ギルドからの依頼
それは有る日の午後の事
『この依頼…受けて頂けると助かるのですが…』
ナオミさんが、珍しく僕達に依頼を出してきた
僕達は周回を重ねて一定以上の魔石などを、納めている状況なのは知っているはず
それよりも優先される事なのだろう
『どう言った内容ですか?』
『ここより東に有る、シャスタ山の調査依頼になります
冒険者が大きな足跡を幾つか発見しているのですが
その姿を見た者はまだいないんです』
『ふむふむ、足跡しか見つかっていない…
冒険者には被害は出ていないんですね?』
『ええ、ただあの山は良質な薬草が幾つも採れるので
普段から、人の出入りは多いんですよ
それなのに見かけないのは不自然なんですよね…
かなり大型の獣の様ですので、遭遇したら危険かと思いますし
人に害が無いなら問題ないのですが
正体不明なのは今後困る事になりかねませんので…』
『それで調査依頼なんですね、期間は早い方が良さそうですが
調査となるとそれなりに時間が掛かるかも知れませんね…
分かりました、その依頼受けようと思います
もし強い個体だった場合、調査してる側も被害は免れませんからね』
『ありがとうございます! 中途半端な実力では依頼を出せない案件ですので
ニーノ君達が受けてくれるのがベストだったんです!
報酬は商業ギルドから、高額の依頼料が出ていますので、是非お願いします』
『依頼料はありがたいですが、被害の出ない内に解決したいですね
薬草採取は、低レベルの方も多いと聞いていますので…
今日中に用意を済ませて、明日には現地へ向かいますね』
僕達は足跡の目撃情報や、周辺の地図を貰ってギルドを出た
食料や生活用品はアイテム保存してあるので、大丈夫なのだが…
今日はフライパンや魔道コンロの受け取り日なのだ
そっちは早めに入手しておきたいからね…
『ご主人様、お受けして良かったのですか?』
『薬草採取は初心者の冒険者が、必ず受ける依頼らしいからね
初心者だと何かあっても、対応には困るだろうから…
早めに事実が分かった方が良さそうだよね』
『流石、ご主人様! いつもお優しいですね』
『僕やミトには感知が有るから、多分…大丈夫だと思う』
そんな話をしながら、僕達はある店に向かっていた
『あ、ニーノ、待ってたぜ! 今週の新作だ…
見た目は悪いが、味は中々のモンだぜ…フフフ』
少しガラは悪そうなんだけど、料理には真面目に向き合っているようで…
必ず味の評価を聞かれていた
今日のはかなり自信作みたいだな…ニヤリと笑っていた
『ガルシアさん、今日は買って帰るから、感想は後日になるよ』
『なんだ、今日は食べて行かないのか?
まぁ良い、お前の意見は率直だから信頼してるぜ
また、感想を聞かせてくれや』
屋台では新作が売られてたので、もちろん買っておいた
なかなかやり手で、毎週の様に新作を出すのだ
外れる事もあるけど、チャレンジ精神を応援したいので毎回買っている
今回は、何かの姿焼きみたいだな…ふむふむ
僕達はその後で、全ての受け取りを済ませて家に帰った
明日からは現地で何日か泊まり込むか…
一旦戻って、転移で家で寝るか、、、お風呂には入りたいよなぁ
まぁ、現地の様子を確認してから決めようかな
そんな事を考えながら、温泉に浸かってたら
ミトが突然入って来た!
これまでずっと我慢してたが
常に一緒にいないと護衛が出来ないので、自分が気になると言って、、、
ミトが一緒に入る事を強く願い出た
僕は大丈夫だからと言うが…もの凄く悲しそうな表情になる…
ん…やましい目で見たりしなければ良いんだけど、それは自信が無いなぁ
僕は中身は大人だからね…あぁぁ
『ぼ、僕も男だからさ、、、困るよ、ミト…』
『私だって女です、…入る相手は選びます、、そんなに嫌でしょうか…』
『ん…嫌じゃ無いから、困るんだよ、ミト』
『嫌じゃ無ければ問題ありません、私がご主人様と一緒に入りたいんです』
ミトはもの凄く真っ赤な顔をしながら、それでも微笑んでくれた
ミトの色は物凄く濃い桃色が、過去最高に明滅していた
僕はそれ以上は何も言わず、ただ頷いた
一緒に湯船に浸かりながら、明日以降の話なんかをした
ミトはいつもより、少し砕けた感じで話してくれたので
また少し仲良くなれたのかなぁ、と嬉しく思った
あ、ミトを直視しない様に、背中合わせで入ってたからね
……、まぁ、いきなり入って来たので、その時は全部見てしまったんだけど…さ
早朝に出発するので、今日はいつもより早めに眠る事にした
ーーー
ーー
ー
翌朝は快晴だった、と言っても朝日が昇る前だが…
僕達の足だと半日もあれば目的地には着く
ただ、そこから捜索になるので時間は読めない
あの辺りは樹海が広がっているので、広範囲の捜索の可能性もある
早めに着いておく方が良い
僕達は、途中で休憩を2回ほど入れて目的地へ直行した
『思ったよりも早く着いたね、約四時間ってところかな』
『えぇ、普通は片道二日半程らしいので、思ったよりは近かったですね』
『じゃあ、目撃情報の場所から移動してそうな場所は…あっちだな』
山の中腹付近が最後の目撃場所だった
目撃情報は麓から徐々に山頂へと向かっていたので
今だとあの辺りかもしれないなぁ
ある程度の予測を立てて、向かっていた
途中で、例の足跡を幾つか発見したが、確かに大型のものだった
この大きさだとしたら、体調は5メートルはありそうかな?
この大きさで目撃されないのは、確かにおかしいな…
途中で何度か気配感知や魔力感知を掛ける…
害獣は結構な数がいそうだが、魔物の気配は無かった
予測地点に着いたが、足跡は無かった
この先、闇雲に捜索するのは骨が折れるなぁ
一旦、休憩がてら食事にする事にした
『ミト、何か感じる?』
『いえ、全く感じませんね…これは逆に不自然な気がします』
『そうだよね…気配が無さすぎる、、』
この辺りに生き物の気配が無さすぎた
鳥や、昆虫、そういった生き物を見かけていない
やっぱり、この辺りには何か有りそうだなぁ
僕達は暫く怪しそうな場所が無いか、辺りを注意しながら捜索した




