表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この恋、前途多難!?

作者: RYUN

何か…ありきたりな物語書いちゃった気がする…

こんなはずじゃなかったのに〜orz

彼氏が出来たら、何をするんだろう?

やっぱりデートはしたいな。手なんか繋いじゃったり。

場所は、やっぱり遊園地がいいな。


―――澤田美紅(さわだみく)


現在中二。彼氏いない歴、14年。

ちなみに彼氏募集中。


「あーっ、もう最悪!」


あたしの親友。名前は酒田蜜(さかたみつ)

かわいくて華奢。あたしの、憧れの女の子。


「ちょっと…聞いてよ美紅!」

「どうしたの?」

「アイツ…あたしの誕生日忘れてたんだよ!?ありえなくない!?」


蜜は、小6の時に初彼が出来たらしい。それから蜜は、オトコには困らなくなった。


「誕生日…昨日だよね?」

「そうそう!あーまじ美紅かわいいわぁー。覚えててくれたんだね〜!」

「うん!蜜の誕生日は、覚えてるよ!」

「で、自分の誕生日覚えてないんでしょぉ〜。そんなとこがかわいい…。」


そう言うと蜜は、あたしに抱きついた。

確かにあたしは自分の誕生日はあまり意識していない。決して、覚えていないわけではないけど。


「ま、そういうわけでさぁ。フッってやったよ!これであたしもフリーだよ!」


何故か嬉しそうに言う蜜。

けど実際のところ、フリーって言っても長くて5日。

蜜はよく告白されるし、蜜もまたそれを断らないから蜜の元彼は数えられないほど。

先輩とも付き合ってた、って聞いた時は本当にびっくりした。


「ねーぇ、美紅〜。」


急に猫なで声になる蜜。

…何かたくらんでるな。


「いっつも思うんだけど…本当に、好きな人とか出来ないの?」


蜜は、あたしの心を見透かしているのだろうか。

実際、あたしには口には出さないだけで好きな人がいた。


「んー…いるような…いないような?」

「ふーん。いるんだ。で、誰!?」


蜜からこんなにもあたしの恋愛に興味を持ったのは久しぶりだった。

きっと、蜜のことだから…「協力する!」とか言うんだろうな。

蜜の行動が簡単に読めるから、なんだかその蜜の単純さにきゅんときて、微笑してしまう。


「…高嶋(たかしま)だよ!」


蜜の耳元で、小さな声で蜜に告げる。

すると蜜は、にこっと怪しげな笑みを浮かべた。


「…ふーん。高嶋、ね…」

「うん。…蜜は、いるの?好きな人とか」


あ、そういえば蜜は今さっきフリーになったばかり。

いるわけないのに、無神経なことを聞いてしまったと自分で反省した。


「いるよ?」


予想外の言葉に、驚きを隠せないあたし。


「っうそ!!誰…?」


あたしの恋愛に興味を持った蜜にもびっくりしたけど、蜜の恋愛に興味を持った自分にも正直驚いた。今までは、そんな経験豊富な人の話を聞いたって合わないだけだ、って思ってたのに。

けど、今回は違う。


だって正直、蜜が自分から人を好きになったなんて話は聞いたことがなかったから。


「気になる?」


口端を軽くつりあげてクスっと笑う蜜は、やっぱり怪しげ。

けどどこか色気があって、蜜がもてるのが凄くよく分かる。


「…美紅と同じだよ。あたしも、高嶋のことが好きなんだ」


衝撃だった。蜜と、好きな人がかぶるなんて。

かぶったことにも衝撃を受けたけど、まさか蜜が高嶋みたいな特に目立ってもいない男子が好みだったということにはもっと衝撃を受けた。


「ライバルだね、あたし達」


にこっと笑う蜜の笑顔には、得体の知れない支配力がある。

逆らえない、憎めない…


とりあえず、どの道あたしに勝ち目はないようだ。


「…うん。」


あたしのか細い返事は、チャイムの音にかき消されてしまった。

蜜は急いで自分の席に戻る。


…嫌だな。蜜は、高嶋と席近いし…


授業が始まってから、あたしは高嶋をしばらくみつめてみた。

すると、高嶋が振り返り、目が合った。


…高嶋よりもあたしのほうが席後ろのほうなのに。まさか、高嶋をみつめてたのばれたとか?

そう思うと、段々あたしの顔は紅潮してくる。


高嶋は、あたしと目が合ったことにびっくりしたのか、すぐに黒板に目を移した。



―――ああ、いいなぁ。


授業中の、真剣な眼差しとか。ペンを指先で器用に回す仕草とか。

高嶋の動作全部が、愛しく感じる。


ふと、体が固まった。

蜜が、高嶋に何かを投げたからだ。


多分、手紙だろう。

高嶋は、投げられたものをかさかさといじる。

きっと、手紙を開けてみているのだ。


―――――え?


高嶋は、確かに今笑った。

あたしの席から高嶋の顔を完全に見るのは難しいけど、口元の動きは見えた。


そして、高嶋は視線を蜜へと移動させる。

高嶋と蜜は目配せして、お互い笑っている。


何をそんなに楽しそうにしてるの?

この瞬間、あたしの思考力はゼロになった。


「みーくっ!」


授業が終わると、普通に話し掛けてくる蜜。

そんな蜜に、腹が立つ。


無神経にもほどがあるよ!!


「あのね、高嶋のことだけど…」

「もういい…」

「え?」

「蜜は、あたしの初恋を邪魔したいんでしょっ!?」


自分でもびっくりする。まさか、こんなことを思っていたなんて…

蜜は案の定驚いている。

あたしは、そんな蜜はお構いなしに言葉を続けた。


「蜜はさ、いいじゃん。告白とか断んないし。来るもの拒まず、みたいな。彼氏なんかすぐ出来ちゃってさ。つまんない理由ですぐ別れられてさ…蜜のそういうところ、直したほうがいいんじゃない!?」


そこまで言い切ると、さすがの蜜も顔をしかめた。


「悪かったね、来るもの拒まずで。正直美紅のこと、見損なった。」


蜜は、不機嫌な顔のままあたしに言い放った。

あたしは蜜と顔を合わせているのが耐えられなくなって、教室を飛び出した。


でも、あたしだって蜜がこんな子だとは思ってなかった!


所詮、もてる人とは住む世界が違ったのかな。

なんて、考えてしまう。


「えっ?澤田?」


声をかけられて振り向いた。

すると、そこにはあたしの思い人がいた。


「…高嶋」


愛しい人の名前を、まるで独り言のように呟く。


「どこ行くんだよ。もうチャイム鳴るぞ」

「…サボる。」

「はぁ!?」


咄嗟に出た言葉。本当はサボる気なんてなかったけど、言ってしまった以上サボるしかない。


「え…お前、珍しいな。つか、サボりって…お前が初じゃね?この学校で。」


感心したように言う高嶋。そして、言葉を続ける。


「お前に先越されんのも何か悔しいから、俺も付き合ってやるよ」


これは、きっと高嶋なりの慰め。

いつも真面目なあたしがそんなことを言うくらいだから、何かあったんだと察してくれてるんだ。

高嶋も、どちらかというと真面目だけど。


「え…あ、ありがと。」

「んー。で、どこでサボんの?」

「…………………」

「考えてなかったのかよ!」


軽く突っ込みを入れられ、思わず笑うあたし。それにつられて高嶋も笑った。


「んじゃ、まぁ屋上でも行くか!先生こないだろーし」

「う、うん!」


必死に頷いた。

すると高嶋の動きが一瞬ぴたっと止まった。


「…必死すぎ」

「――――――っ」


急に恥ずかしくなって、言葉が出なくなった。

それと共に、顔が赤くなる。

高嶋も、それにつられたのか赤くなった。


「あーもー!なんだよっ。急にしらけんなよ!サボんだろ?チャイム鳴る」


高嶋はそれだけ全部吐き出すと、あたしの手を引いた。


高鳴る心臓。

高嶋って、別にこういうこと平気なのかな?


ってゆーか…手、汗かいてないかな…

どうしよう、汗ばんでたら。


なんて考えれば考えるほど、手の汗の量は増した。


「何オマエ、暑いの?手ぇ汗かいてる」

「う、うるさい!汗っかきみたいに言わないでよ!これは、ただ緊張して…」


そこまで言うと、思わず口を塞いだ。

さっきまで笑ってた高嶋の表情も、固くなる。


…やっぱり、引いちゃった?


「何お前。あーもしかして俺のこと好きとかぁ?」


高嶋は、また柔らかい表情を見せた。


「何言っちゃってんのアンタ。そこまで来ると、もう自意識過剰超えてんじゃない?」

「うるっせーよ!」


いつもの会話に戻って、少しホッとした。


 それからあたしたちは、屋上についた。

屋上についた途端、さっきまでの楽しい会話がなくなった。


「…あのさ。」


唐突に口を開く。


開いたのは、あたし。


「何?」


少し間を置いてから、高嶋が答える。

あたしも同じように間を取って、さっきの言葉を続けた。


「高嶋って、彼女いたことある?」


勇気を振り絞って聞いた。


「何々〜??気になんの?」

「気になるね〜。で、どうなの?」

「適当だなぁ、オイ…」


高嶋は、そう言うとにこっと笑って言った。


「いたことあるも何も、現役彼氏やってまーす!」


楽しそうに言う高嶋とは裏腹に、あたしの表情はどんどん曇っていった。

そしてその雲は、あたしの表情だけでなく視界まで曇らせた。


「…え!?」


驚く高嶋。

そりゃそうだよね。


イキナリ、目の前で泣かれるなんて。


「…何で泣くんだよ」


高嶋はあたしの瞳をみつめながら言う。

その瞳が、どこか真剣で、目を合わせられなかった。


「…み、ないでぇっ…」

「答えて?何で泣くの?」


いきなり優しい口調になった高嶋に、あたしはこんな時でもときめいてしまった。

けど、きっと高嶋は引いてる。


こんな状況で、漫画みたいに「好きなの」なんてかわいらしいことは言えない。

けど、泣いてしまったから。

何も言わないなんてズルイことできない。


「…だって、高嶋彼女いるんでしょぉっ!?」

「え、冗談」


…は?


「いや。だから、俺に抜かれたなんて知ったら澤田悔しがるかなぁーって思って。」


どこまでも負けず嫌いなんだね。

でも、そんな高嶋もあたし好きだよ。


「…ばかじゃないの」


そう言って涙をぬぐってみると、あたしの視界を邪魔してた雲は消えた。

そして見えたのは、高嶋の無邪気な笑顔。


「…で、なんで泣いたの?それって、俺が彼女いるって言ったことと関係あんの?」


話を戻されるなんて思ってなかった。

高嶋が、ここまで粘ってくるとは思ってなかったから。


これは、答えるしかない?


「あのね。あたしねー…なんてゆーのかな。もしかしたら、好きかもしれない。」

「誰のことが?」


誰も、好きなのが「人」とは言ってないのに。

高嶋、もしかして分かってるのかな?あたしの気持ち。

気づいてたのかな?


「た…高嶋っ」

「へぇ」


それだけ言うと、高嶋は顔を背けた。

へぇって…それだけ?


高嶋は、意外に告白とか慣れてるんだろうか。

けど、それでもあたしの精一杯の告白を流されたことに苛立ち、高嶋の顔を覗き込んだ。


「ちょっと!へぇ、って何!?それはひどいんじゃ…」


覗き込むと、顔が赤くなった高嶋がいた。


「ちょ…ばか、見んじゃねーよっ」

「…え?何?何で、こんな…ええ??」


混乱するあたしに構わずあたしに喋りかける高嶋。


「…俺も好きなの!あーもー。…カッコ悪すぎ。絶対酒田に協力してもらわなかったらダメだった!」

「蜜!?協力!?なんのこと…」

「って、俺の告白はリアルに無視してんじゃねーか!」

「え、ごめん。蜜のことの方が驚いちゃって…」

「何だそれー。ひどすぎだろ」


だって、蜜は…高嶋のことが好きになったって…


「酒田、わざわざ澤田と俺の為に俺のことが好きなフリまでしてもらって…」

「うそ…まじ?」

「まじまじ」


まさか、蜜が協力してただけだったなんて。

思ってなかった…。


ごめん、蜜。


「…でさ。俺ら、つきあ」

「わない。」

「何でやねん!」

「関西弁遣うなら関西行ってくれます?」

「ノリ悪い…」

「うるさい!付き合わないの!」

「…なんで!両思いなのに」

「蜜の誤解解いてからね!」


そう言うと、高嶋は何も言わずに微笑んだ。


そしてあたしたちは、授業が終わるまで屋上で寝転んでいた。



「まじごめん!勘違いして、あんな酷いこと…」

 

授業が終わると、高嶋を置いて蜜のところまで走った。


「え?何が?」

「だから…来るもの拒まず、とか…」

「別に気にしてないよ!だってあれ、本心じゃないでしょ?」


あっさりした蜜に驚いた。

だって、絶対怒ってると思ってたから。


「でも…」

「いーの!あたしも、見損なったなんて嘘だよ。言い返しただけ」

「…ごめんね…」


背中を縮めるあたしに、こそっと蜜が言う。


「で、で!?…上手くいったんでしょ?」

「え、何が?」

「…何って…あー。折角憎まれ役をかったのに!ひどい…」

「あ、ああ!大丈夫だよ!とりあえず両思いにはなった!まだ彼氏にはなってないけど」

「…は?両思いなのになんでまだ付き合ってないの?」

「だって、まだ蜜の誤解解いてなかったし」

「……………」


蜜は、何故か意気消沈していた。

きょとんとしていると、蜜がいきなり手を引っ張っていった。


どこにつれてかれるのか、と思っていたら…


「あ、…澤田。」


高嶋のところだった。

ちょうど一人でいたから、助かった。

冷やかされたりは嫌だから。


「高嶋…折角あたしが協力してやったんだから、最後までしめなさいよ!」


蜜はそういうと、あたしを高嶋のところに突き飛ばした。

あたしはその拍子に高嶋に抱きついた。

高嶋とあたしの顔は真っ赤だった。


「…そんなに俺に抱きつきたかったのか」

「そうじゃないだろ!」


蜜が突っ込む中、なかなか言い出せない高嶋。


そんな高嶋もかわいいなんて思ったり。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございますm(__)m

でもまじで何でこんな小説書いたんだろう…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 悪役になってでも、友達の恋を応援する蜜を好きになりました。 美紅と高嶋が両思いでよかったです。 実はRYUNさんの 「LOVE PLAYER〜ラブ プレイヤー」も読んでます。
2009/07/27 11:52 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ