ご主人様と呼ばれて
僕達は開けた草原の様な場所にいた
少し高台なのか、眼下には街らしき場所と街道が見えている
天気も良くて、暑くも寒くも無い
取り敢えず、周りも敵らしきものに囲まれていない様だ
『転生と聞いてたから、また赤ん坊からかと思ったけど
見た感じ、そのまま…なのかな、これは転移と思って良いのかな』
ざっと自分の置かれた環境を確認する
少し離れた場所にミト?の姿も見えていた
『ニーノ様! 会えて良かったです! もう会えないのかと…』
走って来たミトは僕に思いっ切り抱きついて、ギューーっとしていた
あんまりくっ付くと、ほら大事な部分が僕の顔に…
ミトの顔を見上げると、今にも泣きそうな顔をしていて
僕の邪な気持ちは、すぐに消えた
『大丈夫だよ、ミト、ほら落ち着いて…
ちゃんと合流出来たみたいで、僕も安心したよ』
ミトを落ち着かせてから、並んで二人で座る
転生の間で、どんなやり取りがあったのかを、お互いに話した
もちろん、全部は言わなくて良いと前置きはしたよ
ミトは転生神様とは殆ど会話出来て無かったみたいだ
悪い様にはしないから、とだけ言われたらしい
…逆に不安になるよね、そのセリフ?! それで走って来たのかも
そもそも、この世界へ転移する事になった理由については
僕達を攫おうとした相手がヤバイやつだったから、とだけ話しておいた
また僕が元々転生者だと言う事はミトには伝えておいた
ただ10回目も転生した事や、ずっと経験なしなのは、恥ずかしくて話してはいない
プ、プライベートは大事だと思います、特にその辺のデリケートな部分は!
『ニーノ様は元々別の世界?から来てたんですね
それで、転生?してニーノ様になったと…
難しい事は分かりませんが、ニーノ様が神の子なのは本当でした
やはり私は間違っていませんでした』
『あ、神様が似てる世界へ送ったって言ってたから
ここも多種族国家だと思うよ、一応偽装は様子見で行こう
転生の間で神様と話した事は、僕達以外には絶対に内緒でね』
何故か話をしている間も、ずっと手を握られていたのだが…
いきなり異世界へ転移とか、初めてだったら不安になるよね
『お婆様から貰った高額なお小遣いも…
どうやらこっちのお金に、換金してくれてるみたいだから
先ずは見えているあの街で宿を探そうか
神様の話だと、ここで五年は暮らす事になるからさ
情報を集めて、ちゃんと生活を出来る様にしないとね』
僕の話を聞いて、何度も頷いてくれた
『ダンジョンでレベルアップ?は是非したいですね、
私も強くなりたいです、ニーノ様の盾になりたいのです…』
『あ、ここでは僕達は平民みたいだから、敬語とかはいらないよ
僕を呼ぶ時はニーノか、ミトの好きに呼んで良いからね
僕も普通に気軽に話すから、ミトもそうしてね
ただ、、、ミトはまだ僕の奴隷みたいだからなぁ
女神様もそこは、少しだけ気を利かせて欲しかったなぁ』
『あ!いえ…私が転生する時もこのままでと言ったんです
呼び方は、そうですね…ご主人様にします
奴隷の身分で同等はかえって怪しまれる可能性が有ります
一応、隠蔽もこのままにしておきますね』
何故か、僕の奴隷…のとこで大きく身体が震えていたが…
確かに隠蔽していても、鑑定で見破られる可能性もあるか、、
この世界の常識ってヤツを先ずは学ばないとな
ミトは自分のステータス画面を見れないみたいだから
ミトに話して納得出来たら、鑑定で見させて貰おうかな
街へ入る前に用心しておくのに、越した事はない
『ミト…実はね…僕は他人を 鑑定 出来る能力を貰ったんだ
その人のレベルや能力が見れる魔法だね
ミトは自分の能力を、自分では確認出来無いみたいだから
街へ入る前にミトを調べて確認したいんだけど、良いかな?』
ミトは、少しだけ考えて頷いた、顔がめっちゃ真っ赤になっている
そして徐に着ていた服を脱ぎ始めた…ん?? んんん???
上着を脱いで、更に着ていた服に手を……ってストップ!!
ミトの色が過去最高に濃い桃色になってる!!
『待って、ミト、待って!!鑑定は脱がなくても出来るから!
ミトを調べるって、そう言う意味じゃ無いから!』
ミトは、間違いに気付いたらしく 凄く焦っていたが
落ち着いて顔を上げた時には、少し残念そうにも見えた
のは…きっと僕の願望だろう
まだ七歳だからね、もうちょっと大人になってからだな
ミトに断ってから鑑定を掛けた、ステータスを確認していく…
やっぱり能力やレベルも高いね、カタリナの加護ってのが付いてるな
カタリナって女神様に転生して貰ったのかも、、
奴隷については一切出ていない
念のため、ブレスレットを外して貰ってから 再度鑑定を行った
んーー、こっちはニーノの奴隷って表示が出ているな…
隠蔽してないので、他の項目もさっきより詳しく見る事が出来た
街の状況が分かるまでは、やっぱり隠蔽しておこう
取り敢えず、日が暮れる前に街へ行くかな
『街で鑑定が普通に使える場合も考えて、やっぱり隠蔽しておこう
普通に会話は出来ると思うけど
先ずは、この世界の常識や当たり前を理解しないとだね
極力、目立たない様に過ごせると一番良いかなぁ
楽しんでくれって神様が言ってたので、一緒に楽しもうね』
『はい!ご主人様』
やっとミトに笑顔が戻った、良かった良かった
さて、街へ向かいますか…これだとお約束も有りそうだし、ね
時空魔法や、転移魔法、鑑定やアイテムなんかも調べないとなぁ
取り敢えず隠蔽してる間はニーノと呼んでねと言ったら
従者や家臣達が、ご主人様と呼ぶのはおかしく無いと言われた
んーそんな感じだったかな、、まぁミトが呼び易い呼び方で良いよ
だって…ご主人様って呼ぶ時、めっちゃ良い笑顔なんだよ…
僕達はこんな話をしながら、この世界で初めての街へ向かっていた




