕食代には多すぎるよ
元々レイと仲良くなれれば、それで良かっただけだしなぁ…』
僕が困った顔をして返そうとすると…
『まだまだ一杯あると思うから、ニーノが欲しいだけ取って来るよ?
ご飯は美味しいし、、と、、とも、友達だから!』
レイは渡そうとした宝石達を押し返しながら
焦った声でそう言った 桃色がかなり濃くなって明滅していた
『あはは、ありがとうレイ でも今のでも十分多いからね
それに…ここに鉱石が有るのは、内緒にしといた方が良いから
取って来なくても大丈夫だよ』
僕はこの山にお金になる鉱石があると
人が大勢押しかけて来て、レイに害を及ぼす可能性が高い
場合によっては国が出て来る事もある
やっとレイが落ち着けるかも知れない場所だから
荒らされたく無いと伝えた
『そうよね…うん、ありがとうニーノ でもニーノ達が必要なら言ってね
目立つ場所に有るわけじゃないし、人が入れる場所じゃ無いから』
『ありがとうレイ、夕食代には多いけどお礼って事なら貰っておくね
僕からもお土産があるからさ お風呂入りたいでしょ?』
『マジ?! お風呂!!! 入りたい!!
温泉って聞いて入りたいって思ってたんだぁーーー』
レイに場所を聞いて奥まった場所を整地してから湯船を設置した
もう既に温泉は入っているので、試作したアイテムを一緒に置いておいた
レイは早速お風呂に入っている、かなり満足気な感じ
僕は辺りを見回して、排水出来そうな場所を聞いた
レイはこの先の奥に縦穴があって、そこなら大丈夫と言ったので
洞窟の奥にあった穴に、排水する様に配管はしておいた
レイが温泉を堪能出来たら、最後に排水も確認して終了だな
『ふ〜〜、、お風呂なんて何年ぶりかなぁ
ありがとうニーノ!! また石を取って来るからね!!
このボディブラシも凄く嬉しい! 自分じゃ届かないから』
『あはは、レイ 気に入ってくれたみたいで良かったよ
でも石は大丈夫だから、気にしないでいいよ
やっぱり日本人は湯船がいるよねぇ、僕もそうだったから分かるよー』
前世では学生の時も社会人になってからも、何度も海外旅行には行っていた
アジア、地中海、ヨーロッパ、アメリカ、南米も
食事で困る事は余り無かったけど、お風呂はシャワーが多かったからね
異世界でも入浴はかなりの贅沢で、シャワーでも厳しいのが実情だ
水が貴重な世界だからなぁ、、でも風呂には入りたい!!
こればっかりは文化の違いだからね、ミトも理解してくる迄に時間が必要だった
ボディブラシはレイの身体の大きさだと、自分で全て届かないからね
あると便利だろうなと、、幾つか試作しておいたんだよね
レイはゆっくりとお風呂を堪能しているみたいだ
僕達はその間に後片付けを済ませ、お茶の準備をしていた
壁に有る光る石を鑑定してみたら、魔光石と出た
魔力を含んだ石みたいだ… ここは確かに魔素が濃い気がする
それが結晶化して出来たのかもなぁ…
『ああ〜、久しぶりのお風呂は、凄く良かった!!
水浴びは毎日してるけど、やっぱりお風呂は別格だよねー
ありがとうニーノ、ボディブラシも良かった! もの凄いお土産だった』
『いずれ石鹸とかシャンプーみたいなのも作るつもりだからね
お風呂ライフはまだまだ進化する予定だぞ』
『あはは、流石に熊が良い匂いしてたら変かもだけど
たまにはサッパリしたいもん、もちろん協力するからね!』
嬉しそうにそう言って笑った
レイは出会った頃よりも、かなり明るく話せる様になった気がする
初めて笑ってくれたし
うん、お風呂を用意してホント良かったなぁ
直ぐに変わっていくのは難しいと思うけど
レイは辛い事が多かったから、少しでも笑顔が増えてくれると良いよね
『急がないけどね、レイにも手伝って貰う予定だよ
この山は薬草とか多いから、使える物はあると思うんだ』
『うん、何かあったら言ってね 探してみるから』
皆で一緒にお茶を飲みながら、この山について話した
未開の地だから、誰のものでも無い
人が分け入るにしても、厳しい場所だ
中腹や樹海の辺りには、人だと厳しい魔獣がそこそこいる
樹海の辺りでは群れ同士の縄張り争いもあるらしい
『何回か群れで襲ってきたけど、全部返り討ちにしたら
そのうち襲って来なくなって、全く近づいて来なくなったよ』
そう言っていたので、多分この辺り一体のボスなんだろうなぁ
レイには言って無いけどね、、、
明日はダンジョンへ行くので、話は尽きないけど…
早朝に迎えに来る事を約束して家に戻った




