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進軍


翌朝は早々に宿を出立し、皆で城を目指していた

ここ迄は、魔獣とも遭遇せずに来たのだが、ここから先はエッカート領内だ

報告が確かなら、魔獣と遭遇する事になる可能性が高い


関所で受けた報告は、思った以上の物だった


『ルエル地方に発生したダンジョンからは、魔獣の出没を数百以上確認!

 ルエル子爵とその騎士団が対応に当たっていますが、既に三つの村が壊滅

 街まで迫る勢いとの事でした、この情報は既に三日前の情報であります

 先日送った連絡係の帰還報告が有りません…恐らくは…

 また、ミナレイ地方に発生したダンジョンからの出没は確認されていません

 ただ帝国との国境付近には、数百の魔獣が確認されています!

 地形がかなり入り組んでいる為、まだ捜索隊が全てを確認出来ていません』


『分かった、引き続き警戒を頼む

 状況はかなり劣勢だが、引く訳にいかぬ戦いだ、やはり一旦城へ向かう』


皆が頷いて、城を目指した


城内は騒然としていて、エッカート辺境伯の帰りを待っていた

皆が一行に声を掛ける

一行は休憩する間も無く、大広間へ向かう

大広間にはかなりの人数がいて、情報の取りまとめをしていた

騎士団長以下、主要なメンバーは既に揃っていた

全員からの報告を聞くが、何れも状況は芳しく無かった


『皆の者、早速で悪いが、以下の分担で任務に当たってくれ

 ルエル子爵の国境付近が一番状況が厳しいので

 騎士団と魔法師団の人選は任せる、選抜して出発してくれ

 サーシャ…済まないが、魔法師団を頼む

 最悪の場合は私も出ると子爵には伝えてくれ

 新規ダンジョンは、引き続き警戒を怠るな

 潜入して中の状況を確認させ、報告を上げてくれ

 捜索隊は地元の領主と連携し、隈無く捜索してくれ

 必ず、見落としの無い様に、これは厳命だと伝えてくれ

 何か意見のある者はいるか?』


『父上、恐れながら

 国境付近は激戦が予想されます、母上との同行の許可を願います

 基本後援にて待機し、支援を行う予定としていますが

 余りに数が多い場合は、一度撤退させ

 母上と、私、魔法師団で広域魔法にて殲滅を行いたいと考えます』


城内は一層、ザワつきが大きくなった

サーシャの実力は城内の者が知るとこであったが、、ニーノは…

神の子とは言え戦場は子供の出る幕では無いと考える者もいた

支援とは言え、無謀過ぎるのでは…


『ニーノ、頼めるか? かなり危険な状況だが

 お前なら、この状況を覆せるかも知れん

 本来なら、最前線にお前を行かせたくは無いのだが

 領内ではお前が一番適任だと私も考える

 イヤ…最早それ以外に手は無いのかも知れんが…』


エッカート辺境伯は、すまなそうに息子を見た


『私が同行しますので、大丈夫です、貴方…

 皆にはまだ知られていませんが

 ニーノは特級魔法師団への入団を、許可される程の実力が既に有ります

 広域魔法においても、既に私の魔法を超えていると予想します

 ですので見た目は子供ですが、十分な戦力となる筈です』


ザワザワと落ち着かない大広間だったが、やがて鎮まりかえっていた

両親が揃って、子供を頼りに最前線の戦場へ送り出そうとしている

その異常な事態をまだ理解出来ないでいた

ただ、神の子 で有りニーノを直接知る人達は其々が頷いていた


『ニーノ様、私は実力を心配しておりません

 私達は貴方の命を心配しているのです

 この先、この領地には絶対に貴方が必要です

 そんなニーノ様を最前線へ送り出すなど…

 家臣として大変申し訳無く…』


ニーノを良く知るその重臣の言葉は、途中で途切れた

ただ、この場にいた家臣全員がいまの言葉にただ頷いて、俯いていた


『皆様の御心使いには、本当に感謝致します ありがとうございます

 もちろん皆様の邪魔は致しません、私は私が出来る事で力になりたいのです

 この領地を領民を皆を愛しています、皆様のお力を是非、僕にもお貸しください』


そう言って頭を下げた子供の目は、純粋な瞳そのままだった

誰しもがその言葉に納得し、何も言えなくなってしまった


『分かった、サーシャ、ニーノは魔法師団への指示を頼む!

 騎士団は団長を筆頭に魔獣の殲滅を優先に行ってくれ、以上だ!』


その日の内にルエル領の最前線を目指す

途中で、小規模な魔獣の群れに幾つも遭遇したのだが、、

ニーノの広域魔法で全て一撃だった…


『最前線に着くまで、騎士団や魔法師団は戦力を温存して下さい

 単体の魔獣は私と母上で、群れに遭遇したら直ぐに報告を!

 私が広域魔法で殲滅します!』


ニーノのこの言葉を、皆が最初は疑っていたが

いざ戦闘が始まると、言葉通りの結果となった

予定よりもかなり早く進軍出来ていた

ただ流石に歩兵が多いので、行軍のスピードは余り上がらなかった


『騎士団や魔法師団が、逆に足を引っ張る形になりそうですな…』


エッジ騎士団長が、僕の馬車に近寄りそう告げてから

街道を行く長い行軍を見ていた


『少し部下の方をお借り出来ませんか? エッジ騎士団長

 先行部隊に私も同行して

 もし殲滅が可能で有れば、先に殲滅を済ませてしまいたいと思います

 あ、もちろん危なく無い範囲で行いますね』


『ニーノ様、大変助かります もちろん私も同行します

 ただ、我々も魔獣との経験を積まねばなりません

 群れでない場合は騎士団にもお任せ下さい』


『分かりました、自分の命を最優先で、それは必ず厳命して下さい

 私には優秀な護衛がいます、ですので騎士団は魔獣に専念して下さい』


次の休憩で、僕達数十名は別行動を行う事となった

国境に近づくにつれ、魔獣はかなり多くなったが問題は無かった

そこそこに数を減らしてから

交代で騎士団の経験を積ませる形に変えたので

多少の負傷者は出たが、魔法師団で対応出来る範囲だった

順調に進軍しルエル子爵が指揮する、最前線はもう目の前であった


ーーーーーーーーーーーーーーー


【???】


とある場所の、とある路地裏


『王都にいなかっただと?! もう作戦は始まってるんだぞ!

 探せ!必ず探し出して国境を越えろ!必ずだ!

 あぁ、お前にはコレとコレを渡しておく…

 囲まれた場合はコレを使え、ある地点まで転移が可能なはずだ

 ただ、かなり不安定なのでギリギリまで使うなよ

 どうしても確保出来ない場合は… コレを使って

 神の子を消せ、、我らの計画にきっと邪魔になる』

 

アイテムを受け取った人物は、何も言わずにその場を去った


『もう作戦は開始してしまったのだ、どちらにせよ止められない

 確保が望ましいが、他に手がない訳でも無い…

 確保出来ないなら、邪魔にしかならないからな、、、、消すまでだ』


そう言って、路地裏を後にした



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