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結果報告


『報告の内容を検討した結果、境界線の案を採用する事になった

 早馬で確認に行かせたが、本当に境界線が引かれてて驚いたぜ

 そもそも誰もあんな奥地までは、気軽に行けそうに無ねぇ…

 ニーノ達は、その強い個体と意思疎通が出来る様だからな

 これはお願いとして伝えてくれ

 今後は迷い人も出る可能性はある

 攻撃されなければ、襲わないように伝えてくれると助かるぜ』


『相手は赤金色…多分、金色の熊です

 体長はかなり大きいので、見間違う事は無いでしょう

 もし遭遇したら、何もせず逃げる様に徹底して下さい

 討伐しようとした者や、攻撃しようとした者は命の保証は無いと

 ギルドで通達を出して貰えれば大丈夫だと思います』


『うむ、それで構わない

 あー、お前達は今日からBランクチームだからな

 二人とも個人でもBランクだ

 全く、、そっちの手続きの方が遥かに時間が掛かったぜ…

 だが、これでお前はかなり助かる事になると良いんだが…

 チーム名前は、決まった時点で申請してくれ』


『ありがとうございます、ジョーさん

 気を遣って頂いて…

 僕は子供ですから、、Bランクだと助かる事も有ります』


『ほら、これが新しいギルドカードだ

 お前達には感謝してる冒険者も実は多い、、、

 定期的にアイテムや魔石が納品されてるからな

 今回の件もそうだ、薬草採取は護衛依頼も多い

 境界線が出来た事で、危険地帯が分かるのは皆が助かる』


『この後、結果を伝えに行きますね

 それが終われば、明日から通常通りダンジョンへ入りますので

 また、何か有れば声を掛けて下さい』

 


そんな話をして、ギルドマスターの部屋から出た

受付で挨拶してから、と思ったら

ギルド内にいた職員や冒険者達から、一斉に拍手された

何事か?!と思ったら

ナオミさんに、声を掛けられた


『Bランクおめでとう、ニーノ君

 あなた達はギルド史上最速のBランク冒険者なの

 登録してから、一ヶ月以内なんて本来あり得ないもの…

 境界線が実際に確認されてるし、これはかなりの偉業なのよ

 きっと誰にも出来ない方法だから

 今後は他のギルドからも誘いが来るかも知れないけど

 出来れば、ここへ残って欲しいのがギルドの総意なの』


『家を買ったばかりですし、

 まだやりたい事にも全然手を付けられて無いので

 旅行はしたいですが、ここを出るつもりはありませんね』


『そう言ってくれると助かるわ…

 なるべく融通は利かせるつもりだから

 何かあったら気軽にギルドへ相談してね』


『今後は家の畑や牧場もやりたいので

 手伝ってくれる人を探す事になると思います

 その時は相談に乗ってくれると助かります』



そんな話をしてから僕達はギルドを後にした

郊外でのんびり生活も楽しそうだもんな

レベルアップはもちろんだけど、魔法の研究もしたい

錬金や魔道具は、生活が便利になりそうだから…そっちもだね

そんな事をミトと話しながら一旦家へと帰った

夜に行けば良いので、それまでは自由時間でも良いかなと思ったが

今夜の夕食を熊と一緒にって事で、色々と作る事にした



ーーー

ーー


『そろそろかな?』

『そうですね、もう良い時間だと思います』


僕達はいつもの場所で、食事の用意をしていた

今夜も料理を気に入ってくれると良いんだけど…


そう思ってたら、頭の中の地図に赤い点が見えた

いつもと同じ様に、警戒しながらこちらへ近づいて来る


『うん、大丈夫そうだ、こっちへ向かってるよ』


それから暫くして、熊の姿が見えてきた 僕は手を振って合図した


『ようこそ、こないだ話した結果を伝えに来たよ、食べながら話をしようか』


熊の分も食事を用意しながら話しかける

熊は一瞬警戒したが、一緒にその場に座って用意を待ってくれた


『遠慮せずどうぞ、さぁ一緒に食べよう』


そう言って、僕とミトが食べ始めると

熊は少し悩んだ素振りを見せた気がしたが…食事に手を付けた


マジか! 熊は普通に器を持って器用にスプーンで食べている…

しかもなんか食べ慣れてる仕草だ、、

熊が食事をしてる姿は初めて見たが、人のそれと全く変わらなかった

暫くお互いに無言で食べていたが、その声で静寂は破られた



『ねぇ、どうなったか話の続き…聞かせてよ』



熊から出た声は、意外にも若そうな女の子の声だった

僕とミトは凄く驚いた顔で熊を見た!


『は、話せるの!?』


『うん、人と話すのは初めてだけど…』


『そっか、、、理解はしてると思ってたけど

 話せるとは思って無かったから、、凄く助かるよ』


『ふ、普通に話せるとは、、思う 変じゃ無いかな?』


『うん、全然変じゃ無いよ! 会話出来る方がお互いを理解し易いから

 僕としては、凄く助かるし…嬉しい、、かな』


『嬉しい…? なんで?』


『友達になれたらなぁ…って思ってたから』


『と、、と友達?! 私が怖く無いの??』


『んーーー、怖くは無いよ、強いんだろうなぁ、とは思うけど 怖くは無い』


『そ、そう?…変わってるのね…』


そう言って熊は何故かじーーーーっとこっちを見ていた


『あぁ、結果としては前に伝えた通りだね

 境界線を超える者や、無闇に攻撃する相手が出たら好きにしていいよ

 その代わり、境界線より向こう側では、穏便に済ませて欲しいんだ』


『分かった、それはいい これまでと同じ

 線が有るから分かりやすくなった』


熊はずっとこっちを見ながら、何かを考えている風だ

何だろう、、、? 


『んーっと、まだ何か疑問とか質問とかあるかな?』


『ん、解決したから…もうココへは来ない?』


『そうだね…今のところは予定は無いかな』


『そう……』


熊の言葉は素っ気なかったが、雰囲気は重くなった

俯いてしまった熊は食べるのを止め、じっと皿を見つめている


『あ、そう言えば 名前が有れば教えてくれるかな?』


『私の名前? …… レイ 』


『レイ か、いい名前だね そう言えば一人で住んでるの?』


『ん、今は一人』


『そっか… 一人なのか …』


そう言った後は、何を話して良いのか思いつかなかった

今は一人…、昔は違ったんだとしたら 何かあったんだよね

ミトを見ると、ミトも何かを考えてる様だった


『んとね、レイが良ければ たまには遊びに来るけどどうかな?』


『ん、ご飯…凄く美味しい また来てくれたら嬉しい』


『分かった、たまには一緒に晩ご飯を食べるって事で、どうかな?』


『たまにって、どのくらい?』


『レイが邪魔にならない程度かなぁ…』


『邪魔にならない! 明日も明後日も来て…毎日来て! それを条件にする!!』


レイは半ば立ち上がりかけて僕達に言った

その声はなんか凄く辛そうな感じがした


『分かった、レイがご飯を気に入ってくれて嬉しいよ

 ただ、僕達も冒険者だからね…来れない日もあるかもなんだ

 それでも良いかな?』


『家、遠いの?』


『家は街に有るから、離れてるかなぁ…でも直ぐ来れるから』


『え? 街ってかなり遠いって聞いた 直ぐ来れるの?

 そう言えば 今日も突然現れた 偽装か何かかと思ってたけど…』


『あぁ、魔法でね ここへ来たんだ』


『!! … テレポートが使えるの?!』


『テレポート… あぁ、、そうだね 転移出来るから テレポートかな』


『え、、う、嘘… もしかして、、勇者?! て、て、転生者…なの?!!?』


レイは立ち上がり、口が開いたまま驚いている

立ち上がった弾みで食器類が落ちて音をたてていた


『あ、勇者では無いよ、転生者なんだ、転移者でもあるけどね

 転移が使えるのは本当は勇者だけらしいんだけどね

 特別に神様がサービスしてくれたから、僕も使えるんだ』


『ご主人様! それは…』


ミトは僕の腕に手を掛けて、僕を庇う様に少し前に出た


『いいんだ、ミト レイには話した方が良いから、大丈夫だよ

 んーーー 多分、レイも転生者、、だよね?』


僕の言葉にミトとレイの色は激しく明滅していた

レイとミトが落ち着くのを待ってから、僕は自分の事を話し始めた


この世界に来る前の話から…

糸咲俊也だった事、突然死した後で神様に会った事

その後、転生してニーノになった事

そして、神様に助けて貰って、今はこの世界に転移した事


ただ、10回も転生した事は言って無い…


ミトは僕の転生前の事に興味津々で、ずっと前のめりで聞いていた

レイは僕の話を黙ってずっと聞いていたが、時折驚いた顔を見せた


『そっかぁ…糸咲君? 俊也君? ニーノ君? の方が良いのかな?

 日本人なんだね、同じ転生者だったからかな

 初めて会った時、何か妙に懐かしい気がしたんだ』



『あ、今はニーノで良いよ

 うん、僕もかな…初めて会った時に違和感を感じてたよ

 知能が高くても、ここは好戦的な者が多い世界らしいからね

 レイの持ってる雰囲気が、ここの世界の者で無い気がしたんだ』


インドラからこの世界の説明を受けた時に

弱肉強食だと聞いていたし、力が全てだ みたいな事を言ってたからさ

多くの者に会った訳では無いけど、街での雰囲気もそんな感じがしてたから

弱い者を虐げると言うよりは、強い者が尊敬される世界…そんな感じ


『そっか……、、、あ、私は前の名前は 長谷川妙子

 この世界に転生した時にレイって名前になったんだ』


そう言って、レイ…長谷川妙子は自分の事を話始めた



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